発行年月:2017年10月
舞台はドイツ。探偵・カールがクリスマスの夜に出会った不思議な男とは……? 著者の初小説が自身の手により完全リメイク。フランスのBD作家による描きおろしイラスト付オールカラー絵本。
舞台はドイツ。
探偵カールがクリスマスの夜に出会った謎の男とは……?
伊坂幸太郎が贈る聖夜の奇跡の物語
大学生のときに著者が初めて書いた小説(初出『文藝別冊 伊坂幸太郎』/2010年小社刊)を自身の手により完全リメイク!
デビュー以来の伊坂作品のモチーフ、
「探偵」「男2人」「親子愛」「巧妙な構成」「ラストのどんでん返し」……
などのエッセンスがすべて凝縮された、珠玉の物語。
伊坂作品にはおなじみ、あのキャラクターの元祖とも言える人物も登場。
* * * * *
生まれて初めて完成させた短篇が元となった作品です。 ──── 伊坂幸太郎
お話の最後ではいつも呆然となり、もう一度読み直したい気持ちで胸がいっぱいになりました。 ──── マヌエーレ・フィオール
* * * * *
*挿絵について*
伊坂さんも注目し、また松本大洋さんら日本の第一線の漫画家も各所で推薦している、フランスのバンドデシネ作家であるマヌエーレ・フィオールによる描き下ろし!
(河出書房新社HPより)
大学生の時、初めて書いた小説なんだぁ~。
凄く良かった。
探偵が浮気調査の尾行をしながら、立ち寄った公園で知り合った男との会話が
ユニーク。
色々と想像してみるって楽しい。
サーカスから逃げた男は、どこに???
公園で話をした男の仲間だったのか?
読み終えた後も、あれこれ想像。
絵も大人っぽくて、素敵。
★★★★
発行年月:2017年11月
波乱に満ちながらも、つつましく温かい生涯を送ったマリカのそばには
いつも美しいミトンがあった──。
小説と版画が紡ぎだす愛しい物語。
(白泉社HPより)
エッセイかと思ったら、素敵な物語でした。
そして巻末には、この物語が生まれた地・ラトビア紀行が素敵な平澤さんの
イラストと写真で綴られて、あまり知らないラトビアに興味が沸きました。
物語は一人の女性・マリカの一生を綴っています。
誕生の時。
両親と兄2人。それからおじいさんとおばあさんがこの家に生まれた
初めての女の子の誕生を待ちわび、誕生した日は皆が幸せな気持ちに
なってお祝いをする。
その後のマリカの成長の様子、恋人・ヤーニスと結婚し二人の幸せそうな
時間。
しかし、二人の暮らすルップマイゼ共和国は、氷の帝国により苦しめられ
それに抵抗するための行動にヤーニスも連行させられてしまう。
戦争という言葉はないけれど、いつも人々から幸せを奪う嫌なものですね。
ヤーニスが遠く離れてもマリカは明るく毎日を淡々と暮らす。
泣いていても仕方ないから・・・。
巻末のラトビアの人々の言葉だそう。
ソビエトに長く抑圧されていた人たちのこと、この物語を通して知りました。
装丁がとても素敵。
これは、図書館本だけれど、手元に置きたくなるかんじ。
★★★★★
発行年月:2017年8月
それは亡者たちの声? それとも心の扉が軋む音? 正体不明の悪意が怪しい囁きと化して、かけがえのない人々を蝕み始めていた。目鼻を持たぬ仮面に怯え続ける青年は、恐怖の果てにひとりの少年をつくった。悪が幾重にも憑依した一族の救世主に、この少年はなりうるのか――。21世紀最強のサイコ&ミステリー、ここに降臨!
(新潮社HPより)
上巻での謎が、次々明かされた。
重興のなかにいた、女・桐播は、五香苑の家守であった五郎助の娘。
五郎助は、桐葉が重興にかけた呪詛が効いているか監視するために家守として
五香苑に入った。
重興が父・成興を殺めたのも呪詛によるものであった。
重興の体のなかにいた琴音という少年は、重興を救うために真実を告げ
謎解きの大きな役目を果たした。
多紀や、館守の石野織部、医師の白登も重興を救うために働き、最後は
重興が呪縛から解かれハッピーエンド。
途中、もしかしたら、これ最後は、哀しい結末で終わるパターン?
とハラハラして読んだので、ラストの正に、この世の春に相応しい
描写にはホッとした。
多紀が幸せになれそうでよかった。よかった。
四人の行方不明の少年たちは可哀想だったな。
でも成仏できたのかな?
哀しく重苦しいこともいっぱいあったけれど、多紀の周りで働く人たちは
皆、心温かい人たちで会話などは和んだ。
最初から最後まで面白かった。
★★★★
発行年月:2017年8月
それは亡者たちの声? それとも心の扉が軋む音? 正体不明の悪意が怪しい囁きと化して、かけがえのない人々を蝕み始めていた。目鼻を持たぬ仮面に怯え続ける青年は、恐怖の果てにひとりの少年をつくった。悪が幾重にも憑依した一族の救世主に、この少年はなりうるのか――。21世紀最強のサイコ&ミステリー、ここに降臨!
(新潮社HPより)
宮部さんの時代小説、期待してました!
そして期待通り、読み進むにつれ、読むスピードが上がる^m^
主人公・各務多紀を中心に繰り広げられる物語。
話が進むにつれ、怪しい世界にハマって行く。
北見重興は6代藩主になりながら、乱心ゆえ26歳にして隠居の身となって
五香苑に移される。
そこに同じころ、移った多紀。
しかし五香苑の人たち(奉公人)の朗らかな雰囲気がいい。
重興がなぜ、乱心することになったのか?
重興に憑依した少年、女性は、どんな経緯で重興に憑いているのか?
色々な謎が下巻で解明されるのかな?
続きを急いで読まなきゃ!
★★★
発行年月:2017年10月
誰も知らない、ゴッホの真実。 天才画家フィンセント・ファン・ゴッホと、商才溢れる日本人画商・林忠正。 二人の出会いが、〈世界を変える一枚〉を生んだ。 1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいる画商の弟・テオの家に転がり込んでいた。兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオ。そんな二人の前に忠正が現れ、大きく運命が動き出すーー。『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の著者による アート小説の最高傑作、誕生!
(幻冬舎HPより)
ゴッホの話。
彼の作品が世に出るまで、こんなドラマがあったのか?
どこまでがフィクションなんだろう?
日本人の林忠正は、画商として実在した人物であろうけど、その弟子のような
存在の加納重吉は、フィクションかな?
でも重吉の存在は、この物語のなかでは重要な人物だった。
ゴッホを支える弟のよき理解者として存在していた。
ゴッホの作品が世に出たのには、弟の存在なくしてはあり得なかったかも。
ラストは、なんだか泣けた。
弟が、どれだけ兄・ゴッホのために尽くしたのか考えたら・・・。
表題の「たゆたえども沈まず」は、パリ市の標語だそう。
良い言葉だな。
ゴッホと日本美術の関わりは、なんだか日本人としては嬉しい話。
近く、ゴッホの映画も公開される予定。
そちらも楽しみ(^^)
★★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;