発行年月:2016年11月
読み始めると心がざわつく。
何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。
淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。
あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあいを通して、揺れ動く子供たちの心の在りようを、あたたかくそして鋭く描く「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の3編を収録。
(書肆侃侃房HPより)
芥川賞候補作だったという<あひる>は、3つの短編の最初にありました。
父親の元同僚の飼っていた、あひるを譲り受けて飼うことになった家族の話。
両親と共に暮らす女性の目線で書かれている。
女性は就活のための勉強中であひるを飼うことになった家に
子ども達が遊びに来たり、それに対応する両親の様子などを観察している。
微笑ましい光景だなぁ~と思って最初は読んでいたけれど・・・・
あひるが弱って・・・居なくなり、新たなあひるを飼うことを繰り返す。
4匹目のあひるが飼われた後は、弟家族が引っ越して来るというところで
終わる。
何という事はない話なんだけど、なんだろう?
不思議と哀しい気持ちになる。
次の<おばあちゃんの家>も<森の兄妹>も
特に何かが起きると言う話ではないいんだけど・・・共通したどこか
懐かしい、哀愁を帯びた物悲しさがあって、それが読み終えたあとも
ずっと胸のなかに残っている不思議な感覚。
作者は、自分と同じくらいの年齢か?とプロフィールを見たら
1980年生まれだった。
<こちらあみ子>は読んで他のも読みたいとこちらを手に取ったけど、
共通の何かを感じる。
何かを上手く表現できないのだけど・・・^^;
また違う作品も探してみたくなる。
★★★★
発行年月:2018年6月
「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」。突然の依頼に、かつての凄惨な体験が作家の脳裏に浮かぶ。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。作家は、事件を小説にすることで解決を目論むが――。驚愕の展開とどんでん返しの波状攻撃、そして導かれる最恐の真実。読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!
(新潮社HPより)
5つの怪談と最終章ではその総括的な話。
最初の<染み>を夕方~夜に読んだので、怖さが倍増(;O;)
結婚を考えている男女が占い師の元を訪れる。
そのお告げに激怒した彼は占い料金も払わず、その後も罵詈雑言ばかり。
そんな姿を見て興ざめした女性。
結婚自体を白紙にしたほうがいいかも?と思い始めていた矢先
彼が交通事故死。
結婚まで決めたのに、なんでそんな所、行ったのよ~!!と突っ込んだ(笑)。
その後の話は
<お祓いを頼む女>
<妄言>
<助けてって言ったのに>
<誰かの怪異>
そして最終話の<禁忌>。
要するに・・・全部の怪談話に絡んでいたのは、最初で出て来た占い師。
占い師に占って貰った事も、占って欲しいと思った事もないけれど・・・
今後も近づかないようにしようと強く思った^^;
2章以降は昼間に読んだので(?)、全然、怖くはなかった。
気味は悪いんだけど・・・
それから、本の装幀が怖い。
芦沢さんの他の本もちょっと怖い物見たさ的に読んでみたいけど
装幀が怖いから手に取るのを躊躇します^^;
★★★
発行年月:2018年5月
ある日突然、届いた一通の手紙。送り主は未来の自分だという……。
『告白』から10年。
湊ワールドの集大成!待望の書き下ろし長編ミステリー!!
(双葉社HPより)
湊さんらしい作品でした!
最初は、10歳の章子に届く30歳の章子からの手紙。
不思議に思いつつも、日々の出来事や悩みなどを大人章子に綴る10歳の章子。
その様子は微笑ましいと感じるものもあったけど。。。
段々と湊ワールドへ突入。
平和な日常話で終わるわけがないと思って読んでいるから
いつ来る?まだ?と内心思いながら・・・・
そして徐々に突入していく不穏な世界。
ああ、嫌だなと思いながらも頁をめくる手は止められず・・・
章子の父親は冒頭で、胃がんの為亡くなる。
残された母と章子。
母は、以前から人形のようになってしまうときと人に戻るときがあったけれど
父親の死後、暫くは人形のようになってしまう。
後半で、章子の両親の話になり、二人の出会い、結婚するに至った出来事が
衝撃的だった。
章子の母親・文乃に近づく章子の担任教師・林先生や
レストラン経営を始めた早坂との出来事も始終嫌なかんじ。
林は教師として人としては悪くないと思うけれど、切羽詰った状況での対処
方法を間違えたゆえ、その後の人生を転落させることになり、
少し気の毒だったかな?
章子の同級生・亜里沙とは、親友関係を段々築き、ラストはお互いの
苦しみの原因を作っている大人を殺そうと、行動に移す。
そして・・・・
物語の最初から明るい未来の象徴的役割か、ドリームランドが出てきて
ラストは二人もそこに向かうんだけど、果たして待っているのは
明るい未来か???そう信じたいけれど・・・・
中途半端な終わり方のようだけど、わたしはその終わり方が湊さんらしいと
納得出来た!
相変わらず、読んでる間中、不穏感しかないんだけれど
物語としては凄く面白かった!
★★★★★
発行年月:2017年6月
主人公・林ちひろは中学3年生。出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。第39回野間文芸新人賞受賞作。
(朝日新聞出版HPより)
新興宗教にハマった経緯は、なんとなく理解できるけれど
家族皆がハマらないと一緒に生活するのは難しいんだろうなぁ~。
ちひろの姉・まさみは、そんな家庭環境に順応出来ず逃げ出した。
それはそれで正解だと思う。
よく行動に移したと感心した。
主人公のちひろは、親が宗教を信じるキッカケを作ったからというのもあって
付き合ってあげているというかんじ。
優しい子だな。
周りに偏見の目で見られても、よき友人、なべちゃんがいるから安心。
なべちゃんの彼(?)新村くんも、ちひろの立場を理解してくれている様子。
まだ15歳だからね。
親に依存している部分あると思うけど、少しずつ距離を置いていくのが
良いと思うなぁ~。
雄三おじさんは、頼れそうだし、その家族も、ちひろの力になってくれそう。
新興宗教っれ怪し気で、胡散臭いけど、それを信じている人たちを
否定するのは、どうなのかな?とこれ読んで思った。
宗教抜きにしたら、良い人たちなんだよね。
研修先で星を眺める場面は、ほのぼのしていて、それがラストなので
読後感はほんわか。
あまりこの著者の本、読んではいないけど、独特の雰囲気ある作家さんだな。
★★★
発行年月:2018年6月
勝てなくてもいい。でも、もう逃げない。夫のDVから子どもを連れて逃げた先で出会ったものは――。現代を生きるすべての女性にエールを贈る、感涙必至のボクシング小説誕生! 暴力を振るう夫に耐えかねて、小学一年生の娘と共に新大久保に逃げてきた33歳の愛。同僚のダイエットの付添いとしてボクササイズに通い始めるが、素質を見出され、なぜか本格的にプロを目指すことに。さらに、思いもしなかった強敵と戦うことになってしまい……。これまで流されるままに生きてきた女性が、ボクシングを通して自らの力で人生を切り拓いていくまでを描いた、汗と涙の長編小説。
(PHP研究所HPより)
DV夫から逃げて6歳の娘を抱えて自立していく女性の姿に読みながら
エールを送っていた。
逃げた先で助けてくれる人が周りに沢山いて良かった!
勤務先のアニメスラムの店員・モモコに誘われて渋々、始めたボクササイズ。
そこからボクシングの練習に励む愛。
ボクシングジムの会長・永倉、トレーナー・沖田、会長の姪の望実。
みんなが愛を応援している環境が愛の自立を助けた。
フライ級チャンピオン・美闘夕紀との試合は、痛々しくて・・・
それでも立ち上がる・・・
試合の前にマリオが現れたけど、あれは必要だったかなぁ~?
素人同然がチャンピオンに挑む試合の前に骨折って・・・無理あるでしょ?
試合を終えてからマリオに会って、以前の自分とは違うという姿を見せつけて
恰好良くバイバイってしてほしかったなぁ~。
ま、でも楽しめた。
ボクシング全然、詳しくないけど夢中になれた。
★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
