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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年10月

直木賞受賞第一作の最新長編小説。
明日への元気がわいてくる人生応援小説!

農業なんてかっこ悪い。と思っていたはずだった。

イチゴ農家を継げと迫る母親。猛反対の妻。

志半ばのデザイナーの仕事はどうする!?

夢を諦めるか。実家を捨てるか。

恵介36歳、いま、人生の岐路に立つ!

                    (毎日新聞出版HPより)





直木賞の「海の見える理髪店」も良かったけれど
こちらの方が明るくて読んでいて楽しかった♪

東京でグラフックデザイナーとして独立して2年の望月惠介。
やや仕事が減って来たのを悩んでいたら・・・静岡で農業を営む父親が
脳梗塞で倒れたという報せ。
父親は一命は取り留め、リハビリでなんとか杖歩行が可能になり
言葉も不自由だけど会話出来るまでに回復し、退院。

父親の留守中、母親ひとりに農作業をさせられず、手伝うことに。
父親が育てた苺の美味しさに感動し、これを台無しにするわけには
いけないと。
最初は、義務感から渋々やっていた仕事に段々、のめり込んでいく。



恵介の姉たちとの関係もいい。
皆、言いたいことを言いながらも仲良し家族。


東京でパーツモデルの仕事をする妻の美月と5歳の息子・銀河とは
離れ離れの生活になってしまうけれど、最後は家族だから一緒にと
美月が意志表示してめでたしめでたし。


苺を育てる農家さんの苦労もよくわかり、楽しい物語でした(^^)

ああ、早く章姫と紅ほっぺが食べたいな~。


                     ★★★★

 

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発行年月:2016年8月


 けっして他人事ではない、どこにでもある家族の光と闇。


同じ8歳の息子を育てる3人の母親たち。
辛いことも多いけど幸せなはずだった。
しかし些細なことがきっかけでその生活が崩れていく。
無意識に子どもに向いてしまう苛立ち。
果たして3つの家庭の行き着く先は……。

                  (角川書店HPより)




冒頭からショッキングな記載。

ユウくんが母親によって・・・・・

そして、始まる3つの家庭の物語。
交互に語られていくなかで冒頭の<ユウくん>はだれ?と思いながら・・・


<石橋優くんの家庭>
東京から父親の実家のある静岡に引っ越し、新居を建て、同じ敷地内に
父親の母親が1人暮らししている。
優は勉強も運動も出来て優しい子・・・・・だった。


<石橋悠宇くんの家庭>
父親はフリーのカメラマンで母親はフリーのライター。
小学1年生の弟・巧巳とは毎日喧嘩が絶えず、叱られてばかり。
賑やかだけど、明るく楽しい家族・・・・だった。


<石橋勇くんの家庭>
両親は離婚して母親と二人暮らし。
母親は朝から晩まで仕事を掛け持ちして働いている。
寂しいときもあるけれど母親の頑張りを目にして我慢している。



で・・・・・ここからネタバレ。


最初に虐待死したユウ君がこの3家族のユウ君じゃなかった!
あえてみな同じ名前にしてあるからハラハラしたけど・・・
3家族の中で一番経済的に大変そうな石橋勇くんが一番幸せそうかな?
お母さんの加奈さん、明るくて良い人だし。
やはり母親がいつも朗らかに子どもに接するって凄く大事なんだな~と
つくづく思った。
朗らかにいつもいるって大変なことだけどね^^;


子育て真っ最中の人には辛い話。
読後感もよくないけど、興味深く読めた。


                        ★★★




発行年月:2016年10月


 作家であり人の妻でもある女。地方に住む男子大学生。
二人は立場を偽り、秘密の文通を始める。
熱を帯びる手紙は、彼らを危険すぎる関係へいざない……。
著者新境地、衝撃の長編恋愛サスペンス。      

               (集英社HPより)



作家で東京在住の天谷柚35歳。
夫は編集者。
だけど、ペンネームは凜子。27歳の専業主婦。
夫からは日常的に暴力を受けている。
編集者の夫からは実際は、肉体的暴力は受けていない。
夫婦仲は冷めているのかもしれないけれど・・・・。

富山県在住の大学3年生の森航大21歳。
ペンネームはクモオ。
35歳の貿易会社勤務。
副業で子どもたちに空手を教えている。
本当は三流の地方大学生なのに、エリートぶってみる。
実際は、就活も思うように進まないのに・・・。


まあ、文通相手には、多少の嘘もありかな?とは思うけれど・・・
女性のつく嘘は、ちょっと行き過ぎだな。
やがて、事件に発展しちゃって・・・
どうなる?と思ったら、案外穏便に収束しちゃったので、アレ?という
感じだったけど、まあ、このくらいで話が終わって良かった。


今の時代、文通で始まる男女の交流って結構、新鮮で、なかなか面白かった。
しかし、この夫婦その後、どうなるんだろね~。

幼い大学生は良いように振り回されちゃって気の毒。


                          ★★★★



発行年月:2016年8月


 これまでで一番愛おしい男を描いた――桐野夏生

自分はかなりのクラスに属する人間だ。
大手一流銀行の出身、出向先では常務の席も見えてきた。
実家には二百坪のお屋敷があり、十年来の愛人もいる。

そんな俺の人生の歪(ひず)みは、社長のセクハラ問題と、
あの女の出現から始まった――。


還暦、定年、老後――終わらない男”の姿を、
現代社会を活写し続ける著者が衝撃的に描き切る!


                  (講談社HPより)




還暦目前の薄井正明。

元銀行員で出向先の女性衣料製造小売り業の「OLIVE」が急成長し
そのまま役員として留まっている。
さらに上の地位にも昇りたいという野望も抱きつつ・・・・


まあ、よく居そうなかんじの男性像。
お金と地位にもある程度恵まれて、愛人との関係も保ちつつ
男だったら薄井みたいな暮らしぶりを羨ましく感じるんだろうなぁ~。

でも、妻が連れて来た夢で占う長峰栄子、そして会長の娘婿である社長のセクハラ問題
を穏便に済ませる仕事に関わっていくうち薄井はどんどん窮地に追い込まれていく。


なんともバカな男と冷静に読めて可笑しい。
男性が読めばまた違う感じ方かもしれないけどね~。


桐野さんが、愛おしい男性を描いたという意味もちょっとわかる。
自分の身内に居たら嫌だけど、確かに憎めないかんじ^m^

最初から最後まで面白かった♪

表紙の絵はちょっと嫌だけど・・・^^;


                         ★★★★★



発行年月:2016年5月


 祖師谷で起きた一家惨殺事件。深い闇の中に、血の色の悪意が仄見えた。
捜査一課殺人班十一係姫川班。警部補に昇任した菊田が同じ班に入り、姫川を高く評価する林が統括主任として見守る。個性豊かな新班員たちとも、少しずつ打ち解けてきた。謎の多い凄惨な事件を前に、捜査は難航するが、闘志はみなぎっている。──そのはずだった。
日本で一番有名な女性刑事、姫川玲子。凶悪犯にも臆せず立ち向かう彼女は、やはり死に神なのか?

                (光文社HPより)




「ノワール」に引き続き、こちらを・・・

やはり姫川が活躍するこちらの方が好き。
事件の凄惨さは相変わらずで、殺しのシーンはグロテスク(;O;)。

祖師谷2丁目で起きた一家3人強盗殺人事件を追いながら・・・
30年近く前の既に時効になっている昭島市一家殺人事件の犯人と共通するものを
掴んだ姫川がその真相を追う。


同一人物が犯人じゃなかったけれど、こういう展開になるとはね・・・・

日米地位協定はある限り、日本にいる米軍兵による被害者は、泣き寝入りしなきゃ
いけないのかな?と考えると本当に腹が立つ。


終わりに、まだまだ姫川の物語は続きますよというようなメッセージ?
次は日下の下で働く姫川の話ですか。
それも面白そう。


                      ★★★
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