発行年月:2016年2月
奇想天外なユーモアあふれ、不思議な幻想の世界も描く。また知性と少女性をもあわせもつ児童文学作家、高 楼方子の珠玉のエッセイ。旅先で、日々の暮らしで、本や映画のなかで出会った印象深い〈おばあさん〉たちを拠りどころに、遠い日の光景や様々な思いをユ ニークな視点で綴る。深く心に沁み入る話から、思わず笑える話まで、多彩な短編集を読むようなおもしろさ。出てくる本や映画は、ぜひとも読んだり見たりしたくなる、世界が広がるエッセイ集です。偕成社ホームページで2012年から2年にわたり連載したものの単行本化。
(偕成社HPより)
高楼さんのいままで出会った老嬢さんの物語。
ポルトガルやイタリアで出会った、おばあさんたちもチャーミングだったなぁ~。
ナポリの杖を左右に振りながら交通量の多い道路を横断する、おばあさん。
オレンジの木の下でオレンジ売りをする、おばあさん。
また映画や本のなかの印象深い、おばあさんたちの話も面白かった!
いじわるばあさんが好きというのも共感。
またその絵が本当に長谷川町子さんの絵に似ていて、ビックリ!
「夕映えの道」は本と映画、両方、知らなかったので、本を読んで映画も
見てみたい!!と強く思ったのでメモ!
そして、おばあさんの絵がどれも可愛い(#^.^#)
愛される可愛いおばあさんになりたいなぁ~と思える本でした。
★★★★
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発行年月:2015年12月
昭和の子どもたちの人生は、やり直せる。新たなるメッセージが溢れる最新長編。
元子役の映画監督・小松亘氏は週刊誌のインタビューで、かつて主人公として出演したドラマのロケ地だった団地の取り壊しと、団地に最後の一花を咲かせるため「たんぽぽプロジェクト」が立ち上がったことを知る。その代表者は初恋の相手、成瀬由美子だった……。少年ドラマ、ガリ版、片思い――あの頃を信じる思いが、奇跡を起こす。
(新潮社HPより)
年内いっぱいで取り壊し決定の、つぐみ台3丁目団地。
かつて人気ドラマ「たんぽぽ団地の秘密シリーズ」のロケ地だった、団地。
そのシリーズのドラマに子役で出演していた、小松ワタルは、今は映画監督になり
取り壊しが決まった団地で「たんぽぽプロジェクトクト」が結成されていることを知る。
その代表はかつての初恋の同級生・ナッチョ(成瀬由美子)。
再び、団地を舞台にした映画を作りロケを、つぐみ台3丁目団地でやることに。
1973年に小学6年生だった、ワタルとナッチョ。
そして、団地に住む祖父に会うため、父親・直樹と共に来た杏奈(小6)は
団地に住む純平(小6)や、ロケ地に来た子役の美咲カノン(小6)と知り合う。
純平は全国屈指の進学校に通っているけれど、勉強が遅れぎみで周囲から孤立。
勉強はトップなうえ、何事もそつなくこなすハヤトとその子分3人には
嫌がらせを受けている。
純平はいい子。
彼みたいな子が生き難い環境はどうにかしなきゃ!
カノンや杏奈によって、ハヤトたちとの関係が少し変化したのは嬉しかった。
時空たつまきが起きて、過去と現在が交錯し、今は大人の人たちが
子どもの姿で登場するのがユニーク。
杏奈は、一度も会ったことがない祖母の昭子のこともいろいろ知ることが
出来た。
昭子さん素敵な女性でした(^^)
今はもう会えない人たちとも会えたり、大人も子どもだったときの気持ちを
思い出したり・・・大人たちの年齢が自分ともかぶったりするので
重松さんのの話は、毎度、懐かしい気持ちになります。
かなりSF的要素が多いお話でややわかり難いところもありましたが
まあまあ楽しめたかな~。
かつて団地に住んでいた人ならもっと楽しめるかも。
★★★
発行年月:2016年1月
成長する子どもの時間、老いゆくお年寄りの時間、イヌが感じる時間など、生きもののように伸び縮みする「時間」(=よはひ)をテーマにした27編。幻想と現実のあわいを描く、著者の新たな代表作。
(集英社HPより)
お話好きのお父さん(著者?)とその息子・ぴっぴの成長を挟みながら
語られる色々なお話。
主人公は人だけじゃないのも面白い。
<十八歳のきのこ > <九十二歳のイースト菌> <三千三百ページのノート>
<千二百年生きる馬> <四歳のピーコートのボタン>などなど・・・・
ちょっとジーンときたのは<旅する香りちゃん>
香りの記憶って鮮明なんだなぁ~と納得。
JRの事故現場での追悼集会での話なので、ちょっとしんみり気分だったけど
香りちゃんは、皆のためにいい仕事をしたと思う。
息子のぴっぴ君が最初は2歳5カ月で登場し、お話の終わりでは5歳の誕生日を
迎える。
周りの人に成長を祝ってもらって幸せそう。
ぴっぴくんは、いしいさんの息子さんのことでもあるのかな~?
表紙の題字は息子さんの「いしいひとひ」くんの書いた字とか。
う~ん。なかなかいい字。のびのび育っていつかお父さんと同じように
お話をいっぱい作ってそれを世に出してほしいな(^^)
★★★★★
発行年月:2015年9月
「金持ちですが、何か?」身近な小金持ちの悲喜交々を笑い飛ばす痛快短編集。
親の介護にペットの世話、面倒はすべてお金で解決。自己中心的でも他力本願。そして根拠のない楽観主義……私たちの周りの、いわゆる「セレブ」な人たちを、ユーモアと皮肉たっぷりに描く全五篇。大人の恋愛あり、近未来SFあり、官能サスペンスあり、さらにはカーチェイスまで。欲望のままに突き進む現代人の解体新書。
(新潮社HPより)
5つの短編。
それぞれ面白かったけど、最初と最後の話が好き。
最初の話は<トマトマジック>
近所の主婦を集めて教室を開いている美千子。
東大教授の妻・志摩子、夫が開業医のよしみ、三千子と同年代で7人の子を育てた豊子。
そしてゲストに染色アーティストで女性誌にも度々取り上げられるケイ・ミズマ。
ゲストがお土産に持参したドライトマトのような実を料理に加えて皆に振る舞った
美千子。
途端に眠気が来て・・・それぞれ夢をみる。
それは自分の欲望を実現する夢。
いつも美容に気を遣い、スリムな体型を保つ努力をしている、よしみの願望は
食欲。志摩子は、夫が出世したのは君のおかげだと認めて欲しかった。
ほかには、ちょっとしたアバンチュールを楽しみたいという願望などなど・・・
セレブな人たちも、なかなか可愛いなぁ~。
最後の話は<クラウディア>
著名な写真家の事務所に所属し、ファッション写真を撮っていた時代は
女にもモテて収入もあった岡本孝純だが、独立してからは上手くいかず
借金が2千万。
同棲中の直美からも疎まれ、飼い犬のクラウディアだけが慰め。
借金返済のため当たり屋をしてその保険金で返済を目論むが、運悪く当たった車は
ヤクザのベンツ。
連れ出され山中で首まで埋まられ放置されるが、クラウディアが助けに来てくれた。
山小屋を見つけてそこにクラウディアと暮らし始める。
食べ物がなく困っているとクラウディアを自分の空腹を満たすため野生の動物を
次々捕え獣の姿になりそれらを貪り食う。
兎、鳥、猿・・・クラウディアのおこぼれをもらい何とか命をつなぐ。
どうなることかと思ったら、結果、運よく新しい生き方が見つかり良かった良かった。
他、<蒼猫のいる家>は、ちょっと寂しいセレブの話。
海外出張などを頻繁にこなすため、家のなかは義母が仕切り、娘も夫も
エリカを必要としなくなっている。そんな家が嫌で、嫌いだったけど一番
自分を慰めてくれた猫と一緒に家を出る。
<ヒーラー>と<人格再編>は、SFっぽく
ちょっと気持ち悪い話だったなぁ~。
でも面白かったけど。。。。
なかなか楽しい短編集でした^m^
★★★
発行年月:2015年6月
出産を巡る女性の実状を描く社会派ミステリー
親子3人で平和に暮らす栗原家に突然かかってきた一本の電話。
電話口の女の声は、「子どもを返してほしい」と告げた――。
(文藝春秋HPより)
色々と考えさせられる話でした。
物語は、二人の女性が語る形式。
ひとりは、同い年の夫と職場結婚し、35歳で不妊治療を始め
治療を断念し、養子縁組によって生まれたばかりの男の子を育てることに
決めた栗原佐都子。
もう一人は、中学生で好きな男の子と交際するうちに妊娠し、気づいたときには
堕胎出来ない時期で出産をした片倉ひかり。
物語の冒頭は、佐都子の元にひかりが電話で「子どもを返してほしい。それが
ダメならお金を用意してほしい」というもの。
そこから、二人の女性のそれまでのことが描かれる。
佐都子もひかりも常識ある人だなと思った。
佐都子の夫・清和も優しく不妊治療の際も協力的で、不妊の原因が自分に
あったと知っても自暴自棄にならず、二人にとって最良と思える決断を
話し合って決め、子どもを引き取り朝斗と名付け大事に育てて来たんだな~と
最後にわかった。
ひかりも無知で子どもを妊娠し、その後、両親や親戚から追い詰められ高校生で
家出し、苦労して生活していた。
お金に困り、栗原家に脅迫めいた電話をしてしまったけれど、そうするしか
なかったんだと思えた。
ひかりの出産後のことが辛かったけれど
最後は、救いがあって良かった。
この後、どうなるんだろう。
朝斗が幸せに成長するといいな~。
そして、ひかりも幸せになれるといいな。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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