発行年月:2017年11月
パンデミックによって浮かび上がる、人間の光と闇。これほどの絶望に、人は立ち向かえるのか。時は天平、若き官人である蜂田名代は、光明皇后の兄・藤原四子(武智麻呂、房前、宇合、麻呂)によって設立された施薬院の仕事に嫌気が差していた。ある日、同輩に連れられて出かけた新羅到来物の市で、房前の家令・猪名部諸男に出会う。施薬院への悪態をつき、医師への憎しみをあらわにする諸男に対して反感を持つ名代だったが、高熱に倒れた遣新羅使の男の面倒をみると連れ帰った行為に興味も抱く。そんな中、施薬院では、ひどい高熱が数日続いたあと、突如熱が下がるという不思議な病が次々と発生。医師である綱手は首をかしげるが、施薬院から早く逃げ出したい名代は気にも留めない。だが、それこそが都を阿鼻叫喚の事態へと陥らせた、“疫神”豌豆瘡(天然痘)の前兆だったのだ。病の蔓延を食い止めようとする医師たちと、偽りの神を祀り上げて混乱に乗じる者たち――。疫病の流行、政治・医療不信、偽神による詐欺……絶望的な状況で露わになる人間の「業」を圧倒的筆力で描き切った歴史長編
(PHP研究所HPより)
ドラマ「JIN」を思い出した!
天然痘により次々、命を落とす人々。
醜い疱瘡が全身を覆い、苦しみながら亡くなるって本当に地獄のような光景で
胸が痛くなる。
そんな状況のなか、必死に命を救おうとする医師たち。
そしてそれを手伝う者。
悲田院の子どもたちを蔵に入れることにした場面は、泣けた(/_;)
それに付き添った隆英は、凄い人だ。
自らを犠牲にしてまで、子どもたちのこと、感染拡大を防ぐことを考えての
行動には、頭が下がる。
子どもたちの最期、辛すぎる。
事態は収束するけれど、そこに大きな役割を果たした諸男。
無実の罪で牢に入れられ、過酷な状況でなんとか生き長らえ、
一時は、悪巧みに利用されるが最後は、名誉挽回出来、ホッとした。
読み応え十分で、結構、厚い本ですが、一気読みでした!
他の作品も読んでみたい!
★★★★★
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発行年月:2018年2月
秘密に束縛され、男性が苦手なまま大人になった洋服補修士の女。要領よく演技するのが得意だけど、好きな事から逃げてばかりいるフリーターの男。洋服を愛している。それだけがふたりの共通点のはずだった――。絶対に消えない記憶を、隠し続けるのはいけないこと? 一歩前に、もっと前に。あなたの勇気を後押しする長編小説。
(新潮社HPより)
青柳服飾美術館が舞台。
西洋の服飾を受け入れた日本の歴史を展示。
繊細なレースのランジェアリーや豪華な飾りのついたドレス。
想像しただけで楽しそうな美術館。
どこかにあるのかな?
学芸員の青柳晶と洋服補修士の白峰まきこ。
2人は親友同士。
幼い頃の体験から男性恐怖症になってしまった、まきこをずっと守って来た晶。
そこにアルバイトとして、加わった百貨店勤務の下赤塚 芳。
幼い時から綺麗な服が好きな男子。
まきこが芳の存在がキッカケで少し前を向いていけるようになる。
幼い頃、二人が出会っていたというエピソードも素敵。
美しい服飾の描写には、想像を掻き立てらえた。
表紙の絵もとてもいい!
★★★
発行年月:2018年5月
炎は消えてもその来歴は残る。ひとりの男の人生を根底から動かして、海の向こうへ、燃えさかる炎へと向かわせた、崇高なその行為とは。二人の間を流れた電流とは何だったのだろうか――。戦後の日本とヴェトナムを舞台に人間の尊さと愚かさ、平和と戦争、愛と憎しみを描き出す激しくも美しい物語。心震わせる著者入魂の飛翔作。
(新潮社HPより)
実話を元に書かれた物語。
フィクションだけれど、こういうことが実際にもあったんだと思うと凄い。
アメリカに住む平和活動家レナータ・ヴァイスと文通することになった北川。
彼女の求める日本の戦後の様子を知らせながら、彼女の平和に対する
熱い思いを知り、会ったこともない彼女にどんどん惹かれて行く。
そして、突然の彼女の焼身自殺。
アメリカがベトナムを攻撃し続けることに抗議する行動。
ヴァイスの娘だと言う人から届いた手紙には、彼女も北川に惹かれて
いたという。
実際に居た女性活動家・アリス・ハーズ。
そして、彼女と文通をしていた日本人は哲学者であり社会学者でもある芝田進午氏。
物語のなかの北川は、彼女の死後、妻子を残して、ベトナムへ向かう。
彼女が何のために死を選んだのかを知るため。
そして知るベトナムの惨すぎる現状。
北川の最期も哀しい。
でも妻子は、気の毒だな~。
こうして読むと、先進国の身勝手さに怒りが込み上げてくる。
ベトナム戦争の原因ってよくわからないけど、もう少し、ちゃんと調べてみよう。
あとがきを読んで、著者がなぜこの物語を書いたのか知り、
そういうことだったんだぁ~と驚いた。
いやはや凄い物語だった!
★★★★★
発行年月:2018年4月
祖母から母、そして娘へ。
悩める少女たちに伝えたい感動の命の物語。
41歳の夏、同窓会に誘われた遼子。その同窓会には、蔵のあるお屋敷に住むの憧れの少女・四葉が来るとい 小学校時代の同窓会に出席する41歳の遼子。
仲良く遊んだ友達とのことを思い出す。
幼なじみの美音と共に、大きなお屋敷に住む四葉ちゃんの家に遊びにいく。
四葉ちゃんは91歳のひいおばあちゃん、おばあちゃん、おかあさんと女ばかりの
家で暮らしている。
ひいおばあちゃんの歌う、ご詠歌。
死者のことを歌った歌に幼く亡くなった弟・利央斗のことを思い出して
泣き出す美音。
そんな美音を慰め、四葉は蔵のなかに二人を誘う。
そこで、亡くなった利央斗に再会。
遼子も入院している祖母が元気だったころの姿に会う。
そんな思い出があって、大人になった四葉に会ったけど・・・
え?もうお終い?
小学校時代から大人になるまでの四葉の事が、もっと知れると思っていたので
ちょっと残念だったなぁ~。
もしかして、その辺りの話、また別の本で書いてくれるとか?
最後は残念だったけど、良いお話でした。
★★★
仲良く遊んだ友達とのことを思い出す。
幼なじみの美音と共に、大きなお屋敷に住む四葉ちゃんの家に遊びにいく。
四葉ちゃんは91歳のひいおばあちゃん、おばあちゃん、おかあさんと女ばかりの
家で暮らしている。
ひいおばあちゃんの歌う、ご詠歌。
死者のことを歌った歌に幼く亡くなった弟・利央斗のことを思い出して
泣き出す美音。
そんな美音を慰め、四葉は蔵のなかに二人を誘う。
そこで、亡くなった利央斗に再会。
遼子も入院している祖母が元気だったころの姿に会う。
そんな思い出があって、大人になった四葉に会ったけど・・・
え?もうお終い?
小学校時代から大人になるまでの四葉の事が、もっと知れると思っていたので
ちょっと残念だったなぁ~。
もしかして、その辺りの話、また別の本で書いてくれるとか?
最後は残念だったけど、良いお話でした。
★★★
発行年月:2018年6月
書き下ろし短編も!
本屋大賞受賞作『羊と鋼の森』の著者がおくる食エッセイ
「毎月一回食べもののことを書く。食べることと書くことが、拠りどころだった気がする。」(「まえがき」より)
月刊誌『ESSE』の人気連載が、待望の書籍化!
北海道のトムラウシに1年間移住したり、本屋大賞を受賞したり……。さまざまな変化があった6年半の月日を、「食」をとおして温かく描き出す。
ふっと笑えて、ちょっと泣けて、最後にはおなかが空く。やさしく背中を押してくれるエッセイ78編に、書き下ろし短編1編を収録。全編イラストつき
【内容紹介】
◆一章 つくること、食べること
「豆を煮る」、「泰然自若シチュウ」、「100%オレンジゼリー」、「お正月のカレー」、「ローガンと出汁」、「キノコ嫌い」、「楽譜とレシピ」、「塩鮭の注文」、「大雪のパンケーキ」ほか
◆二章 なんでもない日のごはんとおやつ
「最強ハンバーグ」、「スイカの種」、「おいしい朝ごはん」、「ミルクティーとスリッパ」、「山の中のお正月」、「ゆかりたん」、「餃子とアジフライ」、「お金持ちのサラダ」ほか
◆三章 思い出の食べもの
「君の名前」、「水ようかん」、「まぼろしのオムライス」、「おついたち」、「鹿まんじゅう」、「読書会のメニュウ」、「スープを煮込む」、「四月のかき氷」、「黄金色のジャム」ほか
◆短編 ウミガメのスープ
イラストの公募展で大賞を受賞した私。うれしいはずなのに、がんばらなきゃならないのに、心細くて怖いのはなぜ? お祝いすら心の重荷になるのはどうして?
「お姉ちゃん、一緒にお菓子を焼こうよ――」
ある日、家にやってきた妹と話すうち、私にとっての「描く」ことを取り戻していく。
(扶桑社HPより)
食べ物エッセイ。
ESSEで連載されていたそうで、なるほど・・・。
食べ物の話は楽しくていい。
宮下さんが家庭で作る料理は、バラエティに富んでいて本格的!
<フムス>という料理名は初めて知った!
中東で食べられている豆の料理だったんですね~。
ひよこ豆を茹でて練りごまとオリーブオイルで和えるとか。
体に良さそう!
近いうち、作ってみたいので、レシピを探しておこうφ(..)メモメモ。
表題の「ウミガメのスープ」は、映画にも出てくるとか。
「バベットの晩餐会」!
ああ、観たいと思って居た映画だ!!
これも近いうちにぜひ、観てみたい!!
読みながら忘れずおきたいことをメモしてました^m^
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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