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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年1月


 他人事、ではもう済まされない。平凡な日常が壊れる瞬間を描いた衝撃のミステリー。 誰が少女を殺したのか。 数行の三面記事に隠された、証言者たちの身勝手な事情。 被疑者の高慢、 医師の正義、 看護師の自負、 目撃者の憤怒、 弁護士の狡猾、 遺族の懺悔、 刑事の執念。 三月五日、午後二時ごろ、みどり市旭ヶ丘一丁目の横断歩道で、近くに住む八歳の女児が走ってきた乗用車にはねられ、病院へ搬送されたがまもなく死亡した。乗用車を運転していた二十六歳の男性に詳しい事情を聞いている。 たった数行の三面記事から始まる、慟哭のミステリー

                    (幻冬舎HPより)




ひとつの交通事故死に関わった人たちの物語。

8歳の女の子が車に跳ねられ死亡。
事故を起こした男と、偶然、そこに居合わせた主婦。
女の子を救急搬送しようとした病院の外科医。その愛人。
搬送を断った看護師。

色々な人が代わる代わる語る。

そして、結末は・・・


ああ、哀しすぎる(T_T)

自分の保身のため、人は嘘をつく。
その嘘に疑問を感じ更なる恨みが生まれる。

人間の心理を上手く描写した物語。
関係ない立場で読めば、皆、それぞれ悪いんじゃない?と言えるけど
もしも、自分にこんなことが降りかかったら?と考えると
とても恐ろしい。


さすが天野さん!
今回も引き込まれるように読ませて貰いました!


                        ★★★★
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発行年月:2016年4月

自分の居場所はここにある……癒やしを求め、次なる挑戦へ!


都内で暮らしていたエミリだったが、恋人に裏切られ居場所を失ってしまった。藁をも縋る思いで身を寄せたのは祖父の家。温かく迎え入れてくれた祖父や周囲の人たちの優しさに触れ、だんだんと自分を取り戻していく。


                   (角川書店HPより)



相手に妻子があると知らずに社内恋愛していて、その噂話に追い込まれ仕事を

精神的にも追い詰められ、仕事を辞めて15年ぶりに独り暮らしの祖父の元へ
向かうエミリ。

10歳のときに両親が離婚。
その後、母親の元で暮らすが、母親は次々に違う男性と付き合っていた。
兄はそんな母親に愛想を尽かして高校卒業と同時にアメリカに留学。


なんてヒドイ母親なんだと思った。
けれど、その母親の父親であるエミリの祖父・大三さんは、とても素敵な人。
こんな父親が育てたのに、そんなヒドイ母親になるかな?と疑問が沸きました。

それはラストに出て来た母親によって、疑問解決。


傷心のエミリがどんどん元気になっていく様子が嬉しかった。
この先も頑張って!と応援したくなる。

大三さんの言葉にグッと来るもの多くて、ジ~ンときた。
森沢さんの物語は、温かいな。


                            ★★★★




発行年月:2016年3月

陣内さん、出番ですよ。『チルドレン』から、12年。
家裁調査官・陣内と武藤が出会う、新たな「少年」たちの物語。
書き下ろし長編

                  (講談社HPより)



「チルドレン」読んだような、読まなかったような・・・^^;
でも、楽しく読めました!
家庭調査官の仕事は、馴染みがないけれど、凄く大変な仕事だな。

陣内は、独特な雰囲気の人だけど、罪を犯してしまった少年たちに接する態度に
温かみがあっていいなぁ~。
こういう調査員に出会った少年たちは幸せかも。
罪を犯さないことが大事だけれど、いろいろな事が重なって重罪を犯してしまう
者もいるんだということに気づかされた。

罪を犯したものには厳罰をというのは、ちょっと違うのかな?
なんて色々と考えさせられた。

ここには、無免許運転の末、事故を起こし人をひき殺してしまった棚岡佑真(19歳)。

ネットで事件予告をする者に逆に脅迫文を送った罪で試験観察中の高校生小山田俊。

そして、棚岡佑真が小学生の時、登校中、突っ込んできた車により一緒に歩いていた
佑真の親友・栄太郎をはねて死亡させた、若林青年。


それぞれのことを知れば、3人とも悪人とは違う。

罪を罰するって難しいと思った。


重苦しい題材を、陣内というキャラクターが息抜きさせてくれるので読みやすい。
チルドレンも読みたくなった。


                         ★★★★



発行年月:2016年1月

不妊で夫と義母からの嫌味に耐え続けてきた千穂は、算数障害に苦悩する男と出会う。妻と男との関係を怪しむ夫の奇行に、抑えてきた感情を一気に爆発させた千穂は、ある事件を起こしてしまう――。

                    (中央公論新社HPより)


重苦しい話でしたが、引きこまれました。

夫と義母から常日頃、屈辱的な扱いを受けている千穂は、偶然であった算数障害の透を
気にかける。
自身が開くそろばん教室で、そろばんを教えることから始める。
やがて、二人は離れられない関係に・・・・・。

う~ん。出会ったことは幸運だったのか?不運だったのか?
お互いが抱えて来た大きなものを理解し合えてはいないけど、一緒に居ることで
その抱えたものから逃げる仲間を得たかんじかな?

透の過去が、哀しい。
母と二人の生活を支えてくれた民生委員の新藤夫妻とのこと。
人の暮らしに立ち入るって難しいな~。


哀しかったのは、透の祖母・邦子の元で暮らし始めた千穂と透が、何かと手助けして
くれた邦子を殺害してしまうところ。
二人の行為は身勝手でしかない。
ここまでは二人の関係をある程度、認めたけれど、これ以降ちょっと批判的に
見てしまった。
追い詰められた人間って恐ろしいな。


二人は追い詰められて、人を殺めることを続けていく人たちなのかも。
逃げていくだけじゃダメでしょ?と考えるのは、他人事だからかな?

ラストもモヤモヤしたものが残りました。

二人の間に生まれた子どもはどうか幸せになって欲しい。


話としては好きじゃないけど、最後まで引き込ませてくれたのはさすが。


                       ★★★
 



発行年月:2016年1月

お針子の齣江、〈影〉と話す少年、皮肉屋の老婆らが暮らす小さな長屋。あやかしの鈴が響くとき、押し入れに芸者が現れ、天狗がお告げをもたらす。ここは、「この世」の境が溶け出す場所。

                    (中央公論新社HPより)




長屋に暮らす人々の暮らしぶりは描かれ、そこに起きるちょっと不思議なこと。

お針子の仕事をしている齣江とその隣に住む老婆・トメ。
二人は毎日のように会話している。

魚やの次男・浩三は、齣江の家が居心地よく度々、訪問。
学校の勉強が良く出来て、長男は亡き父親の代わりに魚屋を継いでいるが
自分は中学を受験したいと思って居た。

母親は難色を示していたけれど、祭りの途中、天狗に導かれ行った先で成長した
浩三に出会い、考えを変える。


長屋の人たちの関わりがいい。
和菓子屋の光月堂の主人と娘婿の若旦那との話。
そこに月1回通う魚やの浩一の絡み。

魚やの女将さんとトメ、齣江、女同士の語らい。

浩三と学校の友達・山科君の会話も微笑ましい。

どの場面も良い雰囲気。

そして後半、登場の浩三の通う中学の先輩・遠野の存在が物語を面白くしてくれた。


なるほど・・・・

ラストは哀しいような嬉しいような、でも美しい。

読み終えた後も、静かな余韻が残る素敵な1冊でした。


                         ★★★★★


 
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