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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年7月

止まらない鮮血、鳴り響くアラーム、飛び交う怒号。手術室は悪夢の戦場と化した! 腹腔鏡手術を受けていた准教授がありえない死を遂げた。教授選をめぐる疑惑、連続するドクターの怪死、異様な血液の謎。「missキシ」「1/2ダンス」の言葉は何を暗示するのか。若き外科医がたどり着いた慟哭の完全犯罪とは

                   (新潮社HPより)





不可解な死を巡る謎。
大病院の教授選による醜い権力争いの末の事件かと途中まで読んでいたけれど・・・
事件の真相は、全然、違うものだったことに驚いた!

最初のプロローグが、こんな真相を結ぶものになっていたなんて!
なんだか哀しい話だったなぁ~。

若き医師・冴木裕也が父親の術中死を追ううちに、辿り着いた真実は
本当にびっくり!
裕也の今後がとても気になる。

裕也の妹・真奈美もこのまま幸せな家庭を築いていって欲しいけれど
波風立つこともありそう。


ここから、ネタバレだけど・・・


プロローグを読んだとき、この母親みたいな病気、なんていうんだっけな?と
心に引っかかりを持ちながら読んでいた。
実際にみたことはないんだけど、授業では習った記憶あって
遺伝でこんな病気が代々、引き継がれて行ってしまうのが自分だったら
人生に絶望しちゃうかも。癌より恐ろしいかもしれないと思った記憶あり。

それがこの物語のキモ。


哀しく切ない話だったけど、読みごたえは十分!


                         ★★★★

 
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発行年月:2018年8月


 
家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員。誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める――。

手を抜いたっていい。休んだっていい。でも、誰もが考えなければいけないこと。
終わりのない「仕事」と戦う人たちをめぐる、優しさと元気にあふれた傑作長編!

                        (発行:講談社)




専業主婦の村上詩穂。

2歳の娘を毎日、一人で世話している。
家事も欠かさず、励みそれでいいとしていたけれど、周りの人たちの反応に
心を乱されることも。


3歳の息子を持つワーキングママの長野礼子。
エリート公務員で妻に代わり、育児休暇を2年間取っている1歳の娘の父親・中谷達也。
と接しながら、自分が彼らの手助けをすることで親交を深めていく。


保育園に子どもを預けず、自分で24時間子どもと接する専業主婦の子育ては
本当にしんどい。
でも同じような境遇の知り合いが出来るとかなり精神的に楽になる。
毎日、公園に子どもを連れていき、そこで出会うママ友の存在は大きい。

志穂の場合、それはパパ友だったけど・・・
そしてそのパパ友・達也からは、ちょっと心乱される発言もあるんだけど
お互いを段々、理解するようになって、
最後は、それを妬んでいた人もすんなり受け入れていく。

詩穂は素敵な女性だと思った。

子育ての大変さを描きながら、それを克服する方法も同時に描いていて
なんだか、心温まるラストになっていた。


子育てをほぼ終えた自分には、子育て中を思い出す内容だったけど、
こういう本は、男性に読んで欲しいかも。


                     ★★★
 

発行年月:2007年7月


一組の男女が迎えた最後の夜。
明らかにされなければならない、ある男の死。そ
れはすべて、あの旅から始まった――。
運命と記憶、愛と葛藤が絡み合う、恩田陸の新たな世界

                (発行:中央公論新社)




奇妙なミステリー。

高橋千浩と藤本千秋。
2人は双生児。アパートの部屋で二人の語りが始まる。

3歳までは一緒に暮らし、その後、千秋は他所に貰われて行き別々に
過ごしたけれど、大学進学後、同じ大学でサークルも一緒だったことで再会。


2人は、一緒に山登りをする。登山ガイドの父親と共に・・・
しかし、父親はその最中、転落死してしまう。

お互いを犯人だと疑っていたと告白し合い、二人とも明確な殺意はなかっと
言いながら、転落死の原因を作ったかもしれないと。


話しながら色々な憶測を交換し、会話から疑問が生じ、新たな真実が判明。
えええ?2人は、いとこ同士だった???


結局、父親の死の真相は分からず仕舞いなのだけど、二人の心理描写が
巧みに表現されて読んでいて飽きない。

結構、前の作品なのに、やはり恩田作品は面白いなと思った。


                    

                      ★★★★




発行年月:2018年3月

諏訪野良太(すわのりょうた)は、純正会医科大学附属病院の研修医。
初期臨床研修で、内科、外科、小児科など、様々な科を回っている。
ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。
その腕には、別れた夫の名前が火傷(ヤケド)で刻まれていた。
離婚して以来、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているという。
しかし良太は、女性の態度に違和感を覚える。
彼女はなぜ、毎月5日に退院できるよう入院するのか……。(「彼女が瞳を閉じる理由」)

初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人や、
循環器内科に入院した我が儘な女優など、
驚くほど個性に満ちた患者たちとその心の謎を、
新米医師、良太はどう解き明かすのか。

「彼」は、人の心を聴ける医師。
こころ震える連作医療ミステリ!
 


                     (角川書店HPより)




主人公の諏訪野良太の誠実な仕事ぶりは好感度大!


でも、ちょっと出来すぎじゃないかなぁ?

現場の研修医を知っているので・・・・^^;


精神科、外科、皮膚科、小児科、循環器内科と研修し、患者と接する。
患者をよく観察して、その人が抱える心の奥に秘めた問題を解決していく。

研修を終えて、どこの科を選ぶか、決めるのだけど、良太ならどこでも
やっていけそうな器用さ。
でもやはり、最後の研修先・循環器内科でのエピソードは感動的で
やはりそこを選ぶよね~というかんじ。


医師の書く、医療現場の小説は、やはり面白いな。
賞を取った、「仮面病棟」、読んだっけ?
後で確認して、読んでなかったら、読んでみよう!



                         ★★★
 



発行年月:2018年5月

世界を繙く事典、探偵譚、他の惑星から来た友人、
思い出深い食堂や音盤、長い置き手紙──虚実の出会う場所を描く美しい物語の数々。

                  (平凡社HPより)



あとがきで著者が書いている。
エッセイでもフィクションでもなく、そのどちらであっても、どちらでもない本。

子供のころ、一人で壁新聞をつくっていたのです。
ひとりでニュース記事を書き、雑文を書いて、コラムを書いて、連載小説を
書きました。


ああ、そういうことをこの本でもやったんだなぁ~と納得した。
そうか、そうか、壁新聞!


話があれこれ飛んで、それでもまた戻ったりして・・・・
付いて行くのがやや大変で、時間を掛けて読みました^^;
でも楽しい~(^^)


一週間がそれぞれ語る話が好きだった!
紅一点は水曜日であとは男性。土曜日はやや女性化・・・・^m^

百科事典の執筆者が綴る、あれこれ。
実際の辞典にはないだろうなぁ~と思いつつ・・・・

特に気に入ったのが<大煎餅>
休憩時間内に食べ切れなかった大煎餅。
意味は・・・時間内に予定していたことが終わらない時に用いる言葉。
例文として・・・「なんという大煎餅なんだ」「まったく大煎餅を食わされている」



あとがきの後に紹介されていた<虹を見なかった日>は、
以前書いた<彼女の冬の読書>の続編として書いたと言われていたけれど
それを読んだ記憶がない。

調べたら・・・<空ばかり見ていた>という本の12編納められた
短篇のひとつらしい。
是非、読んでみたい!φ(..)メモメモ


吉田さんの本は感想が書きにくい^^;
でも、読んでいるとなんとも心地よく楽しい!


                        ★★★★★




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