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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年2月

ポンペイの遺跡、猫めいた老婦人、白い紙の舟…。不在の人物の輪郭、欠落した記憶の彼方から、おぼろげに浮かび上がる六つの物語。たくらみに満ちた短篇集

                  (文藝春秋HPより)




表紙の絵、何処かで見た事あるなぁ~と思いました。

グランマ・モーゼスの「プロポーズ」だそうです。

6編の話は、どれもちょっと不可解な部分があって、ちょっと睡魔が
襲って来てダラダラ読んでいたら、わけがわからなくなる^^;


<ポンペイのとなり>
年子の弟の同級生・湖とかいて<みなと>と読むから弟宛に届いた手紙。
それから子供時代の回想が始まる。

最初からちょっと油断すると「え?どうゆうこと?」と分からなくなり
焦りました^^;
読解力落ちた?と。
でも、この雰囲気は、6編の中では一番好きかも・・・^m^


表題作の<フランダースの帽子>も面白かった。
良く似た姉妹・ミナとカナ。
彼女たちのことを述べながら・・・それを語る者にも姉が居て
ラストはよく似た姉妹は姉妹じゃなかったというオチには笑った。

複雑に入り組んだ構成、凄いな。
そんな風に思わせる話の数々で、凄い思考力だわ~と感心した短編集でした。

ちょこっと読みにくかったけど、楽しませて貰いました♪


                       ★★★
 
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発行年月:2015年6月

 中庭のあるアパートに住んでいる子供たちが出会った奇跡。六つの物語からなる大人のための絵本。

遠縁のおばあさんに引き取られた、けなげな孤児の姉妹の話…「キャベツの奇跡」、ほとんど目が見えない時計職人の曾祖父が、孫娘にしてやったこと…「つぶやきおじいさん」、いじめられっこのゲーニャのために母がひらいた誕生会で起きた思いがけない出来事…「折り紙の勝利」等六篇。静かな奇跡に満ちた、心揺さぶられる物語集。

                   (新潮社HPより



6つの短編から成るが、最後の話で、みなが再び登場。
旧ソ連時代の人々の暮らしぶりも垣間見れる。

子供たちは、孤児になって、おばあさんに引き取られていたり、たいていの子供には
父親が居ない。
多くは戦争で亡くなったりしていて、どの家庭も貧しい。
そんな生活のなかでも、人と人のふれあいの中で微笑ましい場面があって
温かい気持ちにもなれた。

特に最後の話<折り紙の勝利>は、虐められっこの少年・ゲーニャの誕生会を
開いたお母さんの思惑通り、皆がゲーニャのことをバカにするどころか注目の的に
なって楽しいひと時を過ごすことが出来て良かった!

友だちと仲良くしたり、家族と笑い合ったり出来る日常の大切さを
感じさせてくれた気がする。

絵もユニークで良かった。


                       ★★★★★



発行年月:2016年2月


 仙台にある「本当寺」というお寺の墓地には、振袖姿のかわいい幽霊がでます。名前は「お鈴」。そう、お鈴さんは江戸時代の呉服屋の娘さん。とある事情で平成の世になっても、いまだに成仏できずにいるんです……。

                    (角川書店HPより)




お鈴さんは、幽霊でした。
呉服屋末広屋の娘で17歳で亡くなっている。
力弥という男が好きだったのに、彼はおナミさんと駆け落ちしてしまった。
お鈴は、そんな二人の末裔を探しているという。

村田カエデ(27歳)は、信用金庫勤務で母と二人暮らし。
カエデが2歳の時に両親は離婚し、父親とは全く会っていない。
が・・・そんな父親が亡くなり、娘あての手紙があると病院で父を看取った
看護師がカエデの元にそれを送ってきた。
そのなかに八木山の本当寺にお参りに来てほしいと。

そして、そのお寺に行った際、出会ったのがまるで舞妓さん姿のお鈴さんと
そのそばにいた呉服屋の番頭だった重兵衛さん。

カエデには二人の姿が見えたけれど、他の者には見えない。

以来、カエデの前に突如現れる。
力弥とおナミを探して欲しいと頼まれて・・・・

で、現在の世で夫婦の佐藤奈美とその夫・力弥に出会う。
二人はお鈴の探している者たち?復讐するの?と思いきや
二人の危機を救う。
なんとも心優しい幽霊です(^^)

他にも困っている人の手助けをして、おせっかいというより
困っている人を見過ごせない性格なんでしょう。

カエデの父親の事も詳しくわかり、母親にナイショにしていた手紙の
ことも実は全部、知っていたとは。

表紙の絵の通り、可愛い幽霊とそれに助けられる人たちの楽しいお話でした♪

ところで、お鈴さんは成仏したのかな?


                       ★★★




発行年月:2015年10月

森のイスキア・佐藤初女さんとの15年にわたる交流の中で、田口ランディさんが体験した「気づき」と「変化」とは--。「自分」という檻から解放されていく魂の軌跡。感涙のエッセイ。2014年11月に行われた佐藤初女さんと田口ランディさんの対談「深き森の語らい」も収録。

                  (中央公論新社HPより




青森県弘前市の岩木山の麓にある小さな三角屋根の家。
そこに佐藤初女さんという優しいおかあさんがいて、お料理をつくって
食べさせてくれる。
心に苦しみを抱えた人が訪れる。

初女さんは、特別なことはしないという。
丁寧につくった食事を食べて貰い、相手の話をただ静かに聞くのだと。
話を聞きながら特にアドバイスのようなものはしないのだと。
解決する力は本人が持っていると信じているから・・・。


初女さんの物の考え方は共感したり、「なるほど~」と気づかされたり
巻末のランディさんとの対談は素晴らしい。


初女さんが素晴らしい人であることがよくわかった。
そして、ランディさんの生い立ちに驚いた!
家族のことを語っていたが、なかなか壮絶で息を飲んだ。
淡々と過ぎたことだと言う風に書いていたけれど。
読みながらかなりショックを受けた。


ランディさんの本はこれからも読み続けるし、過去の未読の本も順番に
読んでいこうと思う。

そして初女さんの数多くある著書も読みたい!

調べたら・・・・なんと今年の2月1日に94歳で逝去されていたことを知り
これまたビックリ!
ご冥福をお祈り致します。


素敵な本でした!


                       ★★★★★
 

発行年月:2007年11月


元舞台女優の祖母のもと、魅力的な人たちに囲まれて私は大人になった――
同じ時を生きるかけがえのなさが描き出され、
読後には温かな感動が胸に満ちる物語。

                 (ポプラ社HPより)




表題から連想したのは「死」でしたが、清々しい物語でした!

有加は小学4年生の時、両親が離婚。
その後は母と父の母・蕗さんの家に住む。

有加の母・のぶちゃんと蕗さんの関係がいいなぁ~。
そして蚊帳の外の存在である有加の父・舟とのこと。

蕗さんは元舞台で活躍した女優。
その当時からの付き合いである富樫さん(女性)や田幡さん(男性)レミさんも
度々、蕗さんの元を訪れ長い良い関係が続いていて、まだ幼かった有加の成長を
見守っていた。


それぞれが年を取り、暮らしの環境も変わる中、みな生き生きその時を
生きて居る姿が素晴らしい。
年をとってもこんな風にわかりあえる友人が側にいてくれたらいいな~。

やがて、目覚めない朝は必ず誰にも来るけれど、その時まで精一杯生きたら
幸せ。
そして、誰かが自分のことを時々、思い出してくれたらそれまた幸せだな。
なんてことを思いました。


                         ★★★★
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