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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2017年6月


 旅先の美術館で突然再会した一枚の絵。一糸まとわぬ姿で軽やかに階段を下りてくるのは、忽然と姿をくらませた謎の女。40年の時を経て、ほろ苦い記憶が甦る。あの日、もし一緒に逃げることができたならば――。その想いを、物語にして伝える時がやってきた。人生の終局の煌めきを美しく描く、ベストセラー作家の新境地。

                  (新潮クレストBOOK HPより)




これは簡単に言うと四角関係の話かなぁ~?

主人公の「ぼく」はドイツ在住の弁護士で、仕事で訪れたシドニーで1枚の絵を見る。
そこに描かれているのは、階段を下りる裸の女性。
その絵と女性についての40年前の記憶が蘇る。


40年前の出来事と現在がごちゃごちゃして、ちょっと慣れるまでは読みにくかった。
でも、これシュリンクにはよくある手法なので我慢。


絵のモデルの女性は、イレーネ。
40年前、グラトラッハ氏という裕福な男の妻で、画家のシュヴェントに妻の肖像画を
描かせた。
シュヴェント氏とイレーネが恋仲になり、描かれた肖像画の所有権についての争いに
巻き込まれたのが「ぼく」。
そして「ぼく」もイレーネに好意を抱くようになって・・・・・


イレーネっていう女性の魅力がイマイチわからなかったけど、男3人が夢中に
なるのだから魅力的なんでしょうね~。


で、40年後の現在。
イレーネを探す「ぼく」・・・・・名前出てこなかったような。
しかも歳はもう70歳くらい?
丁度、著者・シュリンクと同年代かな?

イレーネは寂しく独りで生活。
しかも余命短い病気。

「ぼく」は、イレーネのそばに最期のときまでいることに。

こんな献身的介護、出来るって凄いな。
それだけ強烈なイレーネに対する想いがずっと持続していたなんて。
3人の男のなかで一番の愛情を注いだってことね~。

ラストはこれまた衝撃的。

訳者あとがきで、実際に影響を受けた絵画の存在が紹介されていた
「エマ。階段を下りる裸婦」・・・・検索してみたら
ああ、なるほど、これは想像力を掻き立てられそうな絵だなと思った。

イレーネの最期も、それを想像させる絵が頭に浮かんだけれど
なんという絵だったかな?
後で検索してみよう。


シュリンクが書く物語は、切ないな(/_;)
これも映像化されたらいいな。

                          ★★★★
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発行年月:2003年12月


 「日本人は大いに誇っていいのです。
昔の日本精神はどこにいったのですか! 」日本を心の故郷と慕う台湾人女性が語る、
かつての立派な日本人像とは。

                 (桜の花出版社HPより)




先に読んだ東野圭吾の「素敵な日本人」とよく似た表題と表紙に目が留まり

図書館で借りて読みました。

著者は1932年(昭和7年)生まれ。
日本が統治していた時代の台湾に生まれ、自身は日本人だと思っていたと
本書のなかでも書いている。
日本語を話し日本の暮らしと同じような暮らしをしていた様子。

日本が統治していたけれど、日本の兵隊さんは優しかったという。

実際、台湾のインフラを整えたり、教育水準を上げたりと国の発展に
大きな成果を出してきた当時の日本。

そして、日本が敗戦により台湾から兵も引き上げ、中国が台湾を統治するように
変わった途端、台湾人たちにとっては、地獄のような日々が続くことになった
という事実はあまり知らなかったので驚いた。

2.28事件についても詳しく知らなかったけれど、とても辛い。
当時の台湾の人たちが、日本統治時代をいい時代だったという意味が
よくわかった。


台湾と日本は良い関係で国としても存在出来たらいいのにな~。

今も素敵な存在で居られるのかな?とふと考えてしまった。



知らなかったことを色々知れた本。


                        ★★★



発行年月:2017年4月


 夢中になってイッキ読み。寝不足必至のサスペンス。
それもいいけれど、読書は、もっと優雅なものでもあるのです。
意外性と機知に富み、四季折々の風物を織り込んだ、極上の九編。
読書の愉楽を、存分にどうぞ。

               (光文社HPより)




さすが、東野さん!

どれも面白かったぁ~(^^)

短編は、ササッと読めていいなぁ~。

最初の<正月の決意>は、夫婦二人で恒例の神社に初詣に出かけた先で、倒れている人を
発見!
それから警察の事情聴取に長い時間、協力するはめになり・・・・

最後の夫婦の会話にビックリしたけど、結果的には良かった♪

最初の話から、「おぉ~」と感嘆!


次の<十年目のバレンタイン>も、10年ぶりに再会した男女の話かと
思ったら・・・・


最初二つが事件を絡ませていたものなので、次も何か起きるのか?と
思って読んだ<子にゃは2人で雛祭り>は、なんだか父親の娘に対する
愛情とか、亡き妻を想う気持ちにウルウル。
温かい話だった。



他の話も驚かされる箇所があって、楽しかった♪
SFチックな<レンタルベビー>とか<サファイアの奇跡>も、良かった!


一番好きなのは、最後の<水晶の数珠>かな?
これもSF絡みだけど、父親の息子を想う気持ちが父親の死後、息子に届いた
というお話。


でもこの表題、なんだかピンと来ない。
どうして、この表題なんだろ???


                            ★★★★



発行年月:2017年6月


 アート小説の旗手として圧倒的人気を誇る原田マハが、自身の作家人生に強い影響を与えた絵画はもちろん、美術史のなかで大きな転換となった絵画を紹介。原田作品ではおなじみの名画も多数掲載!      

                      (集英社HPより)



先ずは、巻頭にあるカラーの26の絵画。
何処かで目にしたことがある作品がずらり並ぶ。

それについて1つずつ、マハさんが解説。
その絵に出会ったときのこと。作品がつくられた時代背景や、画家が作品に
込めた想いなど。

興味深く巻頭の絵を見ながら読みました。

大抵の絵は何処かでみたことあるけれど、2枚目の
作者不明の  秘儀荘「ディオニュソスの秘儀」に惹かれた。
以前、ポンペイの遺跡から発掘された美術品の展示会を見たことあるけれど
この絵、あったかなぁ~?
この絵にある、赤い色がすごく綺麗!


マハさんの絵画に寄せる想いも伝わって来て、今まで読んだ美術関連の小説の元に
なっているんだなぁ~。
そして、これからの作品も期待しています♪


                         ★★★★★



発行年月:2017年11月


 郊外にあるショッピングセンターのシネコンでは、学生やフリーターや主婦たち百人近くが働いている。今日のクリスマス・イブは、日曜日で舞台挨拶やイベント上映もあるから、かなりの人数が出勤しているようだ。恋に悩み、コンプレックスを抱え、将来に不安を感じながら、慌ただしく走りまわるスタッフたちの、長くて短い一日がはじまる。
シネコンでのアルバイト経験ある著者が、自らの青春を詰めこんだ連作短編集。

                      (光文社HPより)



クリスマスイブの日、
シネコンで働く人たちの人間模様あれこれ。
たくさんのスクリーンがあって色々な映画を同時上映しているシネコン。
働くのは大変そうだなぁ~。
それなのに、バイトは時給800円で新人もベテランも一律って
少し前の時代の話??

あ、著者がシネコンバイト経験者だから、その当時のことかな?


物語の主人公とか特別ないけど、舞台になっているシネコン開業当時から
バイトで働いている島田貴実と岡本が軸かな?

二人が遭遇したという5年前の事件というのが最初から気になる。

事件の話は途中、出て来たけれど、そういうこと実際にもありそう。

それを機に、二人の関係がややぎくしゃくしたものになってしまった
そうだけど、最後はハッピーエンドで良かった♪

バイト同士の恋バナより、主婦バイトの宮口さんの話がジーンと来た。
わざわざ、この日にバイトを入れた宮口さんだったけれど、
この後は、楽しいイブを家族で過ごしたんだろうなぁ~(^^)


映画館のお仕事の裏側も知れて、なかなか面白かった!


                        ★★★
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