発行年月:2002年5月
全選考委員絶賛の、第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作
脳死状態にありながら、月夜の晩に限り意思伝達装置を使って話をすることのできる少女・葉月。彼女は、自
(角川書店HPより)
初めて読んだ作家さん。
名前はなんとなく知っていたけれど、これがデビュー作とは!
脳死状態にありながら、自分の臓器を与えたいと望む葉月。
彼女の希望を叶えるため芥圭一郎医師は、その手伝いをしてくれる者の前に現れる。
暴走族幹部の高校生・高村昴。
昴は、臓器移植が必要な人たちに接触し必要な臓器を運ぶ。
第4章、5章がやはり印象的。
昴と葉月の接点が明かされる。
なんだか切ない二人の境遇。
葉月がまだ意識があったとき、出会っていたら、もしかしたら何かが変わっていたかも
しれないのに・・・・。
昴と兄のこの後の生き方が、良い方向に向かうといいな。
他の作品も読んでみたくなる作家さん!
★★★★
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発行年月:2016年12月
坂道と石段と石垣が多い静かな街、夏流(かなし)に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城――夏流城(かなしろ)での林間学校への招待状が残されていた。ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。城には三つの不思議なルールがあった。鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。水路に花が流れたら色と数を報告すること。少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。
(講談社HPより)
かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド
へ~こういうのあったんだぁ~。
読みやすくていいな。
恩田さんのお話以外も読んでみたい。
挿絵の酒井さんの絵も素敵。
主人公のミチルが招待された林間学校。
まだ転校してきたばかりで親しい友達がいないミチルに親切にしてくれる
学級委員の佐藤蘇芳も参加者の一人。
他の学校からの参加者を含め計6人の少女たち。
謎の「みどりおとこ」の正体が明かされ、参加者6人に共通していることも
明かされる。
謎が明らかになるまでの過程がミステリアスで美しい。
そして少し怖くて、哀しい。
挿絵も素敵で、これは大人でも十分楽しめた!
<八月は冷たい城>も読まなきゃ!
★★★★★
発行年月:2017年3月
恋人の故郷である朝埜市で、蜂蜜園の手伝いを始めることになった碧。蜜蜂たちの暮らしの奥深さを知る日々のなか、十六年前に自分の人生を助けてくれた不思議なできごとを思い出す――。草木がゆたかに花を咲かせる小さな町。不器用な家族の愛が心にしみる、書き下ろし長篇
(角川春樹事務所HPより)
人生に絶望していた14歳の碧に見知らぬ女性が差し出してくれた、瓶に入った
ハチミツ。女性の言葉とハチミツが碧の生き方を変えた。
もうすぐ30歳になろうとしている碧。
同棲中の安西渉が、仕事を辞めて実家に帰るからついて来ないか?の言葉に乗って
一緒に着いて行く。
が・・・・安西の父親が偏屈おやじで当初の予定が狂う。
実家の離れに暮らす予定が碧だけボロアパートで暮らすことに。
そして、安西家に借金があるという養蜂家の黒江の元に出向き
そこで働くことになる。
最初、黒江、大丈夫か?と思ったけれど、段々、黒江の男気に感動。
良い人じゃん!
驚きの16年ぶりの再会もあって、感動的な話に終わりました!
が。。。安西、へたれな男だな。
碧には、もっと良い人現れるんじゃないの?
★★★
発行年月:2017年4月
大阪で鷹匠として働く夏目代助。ある日彼の元に訃報が届く。12年前に行方不明になった幼い義弟・翔一郎が、遺体で発見されたと。孤児だった代助は、日本海沿いの魚ノ宮町(おのみやまち)の名家・千田家の跡継ぎとして引き取られた。初めての家族や、千田家と共に町を守る鷹櫛神社の巫女・真琴という恋人ができ、幸せに暮らしていた。しかし義弟の失踪が原因で、家族に拒絶され、真琴と引き裂かれ、町を出て行くことになったのだ。葬儀に出ようと故郷に戻った代助は、町の人々の冷たい仕打ちに耐えながら、事件の真相を探るが……。『雪の鉄樹』で最注目の新鋭が濃密な人間ドラマを描く、最高傑作!
(東京創元社HPより)
冒頭の愛美の遺書から始まる物語。
愛美は自殺だったが、物語のなかには、もう一つの事件。
まだ幼かった翔一郎の行方不明事件。やがて誰かの手によって殺されたことがわかる。
物語の主人公・夏目代助が以前、暮らしていた海沿いの町での話に戻る。
代助は孤児として施設で暮らしていたが、千田雄一郎・京香夫妻の元に。
跡継ぎとして鷹匠の仕事を仕込まれる。
が、後に千田夫妻に翔一郎が生まれ、千田家の跡取りとしては不要な存在になった
代助。
それでも翔一郎の兄として今まで通り、日常を過ごす代助だったけれど、
翔一郎の失踪に何らかの関与があるのではと町中の皆から疑いの目を向けられる。
代助の気持ちが痛々しい。
神社の巫女・真琴との恋の行方も気になった。
そして終盤、次々わかる事実にビックリ!
えぇ~?そういうことだったんだぁ~!!
遺書を遺し自殺した愛美も本当に気の毒な人生だったとわかる。
なんだか気持ちがズ~ンと重くなる物語だったけど、最後にちょっと明るい兆しも
見えたかな?という終わりが救い。
この後、どうなるんだろ???
あれこれ想像しちゃう。
一気読みの面白さでした!
★★★★★
発行年月:2009年6月
心の風邪で休職中の男と、家族を亡くした傷を抱える女。海
辺の町で二人は出会った――。
第三回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。
(ポプラ社HPより)
エリート銀行員・須賀哲司だが、仕事を失くし絶望のまま
母親が暮らしていた海辺の街へ。
そこで知り合った福井喜美子という女性。
海のなかにフラフラ入り、このまま死んでもいいという気持ちで思っていたが
喜美子に助けられる。
最初、喜美子のプライバシー度外視で哲司の家に入り込み、あれこれ
世話を焼く姿が、ちょっとやり過ぎじゃないか?と思ったけれど・・・
そういう行動に出たのには喜美子の辛い過去があったからだと知り絶句。
あっけらかんと明るい喜美子にもそんな過去があったんだ~。
二人は惹かれあうようになっていくのも自然な流れだけど、哲司には
東京に妻子がいる。
さて二人はどうなる??
最後は、ハッピーエンド的でよかった。
ちょっと都合良すぎる展開だったけど・・・・^^;
風待ちの人同士、これからは新たな出発かな?
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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