発行年月:2016年8月
けっして他人事ではない、どこにでもある家族の光と闇。
同じ8歳の息子を育てる3人の母親たち。
辛いことも多いけど幸せなはずだった。
しかし些細なことがきっかけでその生活が崩れていく。
無意識に子どもに向いてしまう苛立ち。
果たして3つの家庭の行き着く先は……。
(角川書店HPより)
冒頭からショッキングな記載。
ユウくんが母親によって・・・・・
そして、始まる3つの家庭の物語。
交互に語られていくなかで冒頭の<ユウくん>はだれ?と思いながら・・・
<石橋優くんの家庭>
東京から父親の実家のある静岡に引っ越し、新居を建て、同じ敷地内に
父親の母親が1人暮らししている。
優は勉強も運動も出来て優しい子・・・・・だった。
<石橋悠宇くんの家庭>
父親はフリーのカメラマンで母親はフリーのライター。
小学1年生の弟・巧巳とは毎日喧嘩が絶えず、叱られてばかり。
賑やかだけど、明るく楽しい家族・・・・だった。
<石橋勇くんの家庭>
両親は離婚して母親と二人暮らし。
母親は朝から晩まで仕事を掛け持ちして働いている。
寂しいときもあるけれど母親の頑張りを目にして我慢している。
で・・・・・ここからネタバレ。
最初に虐待死したユウ君がこの3家族のユウ君じゃなかった!
あえてみな同じ名前にしてあるからハラハラしたけど・・・
3家族の中で一番経済的に大変そうな石橋勇くんが一番幸せそうかな?
お母さんの加奈さん、明るくて良い人だし。
やはり母親がいつも朗らかに子どもに接するって凄く大事なんだな~と
つくづく思った。
朗らかにいつもいるって大変なことだけどね^^;
子育て真っ最中の人には辛い話。
読後感もよくないけど、興味深く読めた。
★★★
PR
発行年月:2016年10月
作家であり人の妻でもある女。地方に住む男子大学生。
二人は立場を偽り、秘密の文通を始める。
熱を帯びる手紙は、彼らを危険すぎる関係へいざない……。
著者新境地、衝撃の長編恋愛サスペンス。
(集英社HPより)
作家で東京在住の天谷柚35歳。
夫は編集者。
だけど、ペンネームは凜子。27歳の専業主婦。
夫からは日常的に暴力を受けている。
編集者の夫からは実際は、肉体的暴力は受けていない。
夫婦仲は冷めているのかもしれないけれど・・・・。
富山県在住の大学3年生の森航大21歳。
ペンネームはクモオ。
35歳の貿易会社勤務。
副業で子どもたちに空手を教えている。
本当は三流の地方大学生なのに、エリートぶってみる。
実際は、就活も思うように進まないのに・・・。
まあ、文通相手には、多少の嘘もありかな?とは思うけれど・・・
女性のつく嘘は、ちょっと行き過ぎだな。
やがて、事件に発展しちゃって・・・
どうなる?と思ったら、案外穏便に収束しちゃったので、アレ?という
感じだったけど、まあ、このくらいで話が終わって良かった。
今の時代、文通で始まる男女の交流って結構、新鮮で、なかなか面白かった。
しかし、この夫婦その後、どうなるんだろね~。
幼い大学生は良いように振り回されちゃって気の毒。
★★★★
発行年月:2016年8月
これまでで一番愛おしい男を描いた――桐野夏生
自分はかなりのクラスに属する人間だ。
大手一流銀行の出身、出向先では常務の席も見えてきた。
実家には二百坪のお屋敷があり、十年来の愛人もいる。
そんな俺の人生の歪(ひず)みは、社長のセクハラ問題と、
あの女の出現から始まった――。
還暦、定年、老後――終わらない男”の姿を、
現代社会を活写し続ける著者が衝撃的に描き切る!
(講談社HPより)
還暦目前の薄井正明。
元銀行員で出向先の女性衣料製造小売り業の「OLIVE」が急成長し
そのまま役員として留まっている。
さらに上の地位にも昇りたいという野望も抱きつつ・・・・
まあ、よく居そうなかんじの男性像。
お金と地位にもある程度恵まれて、愛人との関係も保ちつつ
男だったら薄井みたいな暮らしぶりを羨ましく感じるんだろうなぁ~。
でも、妻が連れて来た夢で占う長峰栄子、そして会長の娘婿である社長のセクハラ問題
を穏便に済ませる仕事に関わっていくうち薄井はどんどん窮地に追い込まれていく。
なんともバカな男と冷静に読めて可笑しい。
男性が読めばまた違う感じ方かもしれないけどね~。
桐野さんが、愛おしい男性を描いたという意味もちょっとわかる。
自分の身内に居たら嫌だけど、確かに憎めないかんじ^m^
最初から最後まで面白かった♪
表紙の絵はちょっと嫌だけど・・・^^;
★★★★★
発行年月:2016年5月
祖師谷で起きた一家惨殺事件。深い闇の中に、血の色の悪意が仄見えた。
捜査一課殺人班十一係姫川班。警部補に昇任した菊田が同じ班に入り、姫川を高く評価する林が統括主任として見守る。個性豊かな新班員たちとも、少しずつ打ち解けてきた。謎の多い凄惨な事件を前に、捜査は難航するが、闘志はみなぎっている。──そのはずだった。
日本で一番有名な女性刑事、姫川玲子。凶悪犯にも臆せず立ち向かう彼女は、やはり死に神なのか?
(光文社HPより)
「ノワール」に引き続き、こちらを・・・
やはり姫川が活躍するこちらの方が好き。
事件の凄惨さは相変わらずで、殺しのシーンはグロテスク(;O;)。
祖師谷2丁目で起きた一家3人強盗殺人事件を追いながら・・・
30年近く前の既に時効になっている昭島市一家殺人事件の犯人と共通するものを
掴んだ姫川がその真相を追う。
同一人物が犯人じゃなかったけれど、こういう展開になるとはね・・・・
日米地位協定はある限り、日本にいる米軍兵による被害者は、泣き寝入りしなきゃ
いけないのかな?と考えると本当に腹が立つ。
終わりに、まだまだ姫川の物語は続きますよというようなメッセージ?
次は日下の下で働く姫川の話ですか。
それも面白そう。
★★★
発行年月:2016年7月
裁判所職員採用試験に合格し、家裁調査官に採用された望月大地。
だが、採用されてから任官するまでの二年間――養成課程研修のあいだ、修習生は家庭調査官補・通称“カンポちゃん”と呼ばれる。
試験に合格した二人の同期とともに、九州の県庁所在地にある福森家裁に配属された大地は、当初は関係書類の記載や整理を主に行っていたが、今回、はじめて実際の少年事件を扱うことになっていた。
窃盗を犯した少女。ストーカー事案で逮捕された高校生。一見幸せそうに見えた夫婦。親権を争う父と母のどちらに着いていっていいのかわからない少年。
心を開かない相談者たちを相手に、彼は真実に辿り着き、手を差し伸べることができるのか――
彼らの未来のため、悩み、成長する「カンポちゃん」の物語。
(文藝春秋HPより)
家庭調査官・・・聞いたことはあるけれど、具体的な仕事の内容は今回、この
物語を読んで知りました。
法律を学んだ者、心理学を学んだ者、社会学を学んだ者たちが仕事をしているんだとか。
物語の主人公・望月大地は法学部出身。
九州の福森家庭裁判所の家裁調査官補佐・・・カンポちゃんとして調査官の補佐を
しながらの見習い中。
物語は5話に分かれていて、それぞれの話の中で出会う人たちに
いつもその人の立場に立って物を考える姿勢が好印象。
元々の性格も穏やかな人じゃないと務まらない仕事じゃないかなぁ~?
<第1話 背負う者 17歳 友里>
窃盗容疑の鈴川友里。
lineで知り合った男性をラブホテルに誘い、そこで10万近い現金を盗んだという。
父親は3年前に他界し、母親と妹で暮らしている。
高校には行かず、週6日、コンビニで働いている。
人様に迷惑をかけちゃいけない・・・友里の母親の口癖。
母親もずっとそう言われて育ってきた。
<第2話 抱かれる者 16歳 潤>
交際中の高校1年の女の子から交際を止めたいと言われ
その後ストーカー行為を繰り返し、カッターで脅した。
家裁調査官の面接時には、礼儀正しく、自らの罪を反省する言葉も言う
模範的なかんじ。
潤の母親も、すぐに被害者の元に謝罪に行き、息子のどこがダメだったのか
教えてほしいと迫る。
<第3話 縋る者 23歳 理沙>
正月休みに地元に行き学生時代の友人たちと久しぶりに会う大地。
そのなかの唯一の既婚者・理沙が実は離婚していると大地にだけ打ち明ける。
現在、息子の親権争い中という。
<第4話 責める者 35歳 可南子>
夫からの精神的虐待により苦痛を伴い精神科通院中の可南子。
離婚申し立てをするが、夫は反省し自分の行動を改めるので離婚には
応じられないという。
<第5話 迷う者 10歳 悠真>
離婚したら、親権をどちらにするかを決める場面。
悠真の実の父親は現在交際中の男性だという妻。
悠真の本音を聞きだす大地。
まだまだ未熟な家庭調査官補の大地が、これから成長していくだろう姿も
読みたいな~。
罪を犯した少年・少女の背景にある問題にも気づくことが出来たり
親の離婚で心を痛める少年の心の叫びを聞くことが出来た大地は
きっと良い調査官になっていくでしょう。
★★★★★
カレンダー
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(01/17)
(01/16)
(01/12)
(01/08)
(01/05)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア