発行年月:2018年6月
市川大輔は取引先の受付嬢である片岡有美に結婚を申し込むべく、意を決して手紙を書いた。指定した時間に待ち合わせの場所に行ったのだが、有美は現れず、たまたまそこに居合わせた同僚の武藤奈々子と食事に行き、なるようになってしまった。一方、手紙を受け取った有美は、指定の時間に待ち合わせ場所に行ったのだが、市川は現れなかった。それもそのはず、有美が手紙を受け取ったのは、15年後のことだったのだ――。(「再会」)
(光文社/発行)
投函した15年後に届けられた手紙を受け取ったら、人はどんな反応をするか?
その様子を観察し、記録する。
これは、どこかの企画?
そんな風に15年経って届く手紙に困惑する人たちを描く話か?と読んでいくと
騙される。
え???
<再会>は、プロポーズの予告みたいな手紙を受けとる女性。
けれど手紙を出した本人も受け取った女性も既に既婚者。
15年もあれから経っているのだから・・・・
これ絶対揉め事になりそう・・・と思って居たらやはり・・・
お互いの配偶者が手紙を読んで・・・・
次の<遺書>は、母親宛に、好きな人の夫を殺して自分はこれから死ぬと書かれた
手紙。
受け取る母親はそれを15年後に受け取る。
ちょうど、息子が行方知れずになったのは15年前。自殺したからだろうか?
ではその相手も亡くなっている?
そんな事件をニュースで見た記憶もないしと息子が殺すと言っていた相手の
安否を確認にいく。
衝撃の事実。
そんなかんじで短編が続く。殆どは手紙によって不幸な事件に発展する。
なかには、15年ぶりに再会出来て良かったねという話<待ち人来ず>
もあったけど・・・
そしてこの企画は当事者たちが、知らない間に起きていて何だか不可解だと
ずっとモヤモヤしていたけれど、そういうことねと納得する事実が
明らかになる。
話のなかに、他の人宛の物を見てしまって利用する者がいるから
ややこしくなっていたけど。
なかなか面白かった!
★★★★
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発行年月:2018年7月
夢を追いつづけている元映写技師の男。母親との確執を解消できないままの看護師。一緒にくらすと決めたあの日から、少しずつ幸せに近づいていく。そう信じながら、ふたりは夫婦になった。貧乏なんて、気にしない、と言えれば――。桜木史上〈最幸〉傑作。この幸福のかたちにふれたとき、涙を流すことすらあなたは忘れるだろう。
(新潮社/発行)
桜木史上<最幸>・・・・^m^
そうそう、桜木さんはいつも幸薄い女性が物語の主人公だからね~。
今回は、ちょっと違った。
凄く幸せという雰囲気じゃないけど、こういう暮らしは幸せなんだろうな~
と読んでいるとしみじみ感じる。
看護師の妻・紗弓と映写技師だけど定職がなく、バイトのような仕事を細々と
している夫・信好。
子どもが居ない。2人暮らし。
信好は一人暮らしの母親の元に週に1度通い、病院への付き添いやら買い物の
付き添いなどをする。
が母親の事が疎ましい。
そんな母親が亡くなる。
なにかと用事を頼む母親なのに、肝心のときに連絡しないなんて・・・と
嘆きながらも母親を疎ましく思って居た自分を反省する信好。
紗弓も実家の母親のことが疎ましい。
表現がきつく、夫のことも何かと悪く言う母には辟易。
しかし、紗弓の父親が素晴らしい人。
大らかで、そんな母親のことを表裏がない人だから一緒にいるのが楽だという。
信好に仕事を紹介して二人で会話する様子も微笑ましい。
紹介されて勤務することになったのは映画評論家の岡田の自宅兼仕事場。
岡田も素敵な人。
独身だったけど、お見合いをして付き合い始めたデパートの宝石売り場の
大村百合とも良い関係を築いていく。
桜木さんのこんな物語もいいな。
うん、こういう物語の方がいいかも。
夫婦って、面白いな~とも思えるし、穏やかに暮らせる時間があれば
それはそれで十分、幸せなんだなぁ~と思えた。
桜木作品のなかで、一番好き!
★★★★★
発行年月:2018年6月
働くママのリアリティあふれる奮闘物語
マーケティング会社で働く多香実は、ふたりの子どもを持つお母さん。仕事と子育ての両立に悩みながらも毎
(角川書店/発行)
米澤多香美39歳。
夫・秀介40歳。
保育園に年子の長女と長男を預け、共働きしている夫婦。
お互いにある程度の役職に就き、忙しく働いている。
保育園の送りは夫。お迎え役は妻と分担を決めてはいるけれど・・・
家事はやはり妻が殆ど抱えることになり、こういう状況では、夫の協力が大事。
苦手なことは得意な方がやった方がいいけれど、相手に対して感謝の気持ちを
キチンと伝えることが凄く大事だなぁ~と。
妻の不満は、夫の感謝の言葉で殆ど、解消するんだと思う。
さ・・・さすが!
し・・・知らなかった!
す・・・すごい!
せ・・・センスある!
そ・・・そうだったのね!
夫には、これで機嫌を取ると教えてくれた多香美の親友は、離婚してしまった
けど、これもいい作戦・・・・^m^
一方、夫側から見た<あいうえおかの夫>も面白かった。
秀介の会社での働きぶりは、なかなか好感が持てる。
会社では色々な人に気遣いしながら立ち振る舞っている。
家くらい、気を遣わずに過ごしたいという気持ちもあるだろうけど
家族の方がより大事なんだから・・・
ま、秀介もその辺には気づいた様子で、ホッ。
あ・・・ありがとう
い・・・いえないけど
う・・・うんこ(こどもが言ったことば)
え・・・えんぴつ(こどもが言ったことば)
お・・・おおいに
か・・・かんしゃ
★★★
(角川書店/発行)
米澤多香美39歳。
夫・秀介40歳。
保育園に年子の長女と長男を預け、共働きしている夫婦。
お互いにある程度の役職に就き、忙しく働いている。
保育園の送りは夫。お迎え役は妻と分担を決めてはいるけれど・・・
家事はやはり妻が殆ど抱えることになり、こういう状況では、夫の協力が大事。
苦手なことは得意な方がやった方がいいけれど、相手に対して感謝の気持ちを
キチンと伝えることが凄く大事だなぁ~と。
妻の不満は、夫の感謝の言葉で殆ど、解消するんだと思う。
さ・・・さすが!
し・・・知らなかった!
す・・・すごい!
せ・・・センスある!
そ・・・そうだったのね!
夫には、これで機嫌を取ると教えてくれた多香美の親友は、離婚してしまった
けど、これもいい作戦・・・・^m^
一方、夫側から見た<あいうえおかの夫>も面白かった。
秀介の会社での働きぶりは、なかなか好感が持てる。
会社では色々な人に気遣いしながら立ち振る舞っている。
家くらい、気を遣わずに過ごしたいという気持ちもあるだろうけど
家族の方がより大事なんだから・・・
ま、秀介もその辺には気づいた様子で、ホッ。
あ・・・ありがとう
い・・・いえないけど
う・・・うんこ(こどもが言ったことば)
え・・・えんぴつ(こどもが言ったことば)
お・・・おおいに
か・・・かんしゃ
★★★
発行年月:2018年9月
知人を訪ねただけなのに……
最悪の五日間の幕が開く! 遺体の第一発見者となりながら逃げ出した中年男。 その様子を目撃、男を脅迫し始める男子高校生。 だが、あったはずの遺体が消えて…… 著者渾身の本格長編ミステリー! 鶴川佑作(つるかわゆうさく)は横須賀(よこすか)のマンションに住む、独身の五十四歳。借りた雑誌を返すため、同じ階の住人・串本(くしもと)を訪ねた。だが、インターフォンを押しても返事がなく、鍵(かぎ)もかかっていない。心配になり家に上がると、来客があった痕跡を残して串本が事切れていた。翌日いっぱいまで遺体が発見されては困る事情を抱える佑作は、通報もせずに逃げ出すが、その様子を佐々木紘人(ささきひろと)と名乗る高校生に撮影され、脅迫を受けることに。翌朝、考えを改め、通報する覚悟を決めた佑作が紘人とともに部屋を訪れると、今度は遺体が消えていた…… (発行/祥伝社) マンション内で親しくしていた串本の部屋を訪れて、そこで 亡くなっている串本を発見してしまう鶴川祐作(54歳)。 すぐに通報しないで去る行動は、あり得ないと思うなぁ~^^; でもそれをしないと物語が進んでいかないので仕方ない。 逃げ去る姿を目撃し動画に撮る高校生・佐々木紘人。 2人は、お互いのことを話し、串本さんの死の真相を追うことに。 小学2年生の女の子が行方不明になっていること、串本が小学校で色々な子に声を掛けたり、写真を撮ったりしていたことがわかり串本に対する周囲の不信感、払拭のためにも2人は絶対に真実を突き止めようとする。 そして、わかる真実。 ああ、二人が信じていた串本が良い人で良かった! 無職の鶴川、学校での人間関係に悩み不登校だった紘人。 2人がこれを機に自分の生活を変えようと前に進み始めた姿も ホッとした。 面白かった! ★★★★ |
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
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