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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年5月


読めば心が躍り出す。
ほっこり&胸キュン全十篇の物語!
 
SNSの猫
SNSで目にした保護猫に心を鷲づかみにされた主人公。ある日、事件が起きて……。
レンゲ赤いか黄色いか、丸は誰ぞや
祖母を亡くした妻、父を亡くした旦那。二人の会話から見えてきたのは……?
胡瓜と白菜、柚子を一添え
静岡生まれの旦那の実家にて、高知生まれの妻は何を思う?
我らを救い給いしもの
中学の社会の時間にクラスメイトが発したある意見に、主人公は痺れた。
ぷっくりおてて
小学生の夏休みに祖父の家に預けられた主人公の、ほのぼのハッピーな成長譚。
Mr.ブルー
ある家電メーカーで出世街道驀進中の研究所長には、意外な秘密があった。
百万本の赤い薔薇
ある夫婦の、40年にわたる結婚記念日の物語。
清く正しく美しく
エステサロンに勤める主人公。強欲な店長の元で働くことに悩んでいて……。
ゴールデンパイナップル 
祇園祭によさこい祭。祭の復活は、やっぱり嬉しいもので。
恥ずかしくて見れない
ある家電メーカーで働く主人公は、3歳年上の先輩のことが気になっていた。


                     (幻冬舎HPより)




読者から集めた物語の種を小説に・・・・なかなか面白い。

有川さん、宝塚ファンなんだっけ?
そんな話が多かったけれど、特に思い入れがないので、よくわからず
他の話の方が楽しめた(^^ゞ

好きなのは
<レンゲ赤いか黄色いか丸はなんぞや>
99歳の祖母が亡くなり、遺影になる写真を探す。
レンゲ畑のなかの祖母の写真を見つけ、会話が弾み・・・
結局、父も一緒に撮った旅行先での写真に。
そして父も亡くなり、同じ写真の父を遺影に

家族の会話がいい。
亡くなっても、思い出話をこうやって明るい会話をしているのがいいな。

自分の遺影・・・・考えておかないと^m^



<百万本の赤い薔薇>
これは夫婦の話。
結婚記念日1年目の日は、会社の泊りの出張。
主張先で妻へのお土産を選ぶ。
選んだのは、椿の絵の文箱。
薔薇の花と勘違いしていたのだけど・・・・
結婚1年目は紙婚式だから文箱はぴったりと妻は喜んでくれる。

その後も夫婦は結婚記念日に贈りものを考えてプレゼントし合う。
やがて、子どもも2人生まれ成長して結婚40年。
ルビー婚式だけど、ルビーの代わりに薔薇の花束を渡す。


理想的な夫婦!
物語の種として、送った男性の40本のバラの写真も綺麗!


<我らを救い給えしもの>
これも面白かった。
読者の送った<種>がよかったから、こんな物語が生まれたんでしょう。



こういう企画、またやってほしいな。
出来れば宝塚ネタは少な目で・・・(^^ゞ



                      ★★★
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発行年月:2008年4月

誰もがかつて手にしたことのある、国語教科書。
その中から珠玉の名作を、佐藤雅彦が選んでいます。
読書の時間におすすめです。

               (ポプラ社HPより)


とんかつ・・・三浦哲郎
出口入口・・・永井龍男
絵本・・・松下竜一
ある夜・・・広津和郎
少年の夏・・・吉村昭
形・・・菊池寛
良識派・・・阿部公房
父の列車・・・吉村康
竹生島の老僧、水錬のこと・・・古今和歌集
蠅・・・横光利一
ベンチ・・・リヒター 
雛・・・芥川龍之介





短いお話だけれど、どれもよかった。
特に印象的だったのは<絵本>。
著者の名前も知らなかったけれど、感動した。

内容は、病気で余命短いと悟ったFは、自分の親友が結婚し、子どもが
産まれて3歳くらいになったら読める絵本を贈ることを思いつき
父親に何か買って来てと頼み「ももたろう」を父親が買ってくる。
そして、自分の死後、友人に子どもが生まれその子が3歳になったころに
贈ってほしいと頼んで亡くなる。

それを受け取った私。
Fが亡くなって12年。


亡くなった友人・Fの優しさが沁みる。
そして、その父親も亡くなる前に誰かにFとの約束を言い継いでいたんだろうと
思うと、本当に胸が熱くなる。良い話。

著者の松下竜一・・・知らなかった作家さんだけど、他の作品も
是非、読んでみたいと思った。



戦時中のなんとも切ない場面が描かれた
<父の列車>も印象的。
出征している父が輸送列車で近くの駅を通過するという情報を得た母とともに
10歳の僕は1歳の妹をおんぶして母は生後2か月の弟を背中に4歳の妹の
手を繋ぎ、6歳との妹と家族6人で懐中電灯を手に夜の道を急ぐ。
偶然、父の姿を見られ、父もこちらに向かって手紙を投げてよこす。


この先、この父親はたぶん、戦死したんだろうけど、家族皆で
会えた夜のことはずっと心に残るだろう。



<ベンチ>は、ユダヤ人の僕とそのガールフレンド・ヘルガのやり取り。
ユダヤ人は迫害されていた時代。
黄色いベンチ以外に座れない。
ヘルガは緑色のベンチに一緒に座ろうというけれど僕は座れない。
次に黄色いベンチ(ユダヤ人専用と書かれている)のところで
「ここのほうが落ち着いてかけていらっしゃれるの?」と。
ヘルガは次の日曜も一緒にどこかへいこうと言うけれど・・・


ああ、哀しすぎる。



巻末に、どの教科書に載ったのかその年月も記されている。
平成時代の教科書に載ったものが殆どだった。

こういう作品集は他にもあるのかな?と調べたら結構、あるみたい。
また探して読んでみたい。




                    ★★★★★



発行年月:2024年10月


部屋を満たすようにして流している音楽は「まだ完全な恋ではない、でも絶対に、淡いあこがれとか、片思いとかじゃない、なんて言えばいいのだろう、色濃く漂ってくる恋の気配みたいなものを感じさせる主旋律。そのあとに続くのは、春の嵐だ。(本文より)
春の嵐のように自信満々な初恋、友達以上恋人未満の遠距離初恋、球根のように地中深くうめておきたい秘密の初恋、運命の初恋、ひそやかにふくらむ初恋。五粒のチョコレートボックスのような10代の恋のせつなさがつまった五つの物語。
第一話 春の嵐と夏の約束
第二話 秋の竜巻と冬の薔薇
第三話 猫の天気予報
第四話 七つの「好き」の物語
第五話 晴れ、ときどき雪
エピローグーーあとがき、ときどきエッセイ


                    (講談社HPより)




これは、ヤング向けかな?
高校生たちの初々しい恋バナというかんじだったけれど
意外と楽しかった。

<第一話 春の嵐と夏の約束>
ピアニストになりたい高2の江森愛理と同級生で小説家になりたい岩本雄大は
お互いが好意を持っている。
二人は小学校時代からの友人。


<第二話 秋の竜巻と冬の薔薇>
第一話の愛理と雄大の小学校時代からの友人・竹之内春樹と伊藤みなみ。
この二人もお互いが好き。


<第三話 猫の天気予報>
高校2年生の世緒莉は、親友の菜々花がすき。
友達としてではなくそれ以上の感情を持っている。
菜々花はバイト先の男子大学生に恋をしているのを知っている。
それでもそばにいようと思っている。


<第四話 七つの「好き」>
小学生のとき偶然、宝石と鉱物の博物館で知り合い、意気投合して仲良くなった
ジェイク(母親が日本人)と手紙で交流し、お互いの家族も仲良しになっている
愛美。翻訳家になるのが夢で高校の夏休み、アメリカへ語学留学する。
ジェイクの家にホームステイ。



<第五話 晴れ、ときどき雪>
定時制の高校2年生のまりな。
昼間はベイカリーカフェでバイトをしている。
店主の「雪」に憧れているけれど、婚約者のソフィアが店に来る。
ソフィアは素敵な人。
まりなの初恋は失恋に。



うまくいく恋、実らない恋、色々あるけれど、まだ高校生だもんね~。

最後に著者がこの物語を書こうと思った情景が、なんとなく頭にうかぶ。

ササ~ッと読めて、読後感もよく、よかった。




                      ★★★




発行年月:2024年10月


万作・おたま夫婦が継いだ千吉親分の文庫屋が、放火により火事になった――。

 下手人は、台所女中のお染だというが、親分の家でお染に世話になった北一は信じられず、その疑いを晴らすべく奔走する。

 さらに、焼け出された人たちが過ごす仮住まいでも事件が起きていた……。

 そんななか迎えた新しい年。北一は、ある事をきっかけに、三十年近く前に起きた、貸本屋・村田屋治兵衛の妻殺害事件の真相を明らかにしようと決意する。もちろん、湯屋の釜焚きをしている相棒・喜多次の協力は欠かせない。二人は、この難事件を解決することができるのか。

 「ぼんくら」シリーズ(講談社文庫)の人気キャラクター「おでこ」も、二人を助けてくれる存在として登場。

 岡っ引き見習いの北一と、謎多き相棒・喜多次の「きたきた」コンビによる物語で、著者が「作家生活三十五年、集大成のシリーズ」と位置付ける時代ミステリー第三弾!


                    (PHP研究所HPより)


北一、喜多治、おでこが登場のこのシリーズ、毎回楽しい。
扱う事件は深刻なんだけれど、北一が暮らす富勘長屋の人々も明るくて
ほのぼの。


今回は二つの事件

<気の毒ばたらき>は
岡っ引き見習いとして師事してい千吉親分がなくなり、そのあとを
万作・おたま夫婦が継いでいるのだけど、そこが家事で焼失する。
そしてそれは放火によるものだと。
火をつけたのは、北一も良く知る台所しごとを請け負っていた住み込み女中の
お染。
お染は火をつける3日前におたまからお金を盗もうとしていたところを
目撃され、解雇されていた。


お染が世話になった場所に火を放つなんて、ちょっとショック。
その理由も、少し解せないものだった。
・自分の病が重く余命短い。
・奉公にあがるまえ、子どもを産んでいて、養子に出され、成長して
貧しい町医者として働いている。その子のためにお金を渡したい。

そんな理由で火、つけるかな??
ちょっと納得いかないな・・・・。
切羽詰まった精神状態で、やってしまったことなんだろうか?


気の毒ばたらき・・火事で人々が混乱しているのを悪用して「困りごとはないか?」
など気遣うふりをして近づき、盗みをすることらしい。
とんでもない人たちだなと呆れた。



二つめの<化け物屋敷>は
28年前、貸本屋の村田屋治兵衛の妻・おとよ(20歳)が
買い物に出たきり戻らず、10日ほどしてから酷い姿で遺体で見つかった事件。
下手人は捕まっておらず、当時、治兵衛が怪しいのではと疑う者も多かった。
北一は、治兵衛の潔白をなんとかして晴らしたいと奮闘する。


突き止めるために、おでこの知恵も借りる。
喜多治も助太刀に加わる。
北一自身も危ないめに遇いながら、真相を突き止めるのだけど、
下手人は亡くなっていた。

こちらも、そんな理由で?と驚くものだった。
女が憎いからって、関係ない女性ばかりを何人も殺めるとは・・・。
そして、そんな悪人を今も慕っていた犬の彫りものをしている男が
本当に憐れで不気味だった。


重たい話だったけれど、最初から最後まで一気に読んだ。
そして最後の場面で、少し救われた。
お染の息子・菊地順庵と名乗る人物の登場が今後もあるかな?


北一は17歳になっていた。
喜多治に体を鍛えてもらって、もっと逞しくなっていくかな?
今回は、何度か危なかったから、ヒヤヒヤしたけれど


このシリーズまだまだ読みたい。



                      ★★★★★



発行年月:2024年10月


著者23年ぶりの書き下ろし長篇恋愛小説
綾「私は初めて会った16年前から涼さんを愛し続けている」。涼「僕にかかわった者は、みんな死んでしまう。女も男も。僕が綾を愛しすぎているせいで」――
音村綾(旧姓・上里)は30代半ば。現在は信州でペンション経営兼漫画家として活躍。夫・子ども・母と四人で暮している。
祥川涼。画家。40代後半。妻を失い、その後同棲していた女性とも別れ、現在は酒浸りの日々を送っている。
冒頭の「現在」では、綾のコミック発売記念サイン会のシーンの衝撃的事件から始まり、「1年前」「4年前」「8年前」「10年前」「12年前」「14年前」、そして二人が出会った「16年前」へと時をさかのぼり「現在」に戻る。謎とサスペンス、そしてストーカー小説の雰囲気も交えた〈究極の恋愛小説〉である。
この作品は、2001年に刊行された『もう切るわ』以来、23年ぶりの「書き下ろし」長篇


                      (小学館HPより)


冒頭の漫画家・音村綾のサイン会に訪れた祥川涼にいきなり持っていたキャンバスで
殴られる。

そして順番に過去に遡り、綾と涼の関係がわかってくる。
知り合ったのは16年前
綾が長野から美術を学ぶため上京し、アルバイト先のギャラリーで
知り合ったのが画家の涼。
涼は既婚者。
そんな二人がお互いに好意を抱く。

そこまでは、まあそういうこともあるかと思ったけれど・・・
綾は就職先で音村俊一と出会う。
その後、綾は長野の両親の経営するペンションに戻る。

父親が亡くなり、母親を手伝いたいと思ったため。
そして涼のことを忘れたい気持ちもあって。


音村俊一が、綾の元へ訪ねてきて、二人は結婚。
やがて妊娠。
でも、そこに涼が現れる。


う~~ん。
波乱の予感しかない。
訪ねて来たらダメだよ。


涼は綾が忘れられないというけれど、最初の妻が病死したあと
アルコール依存になったのをそばで支えてくれた作家の桜田藍子を
大切にしなきゃだめじゃん。
ホント、最低な男だな・・・嫌悪感↑

それから、夫の音村俊一もちょっと変。

衝撃的な事実もわかって・・・もう二人は一緒に暮らせないだろうな。


ラストは、傷害事件として逮捕された涼に面会したいと出向く綾。
対面前の場面で物語は終わるんだけど、どうなるんだろ?

子どもが居なかったら、涼とやり直すのもありなのか?とも思うけれど
息子の渉くんの存在を今は優先させてほしい。


だめになった僕は、音村俊一と祥川涼のふたり。
そんな風にさせたのは、案外、綾なのかもしれない。
結婚したのなら、涼とは会ったらだめ。
気持ちが残っているのなら、音村とは結婚するべきじゃなかったな~。


と、色々考えちゃう。

物語としては一気読みの面白さはあったけれど・・・




                        ★★★


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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

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