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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2017年5月

植物になら、惜しみなく与えられるのに。

花と緑を偏愛し、生身の女性と深い関係を築けない、帰国子女の編集者。
異端者は幸せになれるのか。幸せにできるのか。
著者会心の感動作。

男は必ず間違える。
知っている女の声が頭で響く。誰が言っていたんだっけ。思いだせない。思いだせないけれど、頭の片隅で思う。
女は花なのかもしれない。愛でられたいという本能だけで咲く花。
これは謎かけなのだろうか。僕は答えをださなくてはいけないのだろうか。

                     (文藝春秋HPより)




主人公の羽野は、30歳過ぎ。

帰国子女で、容姿もそこそこ良いけれど、女性と深い関係になれない。

一緒に暮らした女性も居たし、近づいてくる女性も居るのに、
相手の気持ちもわからないわけでもない様子なのに・・・

なんなんだろうな。
女性に興味がないんだろうなぁ~。

植物に対するように愛情を注ぐことをしない。
変わった人だな・・・・。


不倫していた理沙子との関係が今後、もしかしたら何か進展するのか?
少し気になりつつ終わる。

なんともつかみどころのない男の物語。
でも、結構、面白かった。


                        ★★★
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発行年月:2017年2月


 大好きな街並み、我が家の食卓、友だちとのおしゃべり、両親との思い出...
何気ない日々のひとつひとつがこんなにも愛おしいなんて。
すべての人の毎日が健やかで、小さな幸せに満ちていますように――
著者の祈りが光となって降り注ぎ、せわしない暮らしのなかでこわばった
私たちのこころをあたためる、とっておきのエッセー50編。

                    (毎日新聞出版HPより)




あとがきに・・・「毎日新聞っていいな」としたいくらいだったと。
そうか、毎日新聞の紙面に掲載されたエッセイだったんだぁ~


ばななさんの言葉遣いが好き。
何気ない日常を書いているけれど、時々、メモして残しておきたいような
言葉がある。

どれも良かったけど、<遠い日々、あの丘>がなんだか、ちょっと切なく
哀しく、それでも優しいかんじで印象的だったなぁ~。

三島市のクレマチスの丘は、家族旅行で行った事あるので
描写に共感しながら読みました。

結婚していたことは知っていたけど、籍は入れていないんですね~。

それについても理由があるようですが・・・・。
それでも思春期の息子さんやご主人とのことなど、書かれていて
幸せそうで良かった。


ばななさんの小説が今度は読みたい。



                       ★★★



発行年月:2017年6月

君臨する男。寵愛される女たち――。谷崎潤一郎が晩年に作り上げた理想の〈家族帝国〉で繰り広げられる妖しい四角関係の行く末とは? 桐野夏生が、日本文学史上最も危険で貪欲な文豪の「業」に焦点をあて、新たな小説へと昇華させる!

                    (中央公論新社HPより)




谷崎潤一郎の作品って実はあまり読んでいない。

細雪は、若い頃読んだけど、これ読んだらもう一度、読んでみたくなった!


物語は谷崎潤一郎の妻の妹・重子の語りで進む。
重子は谷崎の<細雪>の三女・雪子。
谷崎は、モデルは重子だと自ら認め、重子に対して「好きだ」とも言う。
それは妻の妹としてなのか、一人の女性としてなのか??

しかし、重子は義兄のことを生涯、慕い続ける。


谷崎って本当にこんな感じの人だったのかなぁ~?

巻末の謝辞の名前にドキッ!
渡辺千萬子さん、高萩たをりさん・・・・ええ?実際に親族に取材したって
ことかなぁ~?
正に、デンジャラズ!

でも、面白かった!


                       ★★★★
 



発行年月:2017年1月

 あなたにも、「忘れられない夢」がありますか。見知らぬ橋で、いつか訪れるはずの誰かを待つ男。父親から命を受けた幼い息子が赴く上総の海。今際の際に現れた、思い出を食べる伝説の動物――。100年の時を超え、夏目漱石『夢十夜』にインスパイアされた10名の人気作家が紡ぐそれぞれの夢物語。「こんな夢を見た」の名文句に始まる珠玉の10篇を編み込んだ、儚くも美しい、夢アンソロジー。

                    (新潮文庫HPより)



阿刀田高・・・夢一夜

あさのあつこ・・・厭だ厭だ
西加奈子・・・小鳥
萩原浩・・・長い長い石段の先
北村薫・・・指
谷村志穂・・・こっちへおいで
野中柊・・・柘榴のある風景
道尾秀介・・・盲蛾
小池真理子・・・翼
小路幸也・・・輝子の恋



眠れなくなるほどじゃなかったかな?
それぞれ面白かったけど・・・
怪しいかんじの話、ちょっと哀しい恋の話とか。

道尾さんの<盲蛾>が、ちょっと薄気味悪かったけれど、一番話として
印象に残った。
盲目の女と男。二人の関係がなんともねっとりと気味悪く
最後は蛾になったのに、蝶になったと思って蜘蛛になった男に食べられることを
望む・・・キャ~
映像化したらホラーだな。
この話を最後に読んだら、変な夢を見そう・・・・^^;


                         ★★★



発行年月:2017年6月


 歌謡曲の世界が、いま小説として甦る

昭和を彩る歌謡曲を題材に生れた小説たち。「時の過ぎゆくままに」「小指の想い出」など名曲が鮮やかに甦る珠玉の短編集。

                    (文藝春秋HPより)



・人妻ブルース
・時の過ぎゆくままに
・小指の思い出
・東京砂漠
・ジュニィへの伝言
・あなたならどうする
・古い日記
・歌いたいの
・うそ
・サルビアの花


昭和の歌謡曲の哀愁漂うかんじが、どの物語にもあって良かった。

人妻ブルースは、詩のように、毒を含む言い回しが面白い。

その後は短編。

時のすぎゆくままにが最初だからか、印象に残った。
それぞれの妻と夫が重篤な病気で、その見舞いに来た者同士がお互い何となく
男女の関係に。
この後、二人はどうなるんだろ?
本当に好きでというわけではなく、誰か居ないと自分が壊れてしまいそうという
同じような状況から求め合った二人の、なんとも哀しく切ない感じが読んでいて
苦しかったけど、全部読んだら、一番物語といては好きかも。

表題の<あなたならどうする>は
夫と9歳の息子の元から飛び出した女性の話。
トラックで野菜やらを売りに来ていた男の助手席に乗って
ベニバナ栽培をして、その集めた花で染めた布を加工して商品にして
利益を得ている集団のなかで生活することになる。

なんだか、こんな話、どこかでも読んだなぁ~


それぞれの男女は、なんだか幸薄そう。

そんななか最後の<サルビアの花>は、なんだか明るい主人公男性に救われる
感じだったな。


なかなか面白いな、こういうの。


                          ★★★

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