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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2017年3月


 ちょっと奇妙で愛しい物語の玉手箱
ヴァラエティ豊かな18篇からほんの一部をご紹介――

「大聖堂」 
家賃は格安で2万円。そのかわり、一匹だけ扶養義務を負うというのがこのアパートの決まり。動物は三種(猫と兎とぼくの知らない小さな生き物)。そのなかからぼくは三番目を選んだ。四つ足でなめらかな毛、耳が立っていて、目はぱっちりと大きい。背中に一対の小さな羽根をたたんでいる――ぼくは〈つばさ〉と名づけた。

「ぼくの死体をよろしくたのむ」
 「恋愛の精算に他人をもちこむのって、ずるくないですか」「そうよ、ずるいの、わたし」--銀座 午後二時 歌舞伎座あたり。知らない男と二人でてのひらに乗るぐらいの小さな男の人を助けた。「恋人を助けてほしい」と小さな人は言う。『猫にさらわれたのだ』と。

「二百十日」 
伯母の代わりにやってきたのは「るか」という男の子だった。彼は少し魔法が使えるのだという。時間の流れを変えることができるのだ。

「スミレ」 
人間を精神年齢に応じた外見にするための技術は、今世紀後半に発達した。わたしの実年齢は58歳だけれど精神年齢は18歳なので、宿舎の中では18歳の姿で過ごす。


                      (小学館HPより)





独特の雰囲気で、それが心地いい。
ちょっとSFっぽいのも多いけど、ひょっとしたら、そんなことあるのかも?
と思わせてくれるほど自然でイヤミがない。

表題作は、どんな話?と表題から最も興味を誘う。
ぼくの死体・・・ぼくの死んだあとをよろしくってことかな?
そんな風に頼まれちゃう黒高知瑠莉香さんに興味が沸きました^m^


最後の話、「廊下」も死後の世界に居る人と自然に出会い会話する様子が何だか
温かいかんじで良かった。

どれも不思議な余韻が残る作品たち。
感想を書きにくいけど、どの話も好きだ。


                         ★★★★
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発行年月:2017年2月

芥川賞作家が「誰かの不在の場所」を見つめつつ怖いものを詰め込んだ怪談集



中学時代の同級生たまみと再会してから、私の日常は少しずつ歪みはじめる。
何度買っても古書店に戻ってしまう読みかけの本、
暗闇から見つめる蜘蛛、留守番電話に残された声。
怖いものを詰め込んだ怪談集。

                 (角川書店HPより)






かわうそ堀2丁目 アーバンハイツ かわうそ203号に住んでいる女性作家。
恋愛小説家と呼ばれていることから離れるため、怪談小説家になろうと決め
不思議な話、怖い体験をした人を探しては話を聞く。


何か特別なことが起きるだけじゃやないけれど、なんだか嫌な気配を感じるって
案外、一番、怖いかも。

誰かが見てる、ふと気づくと自分を見ている知らない人っていうのが
一番怖かったぁ~(@_@;)

え?で、結局なんだったのぉ~?っていう話も幾つかあったけど
分からないままの方が余韻が残っていいかも^m^

でもこの程度の怪談話なら、夜、寝る前に読んでも怖い夢を見ずに済むかな?


                        ★★★

 



発行年月:2016年12月


 

絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!

下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マルは、スタッフ四人、カウンター七席、テーブル五つ。フランスの田舎を転々として、料理修業をしてきた変人シェフ三舟さんの気取らない料理と、身も心も温めてくれるヴァン・ショーは大人気。そして、実はこのシェフ、客たちの持ち込む不可解な謎を鮮やかに解く名探偵でもあるのです。
豚足をめぐる少年と母親の再婚相手との物語、おしゃれな大学教師が経験した悲しい別れの謎、消えたパティシエが残した言葉「マカロンはマカロン」とは?……等々、胸を打つ話ばかり。ブーダン・ノワール、豚足料理、マカロン、ベリーのタルト……メインディッシュもデザートもきっとご満足いただけます。

                    (東京創元社HPより)



ビストロ、パ・マルのお客さんたちの謎解きあれこれ。

フランス料理の勉強にもなります。
知らない料理の知識も増える^m^

心温まるものもあれば、ちょっと苦い思いのする物語もあり

表題作<マカロンはマカロン>は、トランスジェンダーのパテシエのお話。
なるほどね・・・・。というかんじだけど、他に、もっと感動的な話があったのに
なぜ、これが表題作なんだろ??


感動的だったは<ムッシュ・パピヨンに伝言を>かな?
いつも蝶ネクタイを着けている大学の教師西田氏の思い出話。
リヨン滞在中に知り合ったパン職人のジュリー。
ブリッオッシュを最後の渡され病気療養するからと言われたきりその後は会えず
彼女の大家から「病気で亡くなった」と聞いた。

が。。。三舟シェフは、彼女が本当に言いたかったことの意味をブリオッシュの
パンの由来から推理。

ああ、このあと、西田氏はジュリーと再会出来たんだろうか?



どの話も楽しめた。
このシリーズは面白いな。

                     

                      ★★★★




発行年月:2017年1月


 

現代のロンドン。日本からビクトリア・アルバート美術館に派遣されている客員学芸員の甲斐祐也は、ロンドン大学のジェーン・マクノイアから、未発表版「サロメ」についての相談を受ける。
このオスカー・ワイルドの戯曲は、そのセンセーショナルな内容もさることながら、ある一人の画家を世に送り出したことでも有名だ。彼の名は、オーブリー・ビアズリー。
保険会社の職員だったオーブリー・ビアズリーは、1890年、18歳のときに本格的に絵を描き始め、オスカー・ワイルドに見出されて「サロメ」の挿絵で一躍有名になった後、肺結核のため25歳で早逝した。当初はフランス語で出版された「サロメ」の、英語訳出版の裏には、彼の姉で女優のメイベル、男色家としても知られたワイルドとその恋人のアルフレッド・ダグラスの、四つどもえの愛憎関係があった……。退廃とデカダンスに彩られた、時代の寵児と夭折の天才画家、美術史の驚くべき謎に迫る傑作長篇。

                   (文藝春秋HPより)




オスカー・ワイルドもオーブリー・ビアズリーも名前だけ聞いたことあるかな?

というくらいでしたが、マハさんの物語を読んだら、凄く興味が沸いてきました。
特に、オーブリー・ピアズリーの絵をもっと他のも見てみたいと強く思いました。

表紙の絵も恐ろしい絵ですが、綺麗でなんだか惹かれます。

オスカー・ワイルドの戯曲の出版にあたりその挿絵を描くことになったオーブリー。
二人は、仕事以外でも特別な関係になり、それを阻止しようとする
オーブリーの姉・メイベルとアルフレッド。
それぞれの想いが絡んでの愛憎劇。

オーブリーは結核により喀血を繰り返す。
25歳の若さで亡くなっている。

姉のメイベルは死期を早めたのは、オスカーと出会ってしまったからと言うが
短い生涯でも世に残す芸術を遺せたオーブリーは満足だったのかも。


次は、どんな芸術家の話を読ませてくれるかなぁ~?
次回作も待ち遠しいです。


                         ★★★★




発行年月:2017年2月


 直木賞受賞第一作! “恩田ワールド”全開のエンターテインメント長編
錦糸町、川崎、上野、大阪、呉、六本木・・・・・・。日本各地の旧軍都に発生すると言われる「裂け目」。 錦糸町、川崎、上野、大阪、呉、六本木・・・・・・。
日本各地の旧軍都に発生すると言われる「裂け目」。
かつてそこに生きた人々の記憶が形を成し、現代に蘇る。
鮎観の一族は代々、この「裂け目」を封じ、記憶の化身たちと戦う“力”を持っていた。
彼女と同じ一族の遼平もまた、同じ力を有した存在だった。
愛し合い結婚した二人だが、息子、俊平を産んだことから運命の歯車は狂いはじめ・・・・・・。

――新時代の到来は、闇か、光か。


                    (KADOKAWA HPより)




「蜜蜂と遠雷」とは、全く違う世界。

特殊能力を持った一族の奮闘。
やってることは凄いことなのに、世間の人には知られずに行う。

裂け目から、わらわら発生する「グンカ」たち。
それに向かう遼平と鮎観。

二人はいとこ同士で結婚、息子・俊平が生まれたが
その息子に異変が・・・。

大阪城では武士たちまで出てきて、何じゃこりゃ?と思ったけど
助太刀で登場のカオルが活躍!

登場人物たちのやり取りが愉快なので、ダークな世界観もユーモアあって
和む。

遼平と鮎観の息子・俊平の今後はどうなるのか?
続きはあるのかな?


まあまあ楽しく読めました♪


                      ★★★
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