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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年7月


 順風満帆な人生を送っている――落合美緒はそう思っていた。都心のタワーマンションに住み、二歳下の旦那とは社内結婚、優雅な二人の生活。そんな時に、美緒は妊娠する。ところが不幸なことに流産してしまい、そがきっかけで体調を崩し、会社を辞めざるを得なくなる。今までは夫婦の収入で住めていたタワーマンションにももう住めない。東京近郊のT市に移り住んだ美緒夫婦。鬱々とした気分はいっこうに回復することもなかった。

そんなある日、美緒の気持ちがパート先の同僚ムラカミの話で一転する。人生、順風満帆だったころに感じていた「ときめき」が復活したのだ。

食欲も戻り、夕食のあと、どうしてもフレンチトーストを食べたくなった美緒は、食パンを買いにコンビニへ。そこで同じく同僚のイチハラに会う。イチハラはとんでもなくおかしな格好をしていたが、美緒は大して気にすることもなく、世間話をしてその日は帰ってしまう。

ところが後日、イチハラが大量殺人事件を起こした犯人だと取り沙汰され、事件を起こしたとされるの日時が、美緒が彼女と会ったその前の時間だったことが判明するのだ。

成功をもうすぐ手中に収めそうだったイチハラは、なぜ、わざわざ人生を失敗するような大事件を起こしてしまったのか。考えるうちに燃え上がるような「ときめき」を感じた美緒は、急に『私が失敗した理由は』という本を出す企画を思いつき、かつての恋人で編集者の土谷謙也に電話をする。

事件の真相は、そして美緒の企画はどうなるのか?!

                  (講談社HPより)




次々、起きる殺人事件。
登場人物たちが、どんどん殺されちゃうので
「いったいどういう結末なんだ?」と思って一気読み。

真梨さんも作家として登場しちゃうし・・・^m^
自身の過去作品を貶す登場人物たち。

自虐的なその言葉がなんだか可笑しい。

デビュー作「孤虫症」、まだ読んでないから、今度読んでみよう。




                      ★★★
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発行年月:2016年8月


 待望の単行本がついに発売。実にめでたい!
 『九十歳。何がめでたい』というタイトルには、佐藤愛子さん曰く「ヤケクソが籠っています」。2016年5月まで1年に渡って『女性セブン』に連載された大人気エッセイに加筆修正を加えたものです。

 大正12年生まれ、今年93歳になる佐藤さんは2014年、長い作家生活の集大成として『晩鐘』を書き上げました。その時のインタビューでこう語っています。
「書くべきことは書きつくして、もう空っぽになりました。作家としての私は、これで幕が下りたんです」(「女性セブン」2015年2月5日号より)

 その一度は下ろした幕を再び上げて始まった連載『九十歳。何がめでたい』は、「暴れ猪」佐藤節が全開。自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める年若い人たちを叱りながらも、あたたかく鼓舞しています。

 自ら災難に突進する性癖ゆえの艱難辛苦を乗り越え92年間生きて来た佐藤さんだからからこそ書ける緩急織り交ぜた文章は、人生をたくましく生きるための箴言も詰まっていて、大笑いした後に深い余韻が残ります。

                    (小学館HPより)




90歳ね~。
もうそんな年なんだなぁ~と先ずは驚いた。

「晩鐘」も素晴らしかったけど、エッセイもやはり面白い。
耳が遠くなったり、体は、衰えて来るでしょうけど、発言力は、変わらず
元気!
まだ、まだ愛子さんの書いたものが読みたい!


時事ネタについての思いもなるほどと思える物が多かった。

遺物混入の疑いのあるビーフかつを廃棄処分にしたはずが、処分業者が横流し
販売していたというニュース。

廃棄処分分を横流し販売は、いかんと思うけど、遺物混入の疑い
(プラスチック片)で4万枚のカツが廃棄処分って、勿体ない話だなぁ~と
個人的にも思ったので、愛子さんの考え方と近いことが、なんだか嬉しかった^^;



                     ★★★★



発行年月:2016年11月

目に見えないけど、そこにいるよ。かいじゅうクマーの美しくもせつない物語

クマーは透明なかいじゅうです。悪い怪獣からヨーレの街を守っていました。ある日大切な角が折れてしまい クマーは透明なかいじゅうです。悪い怪獣からヨーレの街を守っていました。ある日大切な角が折れてしまい…!? 物語の女王・宮部みゆき×ファンタジー界の重鎮・佐竹美保の二人が織りなす圧倒的スケール感の絵本! 

                 (角川書店HPより)



なんとも哀しく切ない(/_;)。
かいじゅうのクマーが気の毒で・・・泣ける。


ヨーレの街を悪いかいじゅうから一人闘って守って来たのに・・・
怪我を負い角が無くなり透明じゃなくなったら、
悪い怪獣と同じ姿になってしまった。

クマーの絶望感。
水面に写る自身の姿を見たクマーの気持ちが本当に哀しい。


最後まで救いがない物語。


「悲嘆の門」のなかに出て来たクマーの絵本?
そういえば、あったかな?
なんだか記憶が薄いけど、あの小説のなかの作だと考えると相応しいのかも。


物語は哀しいけれど、絵は美しくて好き。


                       ★★★
 



発行年月:2016年12月


 その店は、人生の岐路に立った時に現れる。さかさまの絵本、底のないポケットがついたエプロン、持てないバケツ……。古道具屋は、役に立たない物ばかりを、時間も空間も超えて客に売りつけ、翻弄する。不可思議な店主の望みとは何なのか。未来は拓かれるのか? 買い主達がその店に集結する時、裁きは下され、約束が産まれる。

                   (新潮社HPより)


第一話 さかさまの物語
第二話 金色の豚
第三話 底のないポケット
第四話 持てないバケツ
第五話 集合
第六話 幸福への旅立ち




ふと気づくとある古道具屋。
こんなところに、あったっけ?と不思議に思いつつ中に入る者たち。
そして、なんとも不思議なものをハットリ君似の店の人から、なんとなく成り行きで
買わされる。

買ったものを巡って、繋がる人間関係。

バイトしながら小説家を目指す貧乏青年は、やがて、恋人も出来
小説家にもなり幸せになるが、その後、深刻な事態になる。
けれど、そんな深刻な状況もやがて、受け入れ前向きな気持ちに。


不思議でちょっと切なかったり怖かったりだけど、最後は希望ある終わり方で
良かった。


道具って使っていた人の思いが、やはり宿るものなのかなぁ~?
と考えさせられた。



                         ★★★★



発行年月:2006年3月


 ええ、はい。あの事件のことでしょ? えっ? どうしてわかるのかって? そりゃあ、わかりますよ。だってあの事件が起きてからの一年間、訪ねてくる人来る人みんな同じことを訊くんですから……。数多のエピソードを通して浮かび上がる、人間たちの愚行のカタログ。痛烈にして哀切、『慟哭』の作者が放つ新たなる傑作!

                  (東京創元社HPより)



映画化されたので、気になり読んでみた。

冒頭に書かれていたネグレクトの事件が展開されるのかと思ったら・・・
別の一家四人惨殺事件の被害者夫婦を知る者たちの取材文で進んでいくという
もので、ああ、この事件と最初のネグレクトで逮捕された女性は
何らかの関わりがあるんだな~と予測しました。


ま、結末は、その予想通りだったけど、
殺された一家の夫婦の過去を知る人たちの話は、興味深かった。

夫は、早稲田大学卒で、妻は慶応大学卒。

夫の方は嫌なかんじだったけど、妻は、そんなに嫌な人という印象は
受けなかった。
だけど、実際に関わると違うのかな?
本人は全く悪気がないのに、人を傷つけるタイプ?

しかし、殺されちゃった子どもたちが気の毒過ぎる。


始終、会話文なので読みやすい。
しかし、後味悪いな。
慶応のイメージ悪くなるな・・・と思ったら、著者は早稲田卒でした。
実際の大学名出さなくても良かったんじゃないかな?
なんて思ってしまった。


映像化されたものも、ちょっと気になる。




                           ★★★
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