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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2017年9月


 日本人であることが、罪になる。
祖母は、母は、そんな時代を生き抜いた――

日本人というルーツに苦しめられた祖母、ルーツを捨てようとした母、そしてそのルーツに惹かれる私。
アメリカ在住日系人家族の三世代を描く百年の物語。

太平洋戦争を挟んでの日本とアメリカの姿とともに、時代に翻弄されながら生きる人々のアイデンティティのありようを描き出し、現在の世界に巻き起こる問題をも浮かび上がらせる骨太な感動作。

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1916年、既にアメリカに移住していた大原幹三郎のもとへ「写真花嫁」として嫁ぎ、海を渡った佳乃。
幹三郎と佳乃の末っ子として、戦争間際にオレゴン州で生まれたハンナ。
ハンナの娘である「私」、ジュンコ。
三世代の母と娘たちの関係には、「日本」と「アメリカ」、そして「戦争」が大きな影を落としていた。

                 (ポプラ社HPより)




日本からアメリカに渡った日本人。
そこである程度の成功を掴んだのに、日本が真珠湾攻撃したあたりから
それまでの人種差別が国絡みのものになる。

戦争により日本人というだけで、収容所送り。
不自由な生活を強いられ、17歳以上の男子には、
忠誠の証に命を懸けて戦地に向かうか、否かの二者択一を迫られる。


幹次郎と佳乃の次男・ケンは兵士として戦地で名誉の戦死。
死後、少尉に昇格。

長男のジョーは日本人ということで、暴行を受け大怪我を負う。

そして幹次郎はFBIに連れられ家族とは別の収容所送り。


戦争が終わり、家族は再会出来たけれど、失った物は大きい。

そんな時代と、現代を交互に語る物語。

辛い時代を経て幹次郎と佳乃の子どもたち、孫たちはそれぞれ立派に
成長。


今、アメリカで暮らす日系1世や2世たちは、不自由なく暮らしているんだろうか?
ふと、思った。


やはり戦争は醜いものを沢山、見なければならないもので2度と起きて欲しくない
と思う。

巻末の参考文献の量が凄い!
沢山の資料を基に書かれた物語なんですね。


                       ★★★★
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発行年月:2017年9月

営業部営業第一課 野村雄平
人事部勤務を命ずる
――「海に出る」
技術開発部部長  村井玲子
事業戦略室室長を命ずる 
――「波に挑む」
事業戦略室室長  太田武夫
北海道造船所所長として出向を任ずる
――「港に泊まる」

他「舵を切る」「錨を上げる」「櫂を漕ぐ」「船に乗る」を収録。
人事の決定は、人生を左右する!?
明日、働く元気がもらえる、全七編の連作短編集!

                   (光文社HPより)




北斗造船で働く人たちの話。


望んでいた部署とは違うところに配属されてガッカリしながらも与えられたことを
こなしていく人。
やっと念願の部署に配属されて頑張ろうとしている人。

色々な思いを胸に日々の仕事に取り組む人たちの姿はエールを送りたくなる。

働いていると、どんな職場でも理不尽なことはあるよね~。
でも目の前の仕事に真摯に向える人は、誰かが必ず認めてくれる。
そういう会社なら頑張れる。

北斗造船は、頑張ってる人をちゃんと認めてくれる会社。
良い会社だ。

読んでいて清々しい気持ちになれた。


                         ★★★★
 
 


発行年月:2017年8月

まだ何者でもない、何者になるのかもわからない、
わたしの、あなたの、世界のはじまり

『スコーレ№4』の女たちはひたむきに花と向き合う。
凜として、たおやかに、6つのこれからの物語。

10年前に書いたもの、5年前のもの、素敵な女性ファッション誌に載ったもの、いろいろ取り混ぜて、あらためて読んで、はっとしました。今よりちょっと若くてちょっとがんばっている宮下の小説を、ほかでもない本人が読んで勇気づけられたのです。このときにしか書けなかったものがここにあると思いました。小説って楽しい。もっと読みたい、もっと書きたい、と思いました。
 宮下奈都

                      (光文社HPより)




短編集ですが、どれもいい!

文章がスッと入って来るから読んでいて心地いい(^^)

スコーレのスコーピオンだそうだけど、スコーレ読んだかな~?
記憶(内容)が曖昧。

それでも楽しかった。

いけばな教室を開いている美奈子。
スコーレの三姉妹の父親の愛人だった人ですね。

時間が経てば、特殊な関係の人間関係もまた新たな思い出に上書きされて
良い関係になるんだな~と。
本人たちからしたら、もう少し複雑な思いもあるだろうけれど・・・。

美奈子といい関係の男友達・森太との今後の展開もちょっと気になった。

また別の機会に続編ぽいのないかな?


一番最後の話<ヒロミの旦那のやさおとこ>は、楽しかった。
小学校時代の仲良し3人組。
美波、みよっちゃん、ヒロミ。
強烈なキャラのヒロミ。
20歳から家を出て音信不通だった彼女との再会話。

暫くブランクあっても会えば再び、友情復活!



内容も良かったけれど、表紙の絵も素敵。
装画は岩崎絵里さんだとか。覚えておこう!



                         ★★★★★



発行年月:2017年7月


山形に単身赴任中の賢一は、東京に暮らす妻の倫子から不可解なメールを受け取る。その後、警察から連絡が入り、倫子が賢一の会社の重役を殺したと知る──。その事件の背景には、壮絶な真相があった。

                     (集英社HPより)





冒頭の裁判の様子は、誰が犯人?

結構終盤まで、それがわからず、ハラハラドキドキ。


真相がわかると、なるほど・・・・。
タイトルの悪寒は、犯人が殺害した相手に感じたことかな?
嫌な奴。殺されても仕方ない下衆な男だ。


でも、倫子と優子姉妹の関係が、何とも理解しがたい。
小さい頃からの性格とか、変わらず、こんな場面でもそれが行動に出るものかな?


単身赴任中の夫・賢一みたいな男性は多そうだけど。。。
離れていても家族とは蜜に連絡を取って夫婦の会話は途絶えさせたらダメでしょ?


これを機に家族の絆が強まるといいな。
最後は、少し救いもあったようなのは良かった。


                          ★★★
 



発行年月:2017年6月

かわいいかわいい由美子ちゃんセンセ。みんなの愛玩動物。
由美子ちゃんの一言で、わたしと彼女は、退屈な放課後から逃げ出した。
淡い青春譚──「じごくゆきっ」ほか、鮮烈な桜庭ワールド、全7編。       

                   (集英社HPより)




短編集7つの話、どれもこれも変な話でちょっと不気味。

でも結構面白かった。

・暴君
・ビザール
・A
・ロボトミー
・じごくゆきっ
・ゴッドレス
・脂肪遊戯


表題作の<じごくゆきっ>は、表紙の絵がそのまま物語の想像を膨らませてくれる
内容。
美人だけど少しおバカな由美子ちゃん先生と家に帰りたくないで意見が一致して
しばしの逃避行する16歳の金城。
二人はまず買い物。それが表紙の絵のような、ちょっとロリコンっぽいフリルの
沢山ついた服。
それから夜汽車に乗って砂丘を見たいと鳥取を目指す。

逃避行は、砂丘に着いたところで終了。

金城が20年前のことを回想していたという話。
ま、今は幸せそうで何より。


最初と最後の話は、登場人物が同じで、<脂肪遊戯>は最初の話の後日談的で
面白かった。

<ロボトミー>というタイトル通り、気味悪かったのはこれが一番かな?
<ビザール>とか<ゴッドレス>は、登場人物のツイッターのアカウント名とか。
なんだかよくわからない人たちの話ばかり^^;


でも不思議と退屈せず読了。
しかし、よくもこんなヘンテコな話を思いつくなぁ~^m^



                         ★★★
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