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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年2月


 女を昂奮させない菓子は菓子じゃない

スイーツは誰かの心を不意につかんで新しい場所へと羽ばたかせるスイッチ。下町の洋菓子店を舞台に繰り広げられる鮮烈な六つの物語。

                  (文藝春秋HPより)




創業40年を超える商店街のなかにある洋菓子店「プティ・フール」。
イチゴの乗ったショートケーキ、シュークリーム・・・・。

フランスに留学し、本場の洋菓子を学び、帰国後はフランス人シェフの店で働いた
亜紀が、祖父のお店を手伝う。
将来は自分の店を構えたいと思って居る。

話は6つですが、亜紀の周りの人物が主人公となりながらの連作形式。
亜紀の恋人・裕介は、弁護士で、プティ・フールの前からの常連客。

亜紀の元同僚で、後輩の澄孝や、その女友だち・美波の話などがお菓子の名前のついた
章で登場。

・クロゼイユ
・ヴァニーユ
・カラメル
・ロゼ
・ショコラ
・クレーム


西洋菓子には詳しくないけれど、読んでいるとどんな味かな?と気になる^m^

それでも、やはり、わたしは、じいちゃんの作るショークリームが一番
食べてみたい!
 

話として面白かったのは「カラメル」。
夫の浮気相手らしい女性から連絡を貰って会い、ムシャクシャした日々を送る女性の話。
でもプティ・フールを訪れ、少し考えを前向きにする話。

 
これ続編あるかな?
亜紀がどんな店を出すのかもちょっと気になる。


                         ★★★
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発行年月:2016年2月


 アッコ女史&“永遠の部下”澤田三智子みたび! 「アッコちゃん・ロス」の方々の嘆きが編集部に届き、期待にお応えして、今回はすべて黒川敦子登場の「オール・アッコちゃん」短編集。とてつもない存在感でいつでもブレない、ご存じアッコ女史が今回もストレートすぎる叱咤激励を連打します! 妙に冷めた若手男性社員、敵意を持ってやってきた取材記者、そして時間がうまく使えない三智子。栄養たっぷりのアドバイスはいかが。さくっと読めて元気をもらえるビタミン小説、待望の第3弾! アッコちゃんの意外な一面も!?

                      (双葉社HPより)


短編形式でお話4つ。
相変わらず、アッコさんはパワフルでいい!
そしてアッコ女史の元部下・美智子は、結婚したんですね~。
そして、職場ではリーダー。
でも、やはり美智子らしい。
リーダーであることに全然、自信がなくて、若い子たちから嫌われることを
恐れている。
そして、仕事の帰りも遅くなり夫となかなか時間を共有できない美智子。

そんな様子をアッコ女史がビシッと説教する様子が微笑ましい。
良い関係だなぁ~。
それを素直に受け入れる美智子の性格もいいんだけど。


アッコさんの習い事に月曜~金曜まで付き合う美智子。
けん玉、絵、梅干しづくり、ゴスペル・・・・・それぞれの習い事先でのアッコさんの
姿が可愛らしい。


表紙の巻きずし、可愛いなぁ~
お話に関係あるものだったんですね~(^^)


またアッコさんの物語、読めるかな?
今回も楽しかった♪


                         ★★★





発行年月:2015年11月


  <書籍の内容 〉乙女な心を持つ美術系男子のラブコメディ!
有名政治家を父に持つ遠明寺(おんみょうじ)美智之(みちの)輔(すけ)は、子どもの頃から絵を描くことが好きな乙女な男の子。恋愛対象が同性の美智之輔は、同級生の高瀬君に憧れていたが、思いを告げることもないまま、日本の美大を卒業後、憧れのパリへ留学していた。
ある日、アルバイト先のカフェで美智之輔は、ぼさぼさのおかっぱ髪でベース形の顔が目を惹く羽生(はぶ)光(み)晴(はる)という女性と出会う。凄まじい勢いでパソコンのキーボードを打つ彼女は、偶然にも美智之輔が愛読している超人気ハードボイルド小説の作者。訳あって歴史あるリトグラフ工房idemに匿われているという。
過去にはピカソなどの有名アーティストが作品を生み出してきたプレス機の並ぶその工房で、リトグラフの奥深さに感動した美智之輔は、光晴をサポートしつつ、リトグラフ制作を行うことになるが……。
〈 編集者からのおすすめ情報 〉
小説『ロマンシエ』に登場するパリのリトグラフ工房“idem"とコラボした展示会がを開催します(2015年12月5日から2016年2月7日まで、東京・丸の内のステーションギャラリーにて)。小説を読んでから展覧会に行くもよし、展覧会でリトグラフを楽しんでから小説を読んでもよし。小説(フィクション)と展覧会(リアル)がリンクした初の試みをお楽しみください。


                   (小学館HPより)



マハさんお得意の美術のお話でしたが、コメディタッチの物語でした。
舞台はパリ。
芸術の都で美大卒の遠明寺美智之輔が、アーティストデビューを夢見ながら
歴史あるリトグラフ工房<idem>のメンバーに知り合う幸運から
物語が面白くなっていく。

美智之輔の見た目はイケメン実は乙女という設定も愉快だったけど、恋が実らず
ちょっと切ないかんじ。

美術とパリに詳しい人なら、もっともっとこの物語を楽しめたんだろうなぁ~。

ま、そこそこ楽しめましたが・・・・^^;
一番面白かったのは、カーチェイスの場面(笑)。


                      ★★★



発行年月:2015年11月

輸血を拒む少年と、命を委ねられた女性裁判官。深い余韻を残す長篇小説。

法廷で様々な家族の問題に接する一方、自らの夫婦関係にも悩む裁判官の元に、信仰から輸血を拒む少年の審判が持ち込まれる。聡明で思慮深く、しかし成年には数か月足りない少年。宗教と法と命の狭間で言葉を重ねる二人の間には、特別な絆が生まれるが――。二つの人生の交わりを豊かに描きながら重い問いを投げかける傑作長篇。

                   (新潮社HPより)



ああ、余韻が残る物語。
さすが、マキューアン!!


エホバの証人を信仰する両親を持つ17歳の少年・アダム・ヘンリ。
白血病で輸血をしなければ死が迫る状況だが、信仰により輸血を拒否。
本人も輸血を拒否すると答えるが、フィオーナは輸血は合法であり
彼の生命は彼の尊厳よりも価値があるとして、医療側の行為を認める判決を下す。

少年は、それにより命を取り留め、快復し退院までする。
ここまでは、めでたい物語。


しかし、ここからが物語の核心。
少年は、命を救ってくれたフィオーナに特別な感情を持ち、彼女を訪ねて来る。
自分をそばで暮らさせて欲しいとまで言い、フィオーナ自身も彼に年齢を超えた

好意を一瞬抱く。

少年の知的で無垢な一生懸命な物言いは、とても魅力的。
自分を必要としてくれる少年に誰でも同じ状況になったら心が揺れるかも。

でも、聡明な女性・フィオーナは彼を拒絶する。
当然といえば、当然なんだけど・・・それが、後に彼に悲劇的決断をさせた?
と思ったら、たまらない。

哀しい。

なんて哀しい物語なんだろう。


                        ★★★★
 



発行年月:2011年3月

記念の品を残そう。最後の小学校生活、わたしがここにいた証として。

1年間限定で山奥の学校に引っ越してきた少女と木の触れ合いを叙情豊かに綴る、坪田譲治文学賞作家の新作!

鮮やかな手つきに目を見張った。木片は、あっという間に女の子の形に変わり、それをわたしに差し出す。ありふれた形だけどすぐにわかった。ボブヘアにスカート。太めの脚に大きな足。「これ、あたしだ……」――<本文より>

                     (講談社HPより)




12歳の小学生立石美楽が主人公。
父親が山奥にある高校の英語教師として赴任したので東京から引っ越して来た美楽たち。
生徒たちは、日本全国から集まっていて、地元の生徒以外は寮に住む。
美楽たちは特別に学校内の敷地に暮らし、美楽はそこから地元の小学校へ。

最初は、東京と大違いの暮らしに不満だらけで、すぐにでも東京に帰りたいと
思う美楽。

でも、明野工房を知り、そこで木工工芸家の伝さんに出会い、木工にはまる美楽。

父親の教え子たちや、小学校の子たちとも徐々に人間関係を築いていくなかで
山の暮らしに馴染んでいく様子が楽しい。

特にクラスのお嬢様・優美や父親の教え子・山田との関係が今後も続きそうな予感。

東京で再開編なんて続編、出ないかな?


                        ★★★★
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