発行年月:2017年8月
ボクシングの感動実話を、完全小説化!
北海道のボクシングジムから、はじめて日本チャンピオンを育てた唯一の女性トレーナーがいた。奇跡の実話が小説に
(文藝春秋HPより)
本の中では畠山雅斗だけど、実際は畠山昌人。
高校生でジムに通い始め、トレーナー資格を得て父のジムを継いだ、ひかると
の歩み。
トレーナーとボクサーの関係って、ひかるが女性だからか
なんだか、ほんわかしている。
練習では厳しいんだろうけれど・・・
外での食事の場面でいつも「ハンバーグみたいな顔してるから
おまえは、ハンバーグセットにしな」って・・・笑
畠山は素直にいつも「はい」って答える。
高校を辞めようと思うと相談するたび、もう少し続けたら?のひかるの言葉にも
「はい」と。
素直な青年なんだなぁ~と感じた。
実際、日本チャンピオンになって、何度か防衛して
ある日突然、網膜剥離で引退。
短い選手生活だったのは残念だったけど、畠山自身も言っていたけれど
これで良かったのかもね。
後輩の育成に今は励んでいる様子。
ボクシングは全く分からないけど、面白かった!
畠山昌人で検索して顔みたけど、いい顔してた。
★★★
発行年月:2016年6月
移動販売で「買い物弱者」に元気を届けたい!!
心にエネルギーが満ちる、癒しの感動長編
過疎化と高齢化が深刻な田舎町で「買い物弱者」を救うため、
大学を中退したたまちゃんは、移動販売の「おつかい便」をはじめる。
しかし、悩みやトラブルは尽きない。外国人の義母・シャーリーンとのいさかい、
救いきれない独居老人、大切な人との別れ……。
それでも、誰かを応援し、誰かに支えられ、にっこり笑顔で進んでいく。
心があったまって、泣ける、お仕事成長小説。
(実業之日本社HPより)
主人公は20歳の葉山珠美。
大学を中退して地元に戻り、高齢者たちを対象に移動販売を始める。
珠美の父親・正太郎。
父親の再婚相手・シャーリーン。
珠美の心のなかにあるシャーリーンに対してどこか疎ましく思う気持ちが
色々な出来事を通じて、変化していく。
父親・正太郎の接し方がいい。
相手の気持ちを汲んで話すことが出来る人は素敵だ!
周りの人たちもみんな素敵で、森沢作品には、悪い人が殆ど出てこないのが
いい。
読んでいて、ほっこりする。
書きとめておきたい様な素敵な言葉も沢山。
でも、あとがき読んでビックリ!
20代の頃、野宿の放浪者でした・・・っていきなりの発言!
凄く興味あるんだけど、その辺の話、エッセイかなにかになってる?
後で探してみよう^m^
★★★★
発行年月:2017年9月
すべての子どもが、心から愛してくれる人を求めている。 たとえ、望まれず生まれてきたとしても――。 親の病気や生活苦、疾走、虐待や育児放棄など様々な理由で実親と暮らせないゼロ歳から二歳までの乳児が生活する乳児院。この乳児院である双葉ハウスでは、赤ちゃん一人ひとりに養育担当者を決めている。赤ちゃん(乳児)にとって絶対的な安心感を与える<特別な大人>を、双葉ハウスでは<マザー>と呼び、赤ちゃんとマザーは擬似的な親子関係を築いていく。しかし、その赤ちゃんが二歳を迎える前にその親子関係は終わることになる——子どもが物心つく前に。 双葉ハウスに務める島本温子は、保育士歴12年になる今でも、担当児と別れる時には身を切られるような喪失感に襲われる。だが温子が最初に担当した多喜と別れるときには、今からは想像もできないほど大変な騒ぎになった。その我が子同然だった多喜が不幸になっているのではと思った温子はある行動に出る……。「嫌われ松子の一生」「百年法」の著者が、乳児院とそこで奮闘する保育士を描く、あふれる愛の物語。
(幻冬舎HPより)
乳児院で働く保育士の島本温子(32歳)が主人公。
彼女の子どもたちに向き合う姿勢が素晴らしい。
乳児の時から名前までつけて母親のように愛情を注いで育てても
里親が見つかれば手放さなければならない。
あたりまえだけど、温子のような人には、辛い瞬間だろうな・・・・。
でもそんな温子だからこそ、一人の少女・多喜を助けることが出来た。
乳児院を出た後、幸せに暮らしているだろうか?と思って情報を集める温子。
ちょっとやり過ぎな感じもするけど、結果として多喜は救われた。
温子が自分のことをずっと忘れずに「幸せになって」祈ってくれていた。
それはこれからも変わらないと信じて多喜は成長していくんだろうな~。
今後の多喜が幸せでありますように・・・・。
山田さんって、こんな作風も書くんだなぁ~。
★★★★
発行年月:2017年9月
世間から隔絶され生かされている少女たちの一途で激しい想いの行き着く先はーー
狂おしいほど耽美で苦しい恋愛小説集。
ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」で注目の著者の真骨頂!
(河出書房新社HPより)
少女たちの独特な世界を描いた短編集。
どれも少し怪しげで暗い。
一途に思う相手は同性というのも共通。
表題作は一番最初
絵梨とひづると美少年・紫菫(シキン)が主な登場人物。
でもシキンは二人にとって何なんだろ?
異常な行動をとる二人の少女が怖かった。
ほかの話も似たようなどこか異様な世界観。
表題作の他は
<針とトルソー>
<星の王様>
<紫陽花坂>
最後の話が一番、印象深いかな?
相変わらずの奇妙な少女たちの恋だけど、女子校特有の恋バナに
教師の猟奇的事件も加わってきて滅茶苦茶。
大人になった少女たちが、一人のお通夜で再会した会話で
ああ、やっぱり・・・・。
校閲ガールと同じ著者とは思えませんが、本来の宮木さんらしい作品は
こちらかな?
★★★
発行年月:2017年7月
ドンデン返しの帝王が「死刑制度」を問う
無期懲役の判決を受けた殺人犯の家族が殺された。
遺族による復讐か、現在の司法に対するテロか……
渡瀬刑事が追う。社会派ミステリ
(文藝春秋HPより)
最初から最後まで、ずっと引きこまれるように読んだ。
死刑制度の存続、廃止・・・・自分はどちらに賛成なのか?
連続殺人事件の被害者たちは、いずれも家族が服役中の殺人犯。
死刑でもおかしくない残虐な殺人なのに、死刑判決を免れ塀のなかで
三食を食べ暮らしている。
犯人に強い憎しみを抱いているのは、被害者遺族のはず。
中盤すぎに犯人が判明。
捕まってみれば、なるほどねという人物。
でもなぜ、そこまで執拗に?と思って居たら、その答えも終盤に判明。
この犯人、凄い。
殺人は罪だけど、その動機は理解できる。
誰もが満足な判決を出せるわけでもなく、法曹の世界で仕事をする人の
苦悩も知った。
渡瀬警部と岬検事のラストの会話はちょっと和んだ^m^
★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;