発行年月:2017年3月
ようこそ、毛布をかぶった寒がりの街へ
クラフト・エヴィング商會の作家による、ここではない、どこかの街の物語。
本好きのための酒屋「グラスと本」、
別れについて学ぶ「グッドバイ研究所」、
春の訪れを祝う「毛布を干す日」……。
寒い季節にぴったりの、ブランケットで包まれたような温もりいっぱいの一冊。
(幻冬舎HPより)
ブランケットシティ・・・毛布をかぶった街。
住人はみな、寒がり。
そんな街のデイリーブランケット紙の専属ライター・ブランケット・ブルーム君
27歳が街のあれこれを紹介。
ちょっと不思議な街の住人たちの日常やら変わった風習などなど。
読んでいるとおとぎ話のような、安らかな気持ちになれる。
大人のための絵本というかんじ。
頁の上半分は黒くて、白と水色でイラストが描かれている。
上半分のその絵を眺めるだけでも楽しい。
文も絵も巧いなんて、凄いな。
いつも吉田さんの本を読むと感動のほかに感心してしまう。
お話としては、36階を一人掃除するママの話が好きだなぁ~。
甘美なアリアを歌いながら掃除する姿をこっそり覗きにいきたい^m^
これは図書館からの借り物ですが、手元に欲しくなったなぁ~。
★★★★★
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発行年月:2013年12月
「すべての子どもに教育を」と訴え、イスラム武装勢力に銃撃された16歳の少女・マララの手記。本書は、テロリズムによって生活が一変した家族の物語でもあり、女の子が教育を受ける権利を求める戦いの記録でもある。世界36か国で翻訳のベストセラー!
(学研パブリッシングHPより)
1997年、7月12日
パキスタンの北部山岳地帯のスワート渓谷で生まれる。
11歳で英BBC放送のウルドゥー語ブログに、ダル・マカイという
ペンネームで日記を投稿。
タリバンにより教育の場を奪われたことを憂い、女の子にも教育と学校に通う
権利をと訴え続けている。
2011年、パキスタン国民平和賞
2013年、国際子ども平和賞
史上最年少で、ノーベル平和賞候補にも名前が挙がる。
彼女が強く賢い女性に育ったのには、父親の影響も凄く大きいと本書を
読んで強く思った。
間違ったことを要求する集団、従わない者を暴力で従わせようとする相手に
武器も持たず、立ち向かうのには、相当、強い信念がないと出来ない。
日本とは全く違う過酷な環境。
日常のあちらこちらに気が滅入る事件が起きて、恐怖のなかで暮らす生活。
想像しただけで脚がすくむ。
恐怖は人を変える。
恐怖は人を残酷にする。
という言葉は衝撃的だった。
自分の子どもの命を狙われないためにタリバン兵に志願させる親。
タリバン兵に拷問にあっている人が目の前に居ても、仕方ないで通り過ぎる。
ああ、読んでいて、本当にこちらの気も滅入る内容でしたが
そんな生活から逃げ出せない人たちがいると考えたら・・・・・言葉がない。
マララさん襲撃のニュースも衝撃的で、その時の状況も本書で初めて詳しく知った。
しかし、事件後、奇跡的に回復して、弱さと恐怖と切望が消え、強さと力と勇気が
生まれたという。
なんて、凄い女性でしょう。
最後にある、国連本部でのスピーチ文は、本当に素晴らしい!!
これは多くの人が読むべき本だと思う。
★★★★★
発行年月日:2017年3月
実弟・上山雅輔(昭和の喜劇王・古川ロッパの脚本家)の膨大な日記を読み解き、みすゞの童謡と生涯、二人の青春と愛憎、別れを、弟の目を通して描く、画期的伝記小説!
弟・上山雅輔(かみやま・がすけ)/脚本家・作詞家
大正デモクラシーにめざめ
「赤い鳥」と童謡を愛し
白秋、八十にあこがれ
みすゞの詩に、心ふるえる。
昭和モダンの東京
菊池寛の文藝春秋社で
古川ロッパのもと、働く。
みすゞは、自殺
雅輔は、自死遺族に
時代は、昭和の戦争へ。
弟の胸に残る
みすゞの瞳の輝き
忘れえぬ青春の日々……
(新潮社HPより)
以前、テレビで金子みずゞさんの生涯を描いたドラマをみました。
幼い頃、実の弟である雅輔さんは、母親の妹夫婦にもらわれて
本屋さんの跡取り息子として育てられるのだけど、本人は東京で
自分が文章で何かを作り上げる仕事をしたいと夢見て、父親・山上松蔵の反対を
押し切る形で上京。
脚本家・編集者としてある程度の成功を収める。
雅輔がみずゞと実の姉弟だということを周りの人がきちんと知らせないために
起きる数々のことが、二人をややこしくさせた感じが凄くする。
みずゞと雅輔の母親・ミチは妹の夫・松蔵の元に嫁ぎ、みずゞもそこで暮らす。
松蔵が実の弟とみすゞとの間に間違いがあってはいけないなどと勝手な心配を
しなければ、二人はただの仲良き姉弟として、心強い理解者として生きたはず。
みずゞが本屋の店員・宮田敬一と結婚したのも松蔵のそんな心配から。
敬一自身も雅輔との関係を少し疑っていたというところから
二人の夫婦としての絆はうまく結ばれずお互いが不幸。
色々なことが全部、うまく廻らず、なんだか哀しい。
みずゞはある日、突然、眠剤を大量に服用して自死してしまう。
その気持ちを想像すると本当に、辛い。
可愛い娘を遺してまで逝かなきゃいけないほどの絶望感みたいなものがあったのかと
思うと・・・(/_;)
読み終えて暫くは、なんだか、ボ~ッとした無力感に襲われた。
著者の時間をかけたであろう取材もあっての本書。
松本侑子さんのほかの書も読んでみたいと思う。
★★★★★
発行年月:2016年6月
傷心のOL、秘密を抱えた男、病を得た伴侶、異国の者、どら息子、居候、苦学生...今はもういない者たちの日々がこんなにもいとおしい。優しく心をゆさぶる、著者会心の最新小説。
(中央公論社HPより)
第一藤岡荘の5号室に暮らした歴代住人たちの日常を描いた本。
1階に2室。二階に3室。
でも5号室の隣は3号室。
最初の住人は、アパートの大家の息子・藤岡一平(1966~1970年まで住む)
合計・13世帯の物語。
同じ部屋なので、先の住人の生活の痕跡をそのまま引き継いだりしていて
クスッと笑えます。
住人は、学生だったり、単身赴任者だったり、家族だったり、OLだったり。
様々な日常は、特に面白い事が起きるだけでもないけれど、何となく可笑しい。
なかには訳あり住人も居ました。
なんと殺人者で、結局、本人も殺されるんだけど、その辺のことは、大して重要では
ないかのように、サラッと。
藤岡荘最後の住人・諸木十三は、最期をその部屋で迎える。
世間では孤独死と呼ばてしまうものだけど、たまたま一人の部屋で亡くなったというだけ。
彼の周りには、友好的な人間関係があったし、安否確認を頼んでいた人もいた。
最後は、ちょっと哀愁漂う終わり方だったけど、それも良かった。
第六話 ザ・テレビジョンでは、歴代のテレビ番組が並んで
懐かしいなぁ~と一人、にやり^m^
最初から最後まで楽しく読んだ♪
★★★★
発行年月:2016年8月
春子は、ゴミ置き場に花を捨てに来た男性に声を掛け、その花を譲り受けた。数日後に再び花を捨てに来たのを見て、春子はあることの重大な意味に気づいたのだが…。
春子と拓郎(プロ野球選手)が織りなす事件と日常と花々の連作集。
(原書房HPより)
3つのお話。
主人公は春子さん。
日常のなかで、ふと不思議に思ったことを推理していく。
<春子さんと捨てられた白い花の冒険>
ゴミ置き場で偶然、出会った男性。
パンジーの花を妻に頼まれて捨てに来たと言う。
春子は、それを貰えないか?と話しかけ快く譲り受ける。
後日、再び別の花を抱えてゴミ捨て場に来た男性。
再び、譲り受け、自宅で見つけたもの。
ああ、なんて嫌な話。
<洋平くんと、無表情なファンの冒険>
野球観戦にいつも来ている女性。
同じ席に座りじっとしている。
無表情のまま試合を観戦してる姿は異様。
普通に試合も楽しんでる風にしてた方が目立たなかったと
思うのに。
<有希さんと、消える魔球の冒険>
ご主人がプロ野球選手の有希とネットを通じて親しくなる春子。
有希の夫には亡き前妻との娘・ひかりがいた。
そのひかりに一緒に会いにいく。
ひかりは重い知的障害を抱え、施設で暮らしている。
春子をみて「お母さん」と呼び「まきゅう」と言うひかり。
これはじーんとする良い話(:_;)
どの話もササッと読めて面白かった。
元看護師だという春子の人柄がいい。
プロ野球二軍選手のご主人・拓郎との会話もほのぼの。
シリーズ化してくれるかな?
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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