発行年月:2017年10月
その街では、死者も生き返る。 現実を夢で知る「夢見」。 そして屍人を自在に動かす「屍人使い」。 二つの能力を私は持っている。 吉本ばなながついに描いた渾身の哲学ホラー。書き下ろし長編。 「この物語は、50年かけて会得した、読んだ人の心に命の水のように染み込んで、 魔法をもたらすような秘密の書き方をしています。もしよかったら、このくせのある、 不器用な人たちを心の友にしてあげてください。 この人たちは私が創った人たちではなく、あの街で今日も生きているのです」
(幻冬舎HPより)
哲学ホラー・・・・なるほど・・・その通り^m^
登場する人たちがちょっと変わってるけれど、物語を読み進めるうちに
すごく愛おしく感じて来て、続きの物語が今から楽しみ♪
ミミとこだちは二卵性の双子。
小学生のとき、両親は交通事故で、父親は他界して母親は病院で意識がないまま
眠り続けている。
大人になったミミちこだちは、故郷から離れ東京で二人で暮らしていたけれど
こだちが行方不明になる。
東京から故郷に戻ったことがわかり、ミミも故郷の町へ。
その町は少し変わっている。サイキックカウンセリングを受けるミミ。
老婆が横たわる横で少女が、その老婆の霊言を訳して伝える。
老婆と少女は双子の姉妹。
父親のお墓をお参りし、出会った墓守くん。
ミミたちの母親と同じ眠り病のまま意識が戻らず亡くなったという。
お墓であった屍人使いは、恐ろしかった。
カナアマ家の当主・勇が屍人から助けてくれる。
勇は、見た目は、野獣のようだが、心優しい紳士。
こだちが初恋の人だという。
終盤、トントンと進み、母親が意識を取り戻し、退院。
眠っている間にもいろいろな行動はしていた。
不思議な力を持っている普通の人ではない人?
兎に角、突拍子もない設定なんだけど、とても面白かった。
あとがきで続きも出していくようなので、また不思議なこの人たちの近況が
知りたい!
★★★★
発行年月:2017年6月
大人気の絵本作家・ヨシタケシンスケ最新刊! 「
こんな本、あったらいいな」が詰まった、最高に楽しい妄想書店、本日開店!
(ポプラ社HPより)
何処かで紹介されていて、図書館で借りた大人の楽しめる絵本。
ヨシタケさん、知らなかったけど、凄いセンスいい!!
絵も可愛い♪
おじさんの本屋さんに次々来るお客さん。
「〇〇の本ってあるかしら?」と。
ちょっとめずらしい本のなかの≪月光本≫は、なんだか素敵だった。
明るい満月の夜、月明かりの下でだけ読むことができる本。
それは特殊なインクで印刷されている本。
三日月でも読めるけれど、発光する文字が限られてしまう。
本にまつわる仕事のなかでは≪カリスマ書店員養成所の一日≫が最高♪
その次の≪書店員スキルアップ 本のタイトルと、その正しい並べ方≫も
なるほど・・・・・
いいな~こういう遊び心ある本。
どの頁も面白いし、よく考えたなぁ~と感心。
ほかのヨシタケさんの本も読みたくなりました(^^)
★★★★★
発行年月:2017年10月
「あの世からだっていい、俺の名前を呼んでくれ」
森二が刑務所を出た日、塀の外で二人の「兄」が待っていた――。自らの犯した深い罪ゆえに、自分を責め、他者を拒み、頑なに孤独でいようとする森二。うらぶれたアパートの隣室には、バンドネオンの息苦しく哀しげな旋律を奏でる美少女・沙羅がすんでいた。森二の部屋を突然訪れた『娘』冬香の言葉が突き刺さる──「私、あの夜のこと、憶えているんです。あなたは私の目の前でお母さんを殺しました」。森二の「奇跡」と「罪」が事件を、憎しみを、欲望を呼び寄せ、人々と森二を結び、縛りつける。更に暴走する憎悪と欲望が、冬香と沙羅を巻き込む! 森二は苦しみを越えて「奇跡」を起こせるのか!?
(幻冬舎HPより)
吉川森二(37歳)が刑務所を出る場面から。
妻を殺したというが、どういう経緯だったんだろ?先ずはそれが頭のなかにずっと
残っていました。
森二の言動をその後読みながら、妻の唯を故意に殺害したとは思えない、
妻のことを凄く大切に思っていたが、なんらかの裏切り行為があってのこと?
終盤、その夜のことが詳細に記され、故意ではなかったとわかる。
それゆえ、森二の後悔、哀しみが強く感じられ同情する。
生まれて、育つ家の環境って、凄く大事で、その人のその後の人生にまで
大きく影響を与えてしまうものなんだと感じた。
森二、森二の娘・冬香、森二が出所後暮らすアパートの隣人・沙羅。
それから、唯の兄(終盤その続柄は変わるけど)の長嶺圭介。
みんな過去の出来事によって心のなかに重いものを抱えながら苦しんでいる。
なにかキッカケがあれば変われそうな人たち。
悪人はいない、むしろ、心優しい人たち。
物語はどう終結するんだ?
そして、あるひとつの事実が判明して・・・・・それからは急展開。
森二が唯のお墓参りをした場面。
「え~?このお墓にある名前って????」
その真相は、ビックリ仰天でしたが、あり得ることかな?
それにより、森二が義兄・圭介とのわだかまりが解け、冬香との関係も良い方向に
向いそう。
それが一番、嬉しかった。
実の兄・光一もずっと敵対する相手だったのが、信頼できる兄に変わった。
沙羅も真実をしり前を向いていけそう。
ず~っと暗くて重くてシンドイ物語でしたが、最後に救いがあって
本当に良かった!
ちょっと韓流ドラマっぽいかも(笑)
でも読み応え十分で面白かった!
★★★★★
発行年月:2017年9月
今のわたしは、あの頃なりたいと望んだ自分になれているのだろうか。
遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても、屋敷の大人たちや、自分を導いてくれる言葉、小さな友情に支えられて子ども時代を生き抜いてきた。
時が経ち、時代の流れの中で凋落した遠藤家。常夏荘はもはや見る影もなくなってしまったが、耀子はそのさびれた常夏荘の女主人となり―。
ベストセラー『なでし子物語』待望の続編
(ポプラ社HPより)
前作の記憶が薄くなっていたので、読みながら思い出していったかんじ^^;
前作では幼かった燿子、立海、龍治が立派な大人になっていて
燿子は、龍治と結婚して遠藤家の人になり、常夏荘の女主人(おあんさん)になっていた。
おあんさんとしてのほほんと暮らしているだけではいけないと思う燿子は
地元スーパーで働くことに。
そこからが面白かった。
閉店がほぼ決まったスーパー存続のため、奮闘する燿子たち。
逞しく成長したんだと思ったら、嬉しかった!
前作と本作の間の燿子たちの出来事が知りたいなぁ~と思ったら
次作ではその辺のことがわかりそう。
早く、そちらを読みたい!
子どもの頃、強い絆で結ばれていた燿子(ヨウヨ)と立海(リュウカ)に大人になるまで
どんなことを経験したのか?
燿子と龍治が結婚することになった経緯も知りたいし・・・・。
それを読んでから、もう一度最初のなでしこ物語から読み返したい。
正直、この話は、前作ほどの感動はなかったな。
★★★
発行年月:2017年10月
舞台はドイツ。探偵・カールがクリスマスの夜に出会った不思議な男とは……? 著者の初小説が自身の手により完全リメイク。フランスのBD作家による描きおろしイラスト付オールカラー絵本。
舞台はドイツ。
探偵カールがクリスマスの夜に出会った謎の男とは……?
伊坂幸太郎が贈る聖夜の奇跡の物語
大学生のときに著者が初めて書いた小説(初出『文藝別冊 伊坂幸太郎』/2010年小社刊)を自身の手により完全リメイク!
デビュー以来の伊坂作品のモチーフ、
「探偵」「男2人」「親子愛」「巧妙な構成」「ラストのどんでん返し」……
などのエッセンスがすべて凝縮された、珠玉の物語。
伊坂作品にはおなじみ、あのキャラクターの元祖とも言える人物も登場。
* * * * *
生まれて初めて完成させた短篇が元となった作品です。 ──── 伊坂幸太郎
お話の最後ではいつも呆然となり、もう一度読み直したい気持ちで胸がいっぱいになりました。 ──── マヌエーレ・フィオール
* * * * *
*挿絵について*
伊坂さんも注目し、また松本大洋さんら日本の第一線の漫画家も各所で推薦している、フランスのバンドデシネ作家であるマヌエーレ・フィオールによる描き下ろし!
(河出書房新社HPより)
大学生の時、初めて書いた小説なんだぁ~。
凄く良かった。
探偵が浮気調査の尾行をしながら、立ち寄った公園で知り合った男との会話が
ユニーク。
色々と想像してみるって楽しい。
サーカスから逃げた男は、どこに???
公園で話をした男の仲間だったのか?
読み終えた後も、あれこれ想像。
絵も大人っぽくて、素敵。
★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
