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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年2月


 ろくでなしの俺たちだって、
きっと誰かを幸せにできるんだ。

札幌から熊本まで2000キロ。
ワケあり3人の奇妙なドライブが始まった――

「先生、この子を母親のところまで連れて行ってくれないかしら」
ある日、十歳の少女あすかを連れて訪ねてきたキャバクラ嬢の由希は、札幌に暮らす「片原修一」に迫った。あすかは高校教師だった彼の教え子鈴崎凛子の娘で、由希は凛子の親友だという。凛子は現在、帰省した熊本で緊急入院しているらしい。なぜ僕が?と応じる「修一」に、かつて二人が“特別な関係”だったことを持ち出す由希。かくしてそれぞれが抱える“大人の事情”も絡み合う、日本縦断七日間の奇妙な旅が始まった――。

                     (祥伝社HPより)



由希と高之・・・二人はろくでなしなんかじゃない!
親友のために、ここまで出来るって凄いこと。

二人のテンポいい会話も楽しかった♪

札幌から熊本まで車でって凄い大変そうだけど、なんだか楽しそうで読んでいて
ワクワクした。
途中、お互いのことを暴露しあう二人は、結構、お似合いのカップルに
なれそうだと思ったんだけど。

入院中の凜子の元での一芝居もなかなか面白かった。

この物語のその後は、皆がハッピィになったんだろうな~と想像出来る
終わり方なのも◎。



                       ★★★
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発行年月:2016年4月


 言いたかった ありがとう。言えなかった ごめんなさい。
伝えられなかった大切な人ヘの想い。あなたに代わって、お届けします。

家族、親友、恋人⋯⋯。
大切に想ってっているからこそ、伝わらない、伝えられなかった想いがある。
鎌倉の山のふもとにある、
小さな古い文房具屋さん「ツバキ文具店」。
店先では、主人の鳩子が、手紙の代書を請け負います。
和食屋のお品書きから、祝儀袋の名前書き、
離婚の報告、絶縁状、借金のお断りの手紙まで。
文字に関すること、なんでも承り〼。

ベストセラー『食堂かたつむり』の著者が描く、鎌倉を舞台した心温まる物語。

                  (アマゾンの内容紹介にて/幻冬舎)



文房具やさんの話かと思ったら・・・
筆記具は売っているけれど、シャープペンシルは扱わないという
一風変わった文具屋さん・ツバキ文具店。

祖母が営んでいた店を祖母亡きあと、継ぐことになった雨宮鳩子。
先代(祖母)の指導で書道を始めたのは6歳の6月6日。
その後、祖母に反抗し、疎遠になってしまったという。

文具店となりのバーバラ婦人や、男爵、可愛い文通相手・PQちゃんなど
登場する人物たちとの関わり方が素敵。

そして、鳩子が先代を引き継いだ仕事、代筆の依頼に訪れる人たちとの
関わりも面白かった。


最後、亡くなった祖母が文通していたというイタリアに住む静子さんとのやり取りの
手紙の内容には衝撃的なことが・・・・。

鳩子の母親と、先代のこと。
もう少し詳しく知りたかったな。

代筆依頼で書いた文章を読むのも楽しかった。


書いた人の個性が現れる手書きの手紙、今は殆ど貰うことなくなってしまったけれど
やはり味があって良いなぁ~。



                        ★★★★



発行年月:2016年3月


 反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの〈ゲルニカ〉。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、突然姿を消した――誰が〈ゲルニカ〉を隠したのか? ベストセラー『楽園のカンヴァス』から4年。現代のニューヨーク、スペインと大戦前のパリが交錯する、知的スリルにあふれた長編小説。

                     (新潮社HPより)




マハさんらしい素晴らしい美術が軸になったお話でした!

表紙のピカソの絵をめぐる物語。

1937年のパリにいるピカソの物語と
2001年のニューヨークにいる瑤子の物語が交代で語られ
やがて、それは繋がっていく。

ピカソの側にいたのは、女性芸術家のドラ。
ピカソの作品でもモデルになっている有名な「泣く女」がすぐに頭に浮かびました。
そんなドラとの生活も興味深かった。

1936年ピカソの故郷があるスペインは内戦勃発により、ゲルニカは空爆により
大きな被害を受け、沢山の人の命が奪われた。
そのことに大きな衝撃を受けたピカソが反戦の想いを世界に広めるため
作成したのが「ゲルニカ」。

2001年のニューヨークの瑤子は、MOMAのキュレーターとして
スペイン留学で知り合った夫と暮らしていた。
が・・・9.11の犠牲になってしまう。


アートの力で世界を変えていく・・・そのために、瑤子は企画しているピカソの
作品展で、ピカソのゲルニカを展示したいと強く思う。


後半、瑤子が拉致された場面は、なかなかスリリングでした。
そのリーダーのひとりウルの考え方もなんだかわかる。
ウルの妻・マイラが瑤子に見せた鳩の絵の写真の真相が、後でわかり
マイラには生きて再登場して欲しかったなぁ~と思った。


一気読みの面白さでした!!


                         ★★★★★



発行年月:2016年2月


「もう絶対にいやだ、家を出よう」。そう思いつつ実家に居着いてしまったマサミ。
事情通のヤマカワさん、嫌われ者のギンジロウ、白塗りのセンダさん。
風変わりなご近所さんの30年をユーモラスに描く連作短篇集!

                  (角川書店HPより


エッセイかと思ったら、小説でした^^;
でも面白かったぁ~。
主人公・マサミは40歳独身。
家を出るタイミングを逃し、婚期も遠のく。
そんなマサミの小学生時代からのご近所さんとの関わりを綴る。

小学生時代の同級生・オサムくんとそのお母さんとの話が面白しろかった。
お母さんは女優みたいに美人なのに、全く似ていないオサムくん。
全然、興味ないけれど、オサムくんのお母さんに気に入られたマサミは
オサムくんとカップルになればいいのに・・・のお互いの母親の会話を
聞かされ困惑。
でも、大人になりオサムくんは立派に成長して、結婚もしたと聞きホッとするという
話。

ほかには、ひょろろん教にはまっている、セトさん。
アパート経営のバンバさんなどなど。


一番、厄介なのは、宗教斡旋のセトさんかな?
情報通のヤマカワさんもちょっと嫌かな?^^;

他人ごとなので、笑って読めたけれど・・・。


                         ★★★



発行年月:2016年6月


川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂。店主が亡くなり、長らく空き家になっていた三日月堂だが、店主の孫娘・弓子が川越に帰ってきたことで営業を再開する。
三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていくのだが、弓子もどうやら事情を抱えているようで――。 

                      (ポプラ文庫HPより)



短編連作でしたが、ひとつのお話と言ってもいいかも。
とても素敵な心温まる物語でした!!

<世界は森>
大学進学が決まり、北海道に行ってしまう息子・森太郎に贈る物に悩むハル。
自分が子どもの頃、両親に貰って宝物にしていた三日月堂のレターセットを
息子にも贈ろうと決める。

<八月のコースター>
伯父の経営していた珈琲店<桐一葉>を受け継いでいる岡野。
何か自分の店らしさを出すものを、お客さんに提供できないか?と考え
ショップカードを作ったら?とハルの提案に乗る。
自分が以前、好きだだった俳句の句入りコースターも一緒に作ろうと決める。

<星たちの栞>
高校の国語教師の真帆。
文芸部の顧問でもあり、学校祭で何をするのがいいか考えている。
珈琲店<桐一葉>に久しぶりに入店し、俳句入りコースターに感動。
印刷所・三日月堂を案内してもらい、店主の弓子の提案もあり
活版ワークショップを開くことに。

<ひとつだけの活字>
結婚を控えている雪乃。
曾祖父が活字屋を営んでいたと祖母から聞き、活字セットを祖母から受け継いで持っている。
結婚式の招待状を活字セットで作りたいと考えている。
大学時代のゼミの先輩から印刷所・三日月堂を教えて貰い訪ねる。


人と人が繋がっていく様子も楽しかったし、活版印刷についても色々知ることが
出来た。
弓子の過去のことも分かった。
弓子にも幸せな未来があるといいな。


                       ★★★★★ 
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