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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年1月


 イタリア半島最南端、赤い花の咲き乱れる丘に根を下ろして暮らすアルクーリ家の人々。ときに横暴な地主に、ファシズム政権に、悪質な開発業者に脅かされながらも、彼らは美しい丘での生活を誇り高く守り続ける。そしてその丘には、古代遺跡のロマンと一族の秘密が埋もれていた。イタリアの権威ある文学賞、カンピエッロ賞受賞作。

                   (新潮クレストブックスHPより)



著者のあとがきを読んで、やはり著者自身のルーツが元になっているのかな?と。

アルクール家の4代に渡る壮大な物語。

語りは、一族の末裔リーノ。
父親・ミケランジェロから聞かされた祖父アウトゥーロのこと、曾祖父アルベルトのこと。
また祖母や曾祖母のこと。ミケランジェロの妹・ニーラベッラのこと。

一族の持つ丘の近くで遺跡調査が始まり、アルクーリ族の所有の土地を買い取らせて
欲しいという地主のドン・リコに頑として「売らない」という姿勢を貫いたことで
リーノの祖父・アルトゥーロは、政治的反逆者として遠く離れた島に流され、4年8か月で
帰ってくる。

その後、1940年にイタリアが戦線布告。
そして、ある日、英国機が墜落するのを目撃するアルクーリ家の人々。
奇跡的に助かった乗組員のウィリアムを助け匿う。
オリーブの収穫を手伝えるくらいまでに回復したウィリアムだったけれど・・・・
そして、その後、再びアウトゥーロの行方がわからなくなる。

アウトゥーロどうししゃったんだろ?
最後までその行方が分からず気になりました。

しかし、その息子・ミケランジェロも娘のニーラベッラも大学進学し
ミケランジェロは教師に、ニーラベッラは絵画の勉強をするためにイギリスへ留学と
自分の生き方を見つけ成長する。


リーノが父から聞かされる一族のことは、その後はリーノの子どもへ、そしてまたその
子どもへと伝わるんでしょう。

著者が自分のルーツを辿り、書かれたこの物語、素晴らしかった!


                       ★★★★★


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発行年月:2011年7月

著者が一人息子との日々をつづったエッセイ。
何気ない日常の中に、驚き、切なさ、
温かさ、笑いがあり、
子どもがいる人もいない人も、
子育て中の人も子育てが終わった人も、
楽しめる本。

                   (文化出版局HPより)



幼稚園?時代の息子さんとのことを綴ったエッセイ。

息子さんは、このなかでは「ちびちゃん」。
ちびちゃんの話言葉がどれも素敵!

どれも癒されるお話ですが、「チビちゃんのホテル」が一番すき!
帰宅した、ばななさんに
「いらっしゃいませ、ここはホテルです。おとまりになりますか?」と聞く
ちびちゃん。
お部屋の説明をして、ホテルの設備について説明して、どうぶつを貸すことが
できると話して、一緒に寝るひとも選べますと。

それで、チビちゃんがおすすめですと。

ああ、可愛いなぁ~(^^)

男の子は育てたことないけれど、こういうの読むといいなぁ~と思っちゃう。


装丁や絵も素晴らしく、これ1冊がまるごと宝物というかんじ。

図書館本で読みましたが、小さい子どもさんがいる人にプレゼントしても
いいなぁ~なんて思った。
生憎、周りにそういう人、今は居ないけど・・・^^;


                     ★★★★★



発行年月:2010年3月

日当たりの良い場所を目指して仲間を蹴落とそうと必死な四天王寺のカメ。
迷子札を首につけてのんびり歩いているご近所のネコ、
自己管理をしているイヌ。
小さいことで悩むのがアホらしいと思えてくるエッセイ。
      

この本の目次

四天王寺のカメ
骨盤の不思議
これからのおやじ
犬の気持ち
美人とは何だ
出歯亀子の一人天下
お天道さまは見ている
「おしゃべり」のマシンガントーク
汚部屋の真実
女の偽〔ほか〕

                     (筑摩書房HPより)



図書館棚より見つけ、少し前のエッセイですが借りて来ました。
猫好きの群さん、やはり猫のお話が多くて猫好きには嬉しい♪

猫の声はどんなに騒がしくても許せちゃうのに
子どものギャーギャー騒ぐ声は、我慢できないとか。
へ~意外でした。
そして、最後は少子化でもいいんじゃない?と軽く言っちゃって・・・^^;
この箇所だけ本音吐き過ぎじゃない?と苦笑しちゃったなぁ~。

まあ、でも面白いです。群さん。

お母様が軽い認知症になった話も明るく書いていて
「どなた?」と言われたら大笑いしちゃうって、いいな。
そんな日、来たら自分なら笑えるかな?
なんてちょっと考えちゃいましたが・・・


                       ★★★
 




発行年月:2016年4月

賑やかにぶつかる姿の向こうから、 家族とは何か、という思いがゆっくりと立ち上がってくる。 ――北上次郎氏(「ポンツーン」5月号より) 家族なんて、これっぽっちも信じてない。 なのに、どうして涙が出るんだろう。 家族ってやっかい。 家族って愛おしい。 62歳になる父から突然聞かされた再婚話。10年以上前に、母が若い男と駆け落ちした後、結婚して早々と家を出た長女・橙子(39)、代わりに家庭を支え続けた次女・柊子(36)、引きこもりの三女・桐子(31)、空気より軽い四女・楓子(29)が一同に会した姉妹会議の場に、再婚相手が現れて……。 母の出奔以来、バラバラになっていた四姉妹。 不完全な家族の熾烈な衝突(バトル)と心の通い合う一瞬を描いた、書き下ろし傑作長編。

                   (幻冬舎HPより)



4姉妹と父とその再婚相手の物語。


62歳の父親・幹夫が再婚したいと言いだし・・・・その相手が何と22歳年下の男性!
最初は、なんじゃそりゃ???と思いました。

4姉妹の反応も同じようで、最初は戸惑いを隠せない。
カミングアウトして何だか、満ち足りたようになっている父親に腹が立ったり
する姉妹。
でも、相手の西園寺薫の人柄に皆が惹かれていく。
見た目もかなりの美形のようで・・・・。

最後は幹夫が倒れて入院。
そこに元妻・葉子が現れ、薫と対面。
葉子の人柄も好きだな。
家を突然、出た気持ちも理解できるし・・・・。


ラストの、薫と柊子の会話は、いいなぁ~。
新しい家族のかたちがこれから始まるんだな。


なかなか楽しい物語でした♪


                        ★★★★

 



発行年月:2016年1月


 ある偶然が引き起こした痛ましい死亡事故。
突然の悲劇に翻弄される人間模様を、
映画『エンディングノート』『夢と狂気の王国』でその才能を高く評価された著者が、
独自の視点から描きだした五篇の連作短編集。
生の不確かさ、苦しみ、それ故の煌きを、日常の平穏から深く抉りだす驚きの筆力。
映画だけにとどまらない才能を、ぜひその目でお確かめください。


○もくじ

夏、千恵子の物語 ・・・・・・5
秋、吉乃の物語 ・・・・・・49
冬、健二の物語 ・・・・・・101
春、美里の物語 ・・・・・・143
春、浩一の物語 ・・・・・・187

                    (ポプラ社HPより)



8歳の少年の交通事故死。
それに関わった人たちの物語が連作で綴られる。

<千恵子の物語>
不倫関係にあった男の妻が事故で少年を死なせてしまい、その後しばらく連絡がない。
が・・・暫くすると再び会うようになるが・・・・

<吉乃の物語>
1年半前に息子を事故で亡くした。
以前勤めていた職場の同僚から
「大人になったら、たとえ自分が何一つ悪くなかったことでも
あなた自身の責任・・・・そう思えば楽になる」と言われたことが自分を
楽にしてくれる。

<健三の物語>
千恵子の不倫相手だった男。
大学の後輩が亡くなったため、車で通夜に向かう。
その帰り、同じ大学の同級生だった女性を途中まで送りながら亡くなった
後輩について話す。


<美里の物語>
事故を起こしてしまってからは、車に乗れなくなった。
保育園のバザーの準備に奔走しながら、充実感を味わっている。
ママ友が出産し、事故後、自ら放棄したお腹の子の命のことを考える。


<浩一の物語>
お互いに好意を持っていると感じていた女性に関係を迫り
激しく拒絶されショックを受けていた。
そして少年の事故死した現場に、居合わせ一部始終を見てしまう。
そのことを吉乃に手紙で知らせる。


少年の事故死の加害者その家族、その家族の知り合い、そして少年の母親と
色々な人たちの事故の前後の物語。

交通事故は、加害者もある意味、被害者だと思うけれど、やはり家族を亡くした者の
方が哀しみが大きい。
加害者は、事故のことを置いておけば、以前と同じように家族との生活が続いていける
のだから・・・・

最後の事故を目撃した人の手紙で、哀しみがより一層、深まりました。

初読みの作家さん、映画も有名ですが見てない。
でも人間観察力が鋭いな~と思った。
映画作品もどれか、観てみたい。


                       ★★★★
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