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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:1985年4月

パリ帰りのユキが経営する高級洋装店で働く隆子。「この店を自分のものにしたい」と憧れ以上の野心を抱き、ユキの再渡仏をチャンスと──デザイナーとして頂点を目指す女たちの闘い

                     (集英社文庫HPより)



有吉作品を続けて読んだ。
これも面白かったぁ~。
時代は今より前だけど、全然、今読んでも古さは感じない。

主人公・清家隆子が洋裁学校から、有名な高級洋装店「オートクチュール・パルファン」の
縫い子としてスカウトされ、一番下っ端の立場から、経営者の松下ユキに
認められ、ユキがパリに行く間の店の一切を任される。

大いに張り切り、映画会社、デパートなどと契約を結び、利益を上げ
パルファンを自分のものにするには、どうしたらいいか?と考えて行動するように
なる。

隆子に近づく、男2人。
ひとりは、ユキの弟・松下信彦。
もう一人はユキの恋人(?)画廊経営者の相島昌平。

信彦からプロポーズをされながらも、自分が店を乗っ取るには邪魔な存在に
なるんじゃないか?と考え、相島にそのことを相談したり
段々と打算的な女になっていく過程が面白い。

そして、最後は・・・・

欲を出し過ぎたかな?

と本人も案外ケロッとしているところが、なんだか爽快だった。

この<<仮縫>>って表題の意味もふか~い。



有吉作品、面白い!!
なんんだかハマりそう^m^


                       ★★★★★



 
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発行年月:1983年3月


《自殺か、他殺か、虚飾の女王、謎の死》――醜聞(スキャンダル)にまみれて謎の死を遂げた美貌の女実業家富小路公子。彼女に関わった二十七人の男女へのインタビューで浮び上がってきたのは、騙された男たちにもそれと気付かれぬ、恐ろしくも奇想天外な女の悪の愉しみ方だった。男社会を逆手にとり、しかも女の魅力を完璧に発揮して男たちを翻弄しながら、豪奢に悪を愉しんだ女の一生を綴る長編小説。

                   (新潮文庫HPより)




面白かったぁ~!


謎の死を遂げた女性実業家・富小路公子。
彼女のことを知る人たち27人のインタビュー記事。

子ども時代は、貧しく八百屋を営む両親の子として育つ。
が・・・本人は友達や恋人に、本当の親は誰かわからないと話している。

息子が二人・義彦と義輝。

2人の子どもの父親は、渡瀬義雄?尾藤輝彦?
子どもの名前が二人の男性の名前と似てる。

渡瀬義雄は、義雄が大学時代にアルバイト先で公子と知り合い、一時期同棲。
尾藤輝彦は、公子が子どもの頃、母親と共に居候していた家の息子。
輝彦は、公子が初恋の人で、公子は兄のように慕っていた。
公子が謎の死を遂げるまで関係が続いていた。

もう一人、宝石店店主の沢山栄次も二人の息子は自分の子だと話している。

同時期に複数の男と密接な関係を持っていたとは、驚き。

悪女なのかなぁ~?これ計算してやっていたとしたら、相当、賢いなぁ~
なんて感心しちゃう。

最後のインタビューで次男の輝彦の言葉が印象的だった。

「ママは悪女なんかじゃない。夢のような一生送った可愛い女だった」


これ、映画化とかドラマ化もされていたんだ!

結構最近、公子役を沢尻エリカで!
ああ、ピッタリ!
ちょっと見てみたいな~。

面白い小説でした!
有吉さんの作品、他のも読んでみよう!


                         ★★★★★


 



発行年月:2017年9月


 汝は何者なり。 2001年6月8日、未曾有の事件は起こった。 大阪府池田市の小学校に刃物を持って侵入した宅間守は 逃げまどう小学一年生と二年生の児童8名を殺害、15名 に重軽傷を負わせた。初公判の日、入廷してきた宅間は 三度口笛を吹いたという。なぜ彼は事件を起こしたのか? 綿密な取材とインタビューで宅間の実像に迫る戦慄の記録! 神はなぜこのような人間を創ったのか? しかしそれにしても彼の非行の軌跡はどう眺めても異形なものだ。/五歳の時、三輪車で国道の真ん中を走り出し大渋滞を引き起こした事件に始まり、以降様々な出来事を起こし周りの耳目を集め、それ以降彼の人生の軌跡をたどると母親が彼を妊娠した時、何故かしきりにこの子供を堕したいと夫に訴えたというのは何への予感だったのだろうか。(本文より) 「人間」という存在の深淵を 追求した戦慄の記録!

                     (幻冬舎HPより)




2001年の事件だったっけ?
犯人は既に刑が執行されているので、この世にはいない。
本人が事件をどうして起こしたのかは謎のまま。

本書でもそれは具体的には、わからなかった。

しかし、宅間守っていう人は、本当に恐ろしい人物だったんだと改めて
驚いた。

5歳の時から世間を驚かす奇行をしていたとは!
それから結婚も4回?5回?
最後は獄中に死刑廃止論を訴える女性と結婚?

複数の仕事をしていたことも驚き。
社会で普通に働いていた人が、こんな事件を繰り返しながら生きていたのかと
思うと、ゾッとした。


臨床心理士のインタビューと弁護士のインタビューは興味深かった。


こういうの読むと死刑制度は、あったほうがいいのかな?と思っちゃう。
本人は早く死刑になりたいと言ってたというから、犯人の希望が
叶ってしまったということ?と複雑な気持ちになるけれど・・・・。


犯人の心理がわかるのか?と期待して読んだけれど、全然
わからなかったので、やや消化不良気味^^;



                            ★★



発行年月:2017年9月


 「エベレスト? 女なんかに登れるもんか」 そんな男の言葉に負けん気を発揮、 女性だけの隊で頂きを目指し、 8848メートルに立った淳子。 山頂から彼女が見たものは――。 直木賞作家が田部井淳子さんをモデルに書き上げた、渾身の長篇小説。 ただ、山が好きで、会社勤めをしながら暇さえあれば山に登っていた淳子。山が好きだということをのぞけば、ごく平凡な女性の淳子が、女性だけの登山隊でヒマラヤを目指すことになる。最初の目標はアンナプルナ。「女なんかに登れるはずがない」という言葉に反発して挑戦したが、初めての海外遠征は資金繰り、寝る暇もない膨大な準備、女性隊員同士の嫉妬、軋轢、分裂と大変なことだらけ。登頂は成功したが、苦い物が残った。複雑な思いでいる淳子に「ねえ、エベレストに行かない?」と声をかけたのは、ともにアンナプルナで苦労した隊長の明子だった。成功すれば、女性として世界初だ。山男である夫の正之に「行くべきだよ」と励まされ、淳子は決意を固める。アンナプルナ以上の困難を乗り越え、8848メートルの頂きに立った淳子の胸に去来したのは……。 好きなこと、やりたいことを見つけて、どんなに苦しくても一歩一歩、足を運べば、必ず夢は叶う。山を愛し、家族を愛し、人生を愛した淳子の生き方が、すべての女性の背中を優しく押してくれる。 直木賞作家・唯川恵が、女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した田部井淳子さんをモデルに書き上げた、感動の長篇小説。

                     (幻冬舎HPより)




田部井淳子さんから、詳しくお話を聞いて書かれたんでしょう。

ご本人が書かれたかのような物語でした。

淳子の子どものころからの山登りに対する想いが描かれていた。

幼なじみの勇太や、大学の寮で知り合った麗香などが大人になっても
大きな影響を与える存在で在り続けた。

危険な山登りで、滑落事故も目撃したり、山登りそのものが過酷だけど
海外遠征の費用を捻出するのも大変そう。

でも、夫の正之との出会いは、淳子にとって一番の支えだったんじゃないかな?
海外遠征にもいつも「行って来い」と背中を押して、
なかなか言えないでしょ?

エベレストに上るかどうか迷っていた時も「行って来い」と言って
ただし、一人で待つのは寂しいから、その前に子どもを産んでくれなんて・・・・
凄すぎ!


女性だけで隊を作る苦労も知った。
登頂って、隊員皆が出来るわけじゃないっていうのも初めて知った!
同じように苦労して途中まで登っても確実に登れると隊長が判断した人しか
行けないんだ。
命かけのことだから言われてみれば当然だけど・・・・。
そこで、また不満や批判が出るって、やはり女性だけの隊の隊長って
精神的にもタフじゃないと務まらないことなんだな~。

これを読んでも山登り全然、したくない、わたしだけど
山登りする人に対しては前より一層、尊敬の気持ちが沸いてきた。


実際に田部井さんの書かれた書もあるようなので、そちらも読んでみたいな。


                         ★★★



発行年月:2017年12月


 経営難で閉校する萌木女学園。私達はその最後の卒業生、のはずだった――。とにかく全員卒業させようと、限界まで下げられたハードルさえクリアできなかった「ワケあり」の私達。温情で半年の猶予を与えられ、敷地の片隅で補習を受けることに。ただし、外出、ネット、面会、全部禁止! これじゃあ、軟禁生活じゃない!

                    (新潮社HPより)



卒業出来ない女子生徒たちの半年間の特別補習。

・綾部桃花・・・心は男の子。
行き難さを感じながらいた中学時代、塾で知り合ったミエちゃん。
彼女が進学したがっていた萌木学園。
そこで今、卒業するための補習を受けることになる。


・有村夕美・・・・突然意識を失う病気(ナルコレプシー)を抱えながらも健気で
明るい。
・梨木朝子・・・入りたくて入ったわけではない大学。寝坊続きで単位足りず
卒業保留。起立性調節障害あり。


・金剛真実・・・小説家希望。夜中も作業し寝不足で授業に遅れたりさぼったりで
単位足りず。桃花の同室。


・細井茉利子・・・拒食症。太ることが恐怖
・小山千帆・・・・過食。肥満。
理事長は、二人にそれぞれ相手の子を健康にする手助けをすることと指令をだす。


・矢島夏鈴・・・休学しようとしたら学校が閉校になると知り、単位取得のため
渋々補習参加。
・喜多川菜々子・・・優等生っぽいのに何故、補習?休学したのは出産のため
だった!


・清水玲奈・・・死にたがっていた。
寮ではなく角野理事長夫妻の部屋で寝起き。



最後の卒業式に1人欠けていると言うと言葉にドキっ!
菜々子がついに??と思ってしまったけれど
無事に全員を卒業させるのは初めてと理事長が挨拶したから無事だったんだと
わかりホッ。

色々な問題を理事長はそのままにしておけなかった。
その理由がわかって、泣けた(:_;)。

良い話だったけど、卒業後、彼女たちがここを離れてからの生活が少し心配。
みんな逞しく生きて欲しいな。


                       ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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