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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2018年1月

彼/彼女らの人生は重なり、つながる。
隠された“因果律(めぐりあわせ)”の鍵を握るのは、一体誰なのか──

遺影専門の写真館「鏡影館」がある街を舞台にした、朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む長編小説。読み進めるごとに出来事の〈意味〉が反転しながらつながっていき、数十年の歳月が流れていく──。道尾秀介にしか描けない世界観の傑作ミステリー。
ささいな嘘が、女子高校生と若き漁師の運命を変える――心中花
まめ&でっかち、小学5年生の2人が遭遇した“事件”――口笛鳥
死を前にして、老女は自らの“罪”を打ち明ける――無常風
各章の登場人物たちが、意外なかたちで集う――待宵月

                       (朝日新聞出版HPより)



4つの章から成る物語。
別の話のようで、それぞれに登場する人物たちが後に繋がりがあった人たちだと
わかるしかけ。


最初の話で、癌で余命わずかと知れている藤沢奈津実は、娘の歩美(15歳)と
高校2年まで住んでいた街の写真館を訪れる。

そこは、遺影を撮影してくれるという写真館で、店内に飾られているのは
亡くなった人が以前、そこで写真を撮った人たち。
故人の身内からの報せを受けて、そこに飾る。

そんな写真のなかから、奈津実はある人物の写真を見つける。

そして、奈津実の高校時代の話へ。


その後の話も奈津実が高校生だった時代とほぼ同じ。
背景に起こった事件が共通している。


第三章では少し時が経ち、小学生だった、まめとでっかちも成人している。
歩美も看護師として働いている。
母親の奈津実は他界し、その母親と交際していた崎村源人の子ども源哉も
高校生になっている。
母親が亡くなる前(7年前)、実は源哉は奈津実と歩美に会っていた。


人の縁って不思議だな。
辛くて哀しいことがあっても、なんとか生きていれば、こうして
次の代(子どもや孫)が、幸せな日々を送っていることに繋がっていく。

辛かった出来事も実は別の事実があったりもする。


全ての繋がりがわかった今、また再読してみたい!


                         ★★★★★
 
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発行年月:2018年4月

小国ナスミ、享年43。
息をひきとった瞬間から、彼女の言葉と存在は、湖に落ちた雫の波紋のように、
家族や友人、知人へと広がっていく――。
命のまばゆいきらめきを描く感動と祝福の物語!

                 (河出書房新社HPより)



ドラマ『富士ファミリー』を見たので、ナスミ=小泉今日子のイメージで
読んだ。

ちなみに他のドラマでの配役は
長女、鷹子=薬師丸ひろこ
三女、月見=ミムラ
笑子ばあちゃん=片桐はいり

なすみの夫・日出男の再婚相手・愛子も登場。
愛子にもちゃんと、なすみは影響を与えて逝ったんだな~。
その子ども光が小説の最後には40歳か~

43歳で亡くなった、ナスミはその年のまま、皆の記憶に鮮明に残っている。
なんだか羨ましい。

こんな風にいつまでも自分の言ったこととか、やったことを思い出して
貰える生き方したいな~と思った。

素敵な物語!

ドラマもまた続編、やってくれないかなぁ~。


                        ★★★★★



発行年月:2018年3月

映画化(2018.5.12公開)「孤狼の血」シリーズ続編! 警察vsヤクザの意地と誇りを賭けた、狂熱の物語。 捜査のためなら、俺は外道にでもなる。

仇がどこであろうと、殺って殺ってやりまくったる。所轄署から田舎の駐在所に異動となった日岡秀一は、穏 仇がどこであろうと、殺って殺ってやりまくったる。

所轄署から田舎の駐在所に異動となった日岡秀一は、穏やかな毎日に虚しさを感じていた。そんななか、懇意のヤクザから建設会社の社長だと紹介された男が、敵対する組長を暗殺して指名手配中の国光寛郎だと確信する。彼の身柄を拘束すれば、刑事として現場に戻れるかもしれない。日岡が目論むなか、国光は自分が手配犯であることを認め「もう少し時間がほしい」と直訴した。男気あふれる国光と接するにつれて、日岡のなかに思いもよらない考えが浮かんでいく……。
 


                  (KADOKAWA HPより)



「孤狼の血」では信頼していた大上を喪った。
僻地の駐在所勤務になり、地域住民とも交流を持ちながら穏やかな生活・・・
なわけはなく・・・・そこに現れたのは、指名手配犯の心和会会長の国光寛郎。
対立する明石組組長暗殺の首謀者。


しかし、日岡とはお互い、心に通じるものを感じる。
「もう少し時間がほしい」という国光の願いを受け入れる。

ヤクザなんだけど、国光の律義で男気溢れる振る舞いは恰好良い。
自分の周りの者たちへも常に気遣いをしている。

国立大卒で、頭も切れて人としても魅力的な男が何故、ヤクザの世界に居るのか??
もう少し、詳しく知りたかったなぁ~。

約束を守って、日岡に手錠を掛けさせる仕掛けも素晴らしい!
でも最期は。。。。。
やはり恨みを買う立場には、こういう最期が待っていたかというかんじ。
塀の中でも生きていて、これからの日岡を支えて欲しかったんだけどなぁ~。


大上を喪い、国光を喪い、また孤独に戻った日岡。
色恋沙汰でもあればいいんだけど、こういう仕事じゃそういうのは
難しいかな?^^;


「孤狼の血」は映画化されたけど、日岡が松坂桃李っていうのは、ちょっと
ピンと来ないなぁ~。
大上が役所広司はピッタリな感じだけど・・・。


駐在所勤務から捜査課に戻った日岡の姿、また読みたい!


                         ★★★★

 



発行年月:2017年9月

明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。

                       (講談社HPより)




宮澤賢治、知らない人はいないと思う人物だけど、その父親目線とは

面白い!

生まれた時から、病で亡くなるまで、本当に息子のことを愛おしく思っていたことが
伝ってきた。
家は、結構、裕福だったんですね~。
勝手に貧乏な農家の息子というイメージでしたが・・・・^^;

賢治は長男で、下に妹2人と末っ子は弟。
すぐ下の妹・トシとの関係が一番、濃厚だったかな?
同じように、文才があって、共通するものが多かった兄と妹。

でも、妹が先に結核で亡くなり、賢治もその後、同じ病でこの世を去る。


父親の政次郎にしたら、可愛い子どもを二人も亡くし辛かっただろうな。


勝手に抱いていた宮澤賢治のイメージと違っていたのは、幼いころは
結構、やんちゃだったこと。
大人になっても親のスネを結構、かじっていたこと。
 家が裕福で、父親の政次郎に甘えていた部分も多かったんでしょう。
そんな長男の賢治を父親はいつも心配しながら支え続けた。


賢治が童話を書くことに専念するのは、生涯の結構、終盤だったんだな。
存命のうちに、もっと高い評価が受けられたら良かったのに・・・。


読みやすい文章で、面白かった!
もっと他の書も読みたい!


                        ★★★★★




発行年月:2018年5月


 
明治末、13歳の清作は徴兵から逃れ故郷を飛びだす。
一方、清作を曾祖父にもつ現代の女子大生・あさひは、教師を目指し猛勉強中だった…。
時代をへだてたふたりの希望の光が、小さく輝きはじめる。      

                 (集英社HPより)



読み応えあって良かった!!

主人公の馬橋清作は、13歳の時、日露戦争から帰還した父親が変わり果てた
姿であったことと、そのあとすぐ亡くなったのを見て、自分は同じようになり
たくないと徴兵逃れのため出奔する。

手助けをしてくれた町の有力者の息子・浅間幸三郎の手助けによって。
幸三郎は、その後の人生でも大きな支えとなる。


物語は、清作の曾孫(母親のおじいちゃん)にあたる、あさひの日常も語る。
小学校の教師として働く、あさひ。
学校にいる在日朝鮮人の子どもの事、婚約者の姉が在日コリアンと婚約したなど
人種差別的偏見についても考える。

清作は、鍛冶職人として腕を認められるようになるが、兄の追求から
逃れるため、居場所を転々とする。

そして、幸三郎の助けで、川崎市の朝鮮人町に身を寄せる。
そこで知り合った朝鮮人の女性・香里と恋仲になるが不幸な出来事に
より亡くなってしまう。

清作の生き様が凄い。
色々な困難から逃れ、生き延びたから、喜美代と出会い、あさひが
やがて生まれることになる。


生き延びることを優先した清作の13歳の決断は間違っていなかった!

良い物語だったな~


                        ★★★★★

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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