発行年月:2016年4月
私の言葉なんて無意味です。
百万の言葉より、一本の線が私の伝えたかったことです。
104歳美術家、珠玉の作品集
墨を用いた抽象表現主義者として世界的に広く知られ、今も第一線で活躍する篠田桃紅氏。
著書『一〇三歳になってわかったこと』もベストセラーになった現代美術家の、新作をふくむ貴重な作品と、珠玉のエッセイによる画文集。
私は、正真正銘の老いを感じています。
老いた……。
老いに老いました。
こんなに長生きするとは、自分で思ってもいませんでしたから、こうして、老いる、ということの実体を、しみじみと味わっています。
そして、少しは若い人に伝えておいたほうがいいかなと思って、あなたに伝えています。
(「若い人へ」より)
一生を振り返って、自分の思うことがみんなやれたかと聞かれたら、やり残したことのほうが、ずっと多い。
たいていの人は、なにもやれてないですよ。
(「やり残し」)
私はこういう線を引きたいと思って、一本の線を引いた。
しかし現実にできた線は、思った線とは違う。
人生も同じ。
人は、こういうふうに生きたいと思って、しかし現実の人生は違う。
(「たぶん明日もある」より)
もくじ
第1章 ふとしては
第2章 あいみての
第3章 おもえども
第4章 うつろい
おわりに 若い人へ
(幻冬舎HPより)
文と一緒に描かれている作品も楽しめる。
どちらも凄くいい。
なんだか、心に沁みるかんじで、何度か読み返しました。
ないものねだり。。。。が特にいいなと思った。
ないものは欲しい。
あるものは ありがたくない。
あるものを、ちゃんとありがたく思えて、
ないものは、まあしょうがないと思い、
ねだらない。
そういう人は幸福。
自分の置かれた境遇を、
これでよかったと満足できる人は、
最後、天に上がれるかな。
ほかの書も今度、手に取ってみたい!
★★★★★
発行年月:2017年11月
大阪郊外の巨大団地で育った小学生の友梨(ゆり)はある時、かつての親友・里子(さとこ)が無邪気に語っていた言葉の意味に気付き、衝撃を受ける。胸に重いものを抱えたまま中学生になった友梨。憧れの存在だった真帆(まほ)と友達になれて喜んだのも束の間、暴漢に襲われそうになった真帆を助けようとして男をナイフで刺してしまう。だが、翌日、警察に逮捕されたのは何故か里子だった――
幼い頃のわずかな違和感が、次第に人生を侵食し、かたちを決めていく。深い孤独に陥らざるをえなかった女性が、二十年後に決断したこととは何だったのか?
社会に満ちる見えない罪、からまった謎、緻密な心理サスペンス。
「読者を引っ張らずにおかない独特の謎」「行間からにじみ出る緊張感がすごい」「自分にもなじみのあるこの関係性と舞台に引き込まれた」雑誌連載中から反響続々。
「サクリファイス」の著者が女たちの焦燥と決意を描く、傑作長編!!
(文藝春秋HPより)
友梨、里子、真帆・・・3人の少女が大人になるまでに起きたいろいろなこと。
小学校時代は、友梨と里子。
中学に入って真帆がそこに加わる。
ただの仲良しな友だちというのとは、ちょっと違った関係。
幼い時に育った環境ってその人の人生を大きく左右するんだと痛感しちゃう話。
こういう集合住宅で暮らしていると、近隣の家族の情報も筒抜けみたいな
ところあって、息苦しいかんじ。
幼いとき、里子を助けてあげられなかったという気持ちがその後の友梨の行動に
影響を与えてしまう。
この3人に起きた出来事を語るのが友梨という設定で、それを聞くのが作家の
わたしという設定。
そして作家のわたしも友梨たちと同級生で同じ中学に通っていた。
最後に知らされる真実にも驚かされた。
巧いなぁ~。
ちょっと湊かなえさん風の物語で重たかったけれど、最後まで一気読み!
いろんな話が書ける作家さんだな~と感心。
★★★★
発行年月:2003年7月
ボートで川下りをしたら滝に落ちそうになり、露天風呂で裸になったらアブの大群に襲われ、103歳のスーパーおばあちゃんと野宿し、電気クラゲの海に飛び込んで…。アウトドア遊びや貧乏旅で、ぼくと悪友たちが遭遇した抱腹絶倒の珍事件を綴る、青春エンタメエッセイ。
(BOOKデータベース/オーシャンライフ株式会社発行)
森沢さんの若い頃、野宿しながら友達と旅をしたりしていた話をあれこれ。
素敵な心温まるお話を書いている人が、こんなやんちゃな人だったとは・・・
驚き~^m^
ちょっと下品な話は、飛ばしました(笑)。
面白いんだけど。。。長々読むのはちょっと遠慮しました^^;
旅に付き合う友達たちもユニーク。
旅の途中で出会った人たちもユニーク。
一番、可笑しかったのは、103歳のミツコさん!
どうして姿消えちゃったんだろ?
それを暫く探した森沢さんたち、優しいなぁ~。
理不尽な目に合された省略ユースホステルでも、怒っていい状況なのに
友だちと一緒に笑って済ます寛大さ。
ハチャメチャだけど、森沢さんの優しい人柄は、再認識できて良かった(^^)
単行本の発行元がオーシャンライフ株式会社。
安全なライフジャケットを作ってる会社と検索したら出て来たんだけど
そこから発行された本なのかなぁ~?
文庫本化されてるけど、そちらは双葉社でした。
また、心温まる小説、期待してます。
★★★
発行年月:2017年9月
もらい泣き必至の結婚式小説!
お祝いを一言、お願いします。
8人のお祝いスピーチで、何が語られたのか!?
(小学館HPより)
九江泰樹と瀬戸田萌恵の結婚披露宴。
招待客やそれぞれの両親たちの二人の対する思いが綴られる。
第一話 新婦友人 三杉愛弥
第二話 新婦元上司 橋辺洋司
第三話 ウエディング・プランナー 川村久里子
第四話 新婦従兄 佐々木慶介
第五話 新郎友人 伊藤真澄
第六話 新婦伯母 山末瑛子
話七話 新郎父 九江泰史
第八話 新婦母 瀬戸田良美
最後の萌恵の良美に宛てた手紙が泣ける。
育ててくれた感謝のことば。
素直なことば。
こんなの貰ったら、母親として最高でしょうね~(;O;)
素敵なお話でした!
★★★★★
発行年月:2017年4月
第52回メフィスト賞受賞!
4人の女には、それぞれ表の顔と裏の顔がある。ブログで賞賛されたいがために、虚偽の「幸せな育児生活」を書くことが止められない千夏子。年下の夫とのセックスレスに悩む結子。職場のストレスで過食に走り、恋人との結婚だけに救いを求める保育士の春花。優しい夫と娘に恵まれ円満な家庭を築いているように見える柚季。
4人それぞれの視点で展開する心理サスペンス!
彼女たちの夫も、恋人もまた裏の顔を持っている。
もつれ、ねじれる感情の果てに待ち受ける衝撃!
「この先、いったいどうなるのか?」
ラストまで一気読み必至!!
(講談社HPより)
かなり長く、四人の女性たちの抱える悩みを主に語り、重たい。
それぞれの立場なりの悩みは、理解出来る部分もあるけれど・・・
千夏子については、嫌な女だなぁ~という印象が最初から最後まで続いた。
夏記が生まれたときから、可愛く思えないって、なんで?と思ったら・・・
後半で、なるほど、そういうことか~と。
でもやはり理解は出来ない。
夏記が健気ゆえに不憫でならなかった。
優しくて賢い子なのになぁ~。
それぞれ女性が抱えるものは上手く描かれていて、この先どうなっていくの?
と興味津々で読んだ。
終盤、もう一人の女性が登場し、ぞれによって、色々なことが解決していく。
最後は、子ども達が笑顔になれそうな大人たちの気持ちの変化が
見られて良かった。
次の作品も期待出来そうな作家さん!
★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
