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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年12月

<この植物、あの子に似てる>
他の木にくっついて生きているコウモリラン、ぽっこりしたお腹の見た目はかわいらしいけれど、大繁殖するホテイアオイ、暗くじめじめしたところにいるほど生き生きするコケ…。
植物のそんな生態は、あの人やこの人の生き方にそっくり。
人間の不可思議な行動を植物の生態に仮託して描く、アサクラ版・植物誌! 

                 (徳間書店HPより)



植物から連想される女性たちの物語?
最初にタイトルと植物の名前と解説がある。

インパクトあったのは、<どうしたの?>とそれに続く<どうもしない>。
<どうしたの?>では盛り場の一画に二階建て住居を買った69歳の男性。
朝の散歩で公園に行き、家出少女のたまり的な場所として、早朝そこで
寝ている少女たちの<どうしたの?>と声をかける。
一人の少女が家に住むことに。

<どうもしない>では、その少女側からの話。
家出して行くあてのない少女たちが次々とそこに住む。
そして子どもを産み・・・・


このタイトルの植物は、<どうしたの?>がホテイアオイ
生育状況に恵まれると子株をつくり大繁殖することがあるそう。


朝倉さんらしいと言えば、らしい話たちだったかな?


                         ★★★
 
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発行年月:2015年4月


 大学を卒業した朋美にとって父親の記憶はおぼろだ。父の膝の上に抱かれた記憶、煙草の匂い、顎にある大きなほくろ。活動家で、理想の世界実現に燃えていた、立派な男――まだ見ぬ父を思うたびに切なくなる。ところが、実業家の母である清子が衆議院議員に立候補した折、夫が在日朝鮮人であったことが報道され、朋美はその事実に衝撃を受ける。なぜ母はそれを黙っていたのか。不安と怒り、拒絶、落胆……複雑な感情が渦巻く。崩れていく理想像。父親の正体はいったい誰だったのか。自身のアイデンティティと向き合うために、朋美は父親の足跡を辿る。一方、日本人である母親と父との出会いにも、秘められたドラマがあった…。母子三代にわたる在日の家族を描く、感動の物語。

                  (朝日新聞出版HPより)



主人公の浜田朋美は、ライターで韓国絡みの記事を書くことが多い。
父は8歳の時に行方不明になり、母・清子は、全国にチェーン展開するエステ事業のほか
ソポーツクラブやリゾートホテルなども手掛ける会社を経営。

父親は在日韓国人だった?
北朝鮮の工作員?

有名人でもある母のことがいろいろメディアに取り上げられ、自分の知らない父の
ことが気になる朋美。


時代は現在と過去を交錯しながら・・・
朋美が誕生するまでの母と父のことなども語られ、二人は信頼し合って朋美が
生まれた。

物語の終盤、父親の居場所がわかり父親代わりのような存在であり父とも
面識があるという黒沢とともに父親が居る大阪に向かう。
自分が娘だと言うことを伏せて、父がなぜ、妻と子の前から姿を消したのかを
本人から直接、聞く。


50年くらい前だとやはり日本人が韓国人に抱く印象は良いものでは
なかったんだろうな。
母・清子は家族の反対を押し切って父と結婚することを望んだ。
それは強い意志。

最後のエピローグでは、父と再会から20年以上経った朋美の近況。
結婚して娘も生まれ、ギクシャクしていた母親・清子との仲も
良くなっていてホッとした。


最初のプロローグを読み返してみるとジ~ンと来るものがあった。


初読みの作家さんなので、ちょっと調べたら、両親が在日韓国人で
結婚を機に日本国籍を取得したとか。
ほかの著も読んでみたいな。


                        ★★★★



発行年月:2015年10月


すぐそこに、幸せはあるはず。
なのに、どうして遠回りしてしまうのだろう。
同じ道沿いだけれど生活環境も雰囲気も違う街
そこで暮らす女たちのリアルで切ない恋物語

東京・環状八号線沿いは電車で行くとまわり道。直線距離は近いのに……
迷い悩み傷ついても、選んだ道をゆくしかないんだ――
・荻窪在住:真希――――女優を目指す劇団員。バイト仲間に片想い。
・八幡山在住:絵梨―――同棲相手のエリート会社員はDV男だった。
・千歳船橋在住:亜実――新婚生活なのになぜか不安。そんな時、元彼に再会して……。
・二子玉川在住:芙美――高級マンションに暮らす専業主婦。夫の浮気に苦悩中。
・上野毛在住:里奈―――美人で仕事も順調。だけど、肝心の恋愛が空回り。
・田園調布在住:麻夕――お金持ちのお嬢様。好きな人と住む世界の違いを感じて……。

                 (祥伝社HPより)



短編かと思ったら・・・登場人物たちが繋がっていく連作でした。
2番目の話、絵梨の同棲中の小山貴志が野毛山在住の里奈と
急接近するのは危ないなぁ~。
DV男って一緒に暮らさないと本性出さないのかな?

どの話の主人公たちもし幸せを感じていないのが、なんだか辛い。
話としては面白かったけど・・・。


                    ★★★



発行年月:2015年11月


 元職場の女子会で知らされる、
恋人に娘が生まれたこと。
その本当の意味に触れたとき、
あなたの「常識」は揺らぎはじめる。
                   
第31回 太宰治賞受賞作 書き下ろし「お気に召すまま」併録

                  (筑摩書房HPより)



受賞作
<名前も呼べない>も<お気に召すまま>も
主人公は、心にトラウマを抱えて悶々としている女性たち。

<名前も呼べない>の主人公は中村恵那。
20歳年上の職場の上司・宝田と不倫関係にあったが、宝田に二人めの
子どもが誕生し、関係が途絶え職場を辞め実家に帰ろうとしている。

驚くのは、体の関係はなかったということ。
恵那は人と触れ合うことに恐怖心を覚えるため宝田ともキス止まり。
そして、宝田の妻・亮子の開くピアノ教室の生徒で亮子とも親しくしていた。

宝田とそんな関係にありながら平気で自宅を訪ねピアノを習い仲良くお喋り
したり・・・・理解不能だったなぁ~。

友人のメリッサの方に興味が強く沸き、彼(彼女?)の物語をもっと読みたいと
思ってしまった。

最後、亮子に思いのたけを全て電話でぶつける恵那は凄かったけど、それを
受ける亮子も凄かった。ふつう同じように激昂するとかだと思うけれど・・・
受け答えが冷静過ぎて怖かった。

まあ、よくわからない人たちばかり出てくる物語でしたが
不思議と面白く読めたかな?


<お気に召すまま>の主人公・羽田美波は高校の英語教師で
英語の弁論部顧問。夫と離婚したばかり。
幼い頃、鬼に変身した母親から逃れるため、ベッドの下に潜り込むのがクセだった。
が6歳のとき、母親が突然、家出して以後、5歳年下の妹と3人暮らし。
妹も今は結婚し、3歳の息子と夫と暮らしている。

美波が顧問の部活の部員・中島文乃が最近、何やら様子がおかしいと
担任の不破から相談され、彼女の抱えているものを探ろうとする美波。

生徒と話をするうちに自分のなかにあった、鬱蒼としたものが少し消えていく
かんじかな?

話としては、こちらの話の方が好きだった。
主人公にエールを送りたくなったから・・・。


1986年静岡県生まれかな~
これがデビュー作なんですね。

これからの作品も期待したい新人さん登場。


                        ★★★★




発行年月:2015年12月


正門から徒歩一分足らず。家の窓からは教室が、教室の窓からは家が見える――。

先生たちのキャラクター。男子と女子の攻防。隣の学区への小さな旅。PTAと子ども会。行事をめぐる一喜一憂。父との微妙な距離感。連続誘拐殺人事件の影。深まる母の謎――。小学生自身の視点で克明に立ち上がる、ノスタルジーも無垢も消失した、驚くべき世界像! 三島賞作家による、スーパーリアルな「小学生小説」。

                   (新潮社HPより)




表題に興味を覚えて初読みの作家さんのこれを読んでみた。

わたしも実家が小学校のすぐそばで、正に裏門から徒歩1分以内の距離でした^^;

主人公は杉田一善。1981年生まれの小学校5年生。

集団下校とは別に一人で帰っていたのは羨ましかった^m^
わたしは一応、皆と下校していたのでいつも「家、すぐそこなのになぁ~」と
思って居た。

一善が下校の道を少しでも長くするため回り道して帰るのは大いに共感!

この時代、まだ小学生は携帯とか持ってなかった時代。

宮崎勤による連続幼女誘拐殺人事件があったとあるので、リアルに
あの時代の子どもの話なんだ~と思えた。

学校(同じクラス)の友達数人と家族しか登場人物が居なく特別なことも
起きないので物語としては単調。
でも不思議と懐かしい気持ちになれて最初から最後まで心地よく読んだ。

初めての作家さんだったけど、他のも読んでみようかなぁ~。



                    ★★★

 
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