発行年月:2021年8月
直木賞受賞第一作&待望の続編
史上初の直木賞&高校生直木賞をW受賞した『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』から2年。直木賞受賞第一作にして、『渦』の待望の続編がついに刊行。
江戸時代も半ばを過ぎた道頓堀には芝居小屋がひしめき合っていた。
近頃は歌舞伎芝居に押され、往時の勢いはないものの、「道頓堀には、お人形さんがいてこそ、や」
人形浄瑠璃に魅せられ、人形浄瑠璃のために生きた人々の喜怒哀楽と浮き沈み、せわしなくも愛しい人間模様をいきいきと描く群像時代小説。
(文藝春秋HPより)
『渦』の続編。
こちらを読みながら、ああ、この雰囲気ね・・・と少し思い出す。
人形浄瑠璃は、この時代身近にある娯楽だったんだなぁ~
そんな人形浄瑠璃に魅せられた者たちが、知り合いになり、やがてそれぞれが
自分の得意なもので世の中の人たちを魅了するようになっていく。
名前を知っていたのは、十返舎一九と、耳鳥斎。
耳鳥斎の絵は可愛くて、ユーモラスなので、何かでみていいなぁ~と覚えていた。
そんな耳鳥斎が人形浄瑠璃を見ていっぺんで魅せられ、歌舞伎にもハマり
自分がみたものを絵にして楽しむ。
家業は造り酒屋だったけれど、父親が亡くなりあとを継ぐことになると
父親の道楽で集めた茶道具などの骨董を売り、それを商売にする。
そして嫁を貰い、その嫁が扇子に絵を描いて売ってみたら?と助言し
その通りにすると評判よく、それを求めて客がくるようになったとか。
人形浄瑠璃を見ていて知り合った徳蔵は、浄瑠璃作者になりたいと
初めてみた浄瑠璃の作者・近松半二の門人となる。
そこで同じように学んでいた一人が、後の十返舎一九らしい。
そこでは思うように進まず、江戸に出てから東海道中膝栗毛などを
出したとか。
近松半二の娘・おきみは、半二が亡くなった後は、母親とともに
大阪から京都へ。親戚の営む茶屋・まるのやで働く。
半二の遺作となった最後の舞台の後ろの箇所を書いたのは、おきみ。
けれど、浄瑠璃からは距離を置くようになってしまう。
その、おきみに自分の書いた浄瑠璃を読んでほしいと訪ねた柳太郎は
やがて浄瑠璃作者となり世に知られるように。
自分が世に出なくても、じゅぶん幸せそうな、おきみの生き方も素敵。
魅力的な人物ばかりで、読み終わるのが勿体なく感じた。
人形浄瑠璃、今もちゃんと残っている芸能。
一度、見てみたい・・・・と『渦』を読んだときも思ったなぁ~(^^ゞ
★★★★★
(文藝春秋HPより)
『渦』の続編。
こちらを読みながら、ああ、この雰囲気ね・・・と少し思い出す。
人形浄瑠璃は、この時代身近にある娯楽だったんだなぁ~
そんな人形浄瑠璃に魅せられた者たちが、知り合いになり、やがてそれぞれが
自分の得意なもので世の中の人たちを魅了するようになっていく。
名前を知っていたのは、十返舎一九と、耳鳥斎。
耳鳥斎の絵は可愛くて、ユーモラスなので、何かでみていいなぁ~と覚えていた。
そんな耳鳥斎が人形浄瑠璃を見ていっぺんで魅せられ、歌舞伎にもハマり
自分がみたものを絵にして楽しむ。
家業は造り酒屋だったけれど、父親が亡くなりあとを継ぐことになると
父親の道楽で集めた茶道具などの骨董を売り、それを商売にする。
そして嫁を貰い、その嫁が扇子に絵を描いて売ってみたら?と助言し
その通りにすると評判よく、それを求めて客がくるようになったとか。
人形浄瑠璃を見ていて知り合った徳蔵は、浄瑠璃作者になりたいと
初めてみた浄瑠璃の作者・近松半二の門人となる。
そこで同じように学んでいた一人が、後の十返舎一九らしい。
そこでは思うように進まず、江戸に出てから東海道中膝栗毛などを
出したとか。
近松半二の娘・おきみは、半二が亡くなった後は、母親とともに
大阪から京都へ。親戚の営む茶屋・まるのやで働く。
半二の遺作となった最後の舞台の後ろの箇所を書いたのは、おきみ。
けれど、浄瑠璃からは距離を置くようになってしまう。
その、おきみに自分の書いた浄瑠璃を読んでほしいと訪ねた柳太郎は
やがて浄瑠璃作者となり世に知られるように。
自分が世に出なくても、じゅぶん幸せそうな、おきみの生き方も素敵。
魅力的な人物ばかりで、読み終わるのが勿体なく感じた。
人形浄瑠璃、今もちゃんと残っている芸能。
一度、見てみたい・・・・と『渦』を読んだときも思ったなぁ~(^^ゞ
★★★★★
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発行年月:2020年1月
冬枯れの中、真っ先に咲く花とならん――
新5,000円札の肖像で話題! 津田塾大学の創設者・津田梅子と、その父・津田仙の波瀾の生涯を描いた感動作。
佐倉藩士として生まれた津田仙は、幕府通詞として福沢諭吉らとともにアメリカへ派遣されるなど将来を目されていたが、幕府瓦解後は西洋野菜の栽培などを手掛けながら、日本の農業の改革を志していた。自身の夢を託すべく、男子の誕生を待ち望むも、生まれたのは女の子で、仙は子供の名前も付けないほど落胆する。やがて、仙は開拓使長官・黒田清隆に呼び出され、出仕することに。そこで女子留学生を渡米させる計画を聞いた仙は、聡明さの片鱗を見せていた、わずか6歳の娘・梅子を推薦する。
日本初の女子留学生として、最年少で渡米し、17歳で帰国した津田梅子だったが、すでに日本語を忘れており、日米の文化の違いや周囲との軋轢、そして父との葛藤に悩むことになる。
山川捨松や伊藤博文らと交流を結びながら、苦闘の末、女子教育の先駆けとなった津田梅子と、その父の人生を描いた感動の歴史小説。
(PHP研究所HPより)
津田塾大学の創設者・津田梅子は、有名なので、多少、知っていましたが
その父親・津田 仙のことは、今回初めて知りました。
農業の発展のために尽くし、自らも留学経験を持ち、
その時、みたアメリカの農場を真似て、持ち帰った種からアスパラの栽培、
缶詰を作ることを試みる。
これからは、やはり女子も留学して多くを学ばなくてはと
まだ8歳の次女・梅を初の女子留学生として渡米させると決めたのも凄い
けれど、行くと決心した梅も凄い。
他のメンバーも後に、偉大な功績を残すことになる。
梅のほかには
・永井繁(11歳)
・山川捨松(12歳)
・上田悌(17歳)
・吉益亮(15歳)
10年間の留学予定であったが、上田悌は精神的に参ってしまい早くに帰国。
吉益亮は、視力を殆ど失い、帰国し手術を受ける。
それでも、上田悌も吉益亮も、帰国後は、それぞれ英語の勉強に励み
留学当時から皆で「女子教育のための」をモットーに学校で英語を教える立場に
なっていく。
捨松が「女性は誰かの妻にならないと何もできない」とかなり年上の
薩摩藩重鎮のひとり、大山巌と結婚したのも凄い。
3人の娘を遺し先妻は病死し、その後妻に。
でも、そのおかげもあって、後の梅子の学校創設には、力になって貰えるの
だから、捨松の先を読む力は見事。
梅は、生涯、女子教育の発展に力を注ぎ続けた人だったんだな~。
縁談も断って・・・
こういう人たちのおかげで日本の女子教育は進んできたんだなと
思うと、本当に偉人だわ~。
お札になって当然の人。
今回も読みごたえありました。
植松さんの作品は、勉強になります。
★★★★★
発行年月:2022年9月
あさりクリーニング店で働く優子は、持ち主が長く引き取りに来ない衣服「はぐれんぼちゃん」たちを自宅に持ち帰る。翌朝目覚めると、それら衣服が体全体を覆っていた。不思議な感情に襲われた優子は衣服の持ち主のもとを訪れるが、次々に受け取りを拒絶される。道中に出会ったトレンチコートの謎の男ユザさんに導かれるまま、「はぐれんぼちゃん」を身に纏ったちぐはぐな姿で、優子は帰るべき場所を求めて再び歩き始める。
(講談社HPより)
不思議な話だった。
クリーニング店から持ち帰った洋服たちを纏ったまま、引き取り手のない
衣類が運ばれる倉庫目指して歩く優子。
途中でおなじような恰好のユザ、キヨに会い、一緒に旅歩き続け
家を出てから4日と半日で倉庫に到着。
そこは、不思議な場所で、スーパー銭湯あり、食堂あり
皆がそれぞれの得意分野を活かした仕事をしているという。
ユザは、ヨガインストラウターに
キヨは床専門の掃除係。
優子は食堂で働くことに。
施設内を探検する優子。
子ども達が何やらボタンを押している場所を目撃。
不要な衣類を燃やすためのボタンだと気づく。
そして、袋に入った人。
ファンタジーぽい最初から途中、SFぽくなり、終盤はホラーっぽく。
それでも元に場所になんとか戻れたようすでホッとしたけれど
変な話だったな。
人に流され過ぎたらいけないという教訓?
★★★
発行年月:2023年12月
湖をわたって異世界へ――雨、波紋、等高線、球体、大航海時代
博物学的指向をともにするふたりが響きあう、
なんとも摩訶不思議な書物が誕生!
スコープオブジェ×短篇小説
幸福なコラボレーション!
水辺のほうへ――
〈おおよそ15分で対岸の桟橋につきます。そこへボートをつなぎ、道なりにお進みください。微高地のうえの建物が当社です〉
スコープオブジェ51点収録。
横長の函入り美麗本!
【スコープ scopeとは】
桑原弘明が手がける唯一無二の金属性の〈覗き箱〉的オブジェ。スコープをのぞけば、ほのかに人の気配が漂う部屋や廃墟や、庭が見えてくる。箱のなかにわずか数ミリの机や家具が設えられた、超微小の博物学的世界。
(株式会社国書刊行会HPより)
スコープオブジェというものを初めて知りました。
小さな箱のなかに作られた作品。
その箱そのものも美しい。
覗いてみると、ある景色は、どれも幻想的で美しい。
作品に合わせた長野さんの短編は、より作品のイメージを膨らませてくれる。
同じ景色でも光の色で、また違った風にみえるのも不思議。
巻末にある作品リストにある素材を見ながら、作品をみるとまた楽しい。
素敵な芸術作品。
機会があれば、実際に覗いてみたい。
★★★★
(株式会社国書刊行会HPより)
スコープオブジェというものを初めて知りました。
小さな箱のなかに作られた作品。
その箱そのものも美しい。
覗いてみると、ある景色は、どれも幻想的で美しい。
作品に合わせた長野さんの短編は、より作品のイメージを膨らませてくれる。
同じ景色でも光の色で、また違った風にみえるのも不思議。
巻末にある作品リストにある素材を見ながら、作品をみるとまた楽しい。
素敵な芸術作品。
機会があれば、実際に覗いてみたい。
★★★★
発行年月:2022年9月
まったく先の見えない状態で会社を辞めてしまった美月(28歳)。転がり込んだのは母の昔からの友人・市子(56歳)の家。昔なじみの個性の強い大人達に囲まれ、一緒に過ごすうち、真っ暗闇の絶望の中にいた美月は徐々に上を向く。
誰の心にも存在する将来への恐れや不安、葛藤……。自分と格闘する美月を周囲の大人達は優しく見守る。さりげなく、自然に、寄り添うように。
何度も心が折れそうになりながらも、やがて美月はひょんな出会いから、自分自身の夢と希望を見つけていく……。
(小学館HPより)
シリーズ物とは知らずに読んだけれど、楽しめた。
主人公の美月(28歳)は、大手化粧品会社を辞めて無職に。
母親の友達・市子の家で居候生活を送る。
美月の母親・奈津の友達だという市子や三宅ちゃん、まりちゃんたちが
美月ともまるで親戚のおばちゃんみたいに親しく交流している様子が
なんだか微笑ましい。
言いたいこといったり、心配されたり。
無職の美月が、やはり母親の親友たちの繋がりで知り合った起業家の辻房江と
知り合い、とんとん拍子に次の目標に向かって歩み出す。
タイトルの葡萄がここに関わってくる。
山梨で夫と暮らす、まりちゃんとその近くでワイナリーで使う葡萄を
栽培している美月が幼い頃から知っている元悪ガキのセブン(24歳)とも
良い関係が築けていく。
セブンって名前何なんだ?
このシリーズは、まだまだ続きそう。
面白かったから、過去の話に当たる前作も読んでみようかな?
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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