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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2018年6月

日常には、空洞になっているものがある。
頭の片隅では意識しているのに、はっきりとは言葉にしないもの。
偏見や差別、女性の年齢や容姿、金銭状況、家庭の事情、セックス。
安易に触れてしまうとヤバいもの。
ヤバいけれど、ヤバいだけあって、みんな本当は興味津々ーー。
(本文より)

セックス、結婚、プライド、老い…。

話題にしにく、でも最大の関心事。
その正しい姿をモチーフに描かれた、覗き見したい六つの物語。

「温室の友情」
「海辺の先生」
「偽物のセックス」
「幸福な離婚」
「桃のプライド」
「描かれた若さ」

                     (文藝春秋HPより)




最初の話に出て来る 遼子、環、麻美、恵奈は、「桃のプライド」にも

続く。
大学までエスカレーター式の私立の中等部で出会った4人のことが描かれている。
大人になった4人の中で、結婚して、子どもを産んだのは麻美だけ。
その麻美の家庭のことは、「偽物のセックス」で夫が主人公になって明かされる。

遼子は、アパレル会社
恵奈は化粧品会社で、バリバリ働いている。
環は、やや人気が低迷してきたが女優。
「桃のプライド」では、環の心情が吐露されている。


「海辺の先生」と「幸福な離婚」は、なんだか穏やかな話で良かった。
最後の話は、ちょっと読後感よくない。

まあ、でも面白かった。


正しい女たちとは言っても、中には、「それは違うんじゃないかなぁ~?」と
思う行動もあったけど、自分の正しいと思うことに忠実に行動した
女たちのお話と言う事でしょうか?


                         ★★★
 

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発行年月:2018年5月


 「ごめんね」も、「ありがとう」も。時に音楽は、言葉以上に「想い」を伝えます--。 心の音楽が聴こえるという店主が、その不思議な力で、傷ついた人の心にやさしい魔法をかける。 号泣必至、幸せ運ぶ物語。 北の町の小さなオルゴール店では、風変わりな主人が、“お客さんの心に流れる音楽"をオルゴールに仕立ててくれます。 耳の聞こえない少年。 音楽の夢をあきらめたバンド少女。 不仲だった父の法事で帰郷した男性。 長年連れ添った妻が倒れ、途方に暮れる老人。 彼らの心には、どんな音楽が流れているのでしょうかーー。 --「ごめんね」も、「ありがとう」も。時に音楽は、言葉以上に、「想い」を伝えます。 “音が聞こえすぎる"店主が、あなたが言葉にできず胸にしまっていた想いを“音楽"にして、小さな箱(オルゴール)に詰めてくれます。その音を聴いた瞬間、胸いっぱいにやさしい思いが広がるのです

                     (幻冬舎HPより)




素敵な短編集でした。

オルゴール店に訪れる人たちは、心に少し影がある。
そんな人たちの心のなかに流れる音が聞ける店主が作る、その人のためだけの
オルゴール。

一番最初の話が好き。
聴力障害の子どもと一緒に店内に入った母親。
オルゴールの音楽は聞こえないけれど、機械の動きに興味を持った息子を
優しく見守る。
そこに店主の声掛け。
息子のためにオルゴールをくださいと言ったお母さんは素敵なお母さんだな~。
注文したオルゴールを後日、受け取りに再び来店。
オルゴールから流れた音楽は、子守唄。

うぅ~じ~~んと来る(/_;)。

他の話も素敵でした。

北の町から移転したというオルゴール店。
また別の場所で素敵なオルゴール作るんでしょうね。
その話もまた書いて欲しいなぁ~。


表題のありえないほどうるさいは、店主自身の特殊な聴力のことだったんだな。
そうすると静かな田舎にしか住めないな。


                       ★★★★



発行年月:2018年6月


 2018年本屋大賞受賞後第一作! 美術教師の美穂には、有名人になった教え子がいる。彼の名は高輪佑。国民的アイドルグループの一員だ。しかし、美穂が覚えている小学校時代の彼は、おとなしくて地味な生徒だった――ある特別な思い出を除いて。今日、TV番組の収録で佑が美穂の働く小学校を訪れる。久しぶりの再会が彼女にもたらすものとは。

                     (講談社HPより)


深く傷つけるとは思わず、やった言動が、人を傷つけていたとわかった
瞬間の居たたまれさを描いたお話を集めたもの?

<ナベちゃんのヨメ>
大学時代のコーラス部の同期、渡辺佳哉が結婚するという。
仲間の話では、その相手がやばい相手らしい。

ナベちゃんは、異性を感じさせない良い人だった。
女子が多いコーラス部内では、ナベちゃんのお人よしを利用することは
あっても異性として付き合う者はいなかった。


<パッとしない子>
5人組アイドルグループの一人の小学生時代、知っている教師。
番組の企画で母校訪問。
小学生時代は、パッとしない子の印象だったが、今では美形アイドルとして人気者。
そして再会した彼から言われた言葉は「先生のことは家族全員が嫌い」


<ママ、はは>
親友の引っ越しの手伝いに行き、出て来た成人式の写真を見ながら聞く
母親の話。
その最中、かかって来た彼女の母親の電話。
聞いていた話と、その電話で話す彼女の母親に対する態度が噛み合わない。


<早穂とゆかり>
県内情報誌のライターをしている早穂。
塾経営をしていて最近、メディアでも取り上げられ有名人になっている
ゆかりをインタビューすることに。
彼女とは、小学校時代同じクラスだったことがある。
その時の彼女は、大人しいイタイ少女の印象。

再会した彼女は昔の面影はなく自信に溢れた輝かしいオーラ。

そして彼女の言葉に唖然とさせられることに。



ちょっとは身に覚えがあるけれど、そこまで覚えていない自分の言動。
それが、誰かを深く傷つけていたとわかってしまったら・・・・
こわいなぁ~。
そんなお話。

後味悪いけど、楽しめた。

表題と表紙の絵は、本の内容にピッタリ!




                         ★★★



発行年月:2018年5月


 

最高に甘美で残酷な女子大河小説の最高峰。三浦しをん、小説最新作。

横浜で、ミッション系のお嬢様学校に通う、野々原茜(のの)と牧田はな。庶民的な家庭で育ち、頭脳明晰、 横浜で、ミッション系のお嬢様学校に通う、野々原茜(のの)と牧田はな。
庶民的な家庭で育ち、頭脳明晰、クールで毒舌なののと、
外交官の家に生まれ、天真爛漫で甘え上手のはな。
二人はなぜか気が合い、かけがえのない親友同士となる。
しかし、ののには秘密があった。いつしかはなに抱いた、友情以上の気持ち。
それを強烈に自覚し、ののは玉砕覚悟ではなに告白する。
不器用にはじまった、密やかな恋。
けれどある裏切りによって、少女たちの楽園は、音を立てて崩れはじめ……。

運命の恋を経て、少女たちは大人になる。
女子の生き方を描いた傑作小説。


                   (角川書店HPより)



2人の少女、野々原茜(のの)と牧田はな。
親友が恋人になっていく過程は、ドキドキした。
こんな風に女の子同士の恋って始まるのかぁ~。

でもちょっとした好奇心で起こした、茜の行動から二人の関係が一時は崩れそうに
なる。
けれど、再び2人はそれぞれをかけがいのない存在だと認め合う。

2人は大学進学で別々の道へ。
それでも文通は続き、第三章の2010年からはメールでのやり取りに。

はなは、外交官夫人として夫の赴任先、アフリカに住み
ののは、ライターとして日本を飛び回り、独身生活。オス猫と暮らす。


そして、日本では3.11が起きる。
取材で、宮城県に居た、ののは、震災の恐怖を肌で感じる。
同じころ、はなの暮らすゾンダ共和国内では、内戦が再び勃発する気配が
日に日に濃くなる状況。

それぞれが違う場所で、恐怖と不安の日々を過ごす。
ののは、はなの様子が気になり、メールを送るが返事が来ない日が続き
一層、不安が募る。


物語の終わりまで、はなの通信は途絶えたまま。
どうなったんだろ?

大きな決断をして帰国することを選ばなかった、はな。

また、いつか、ののはな通信が再開することを祈ります。


読み始めは、同性愛の話?と思いましたが、それだけで終わらせないのが
しをんさん!
読み応えあって素晴らしかった!



                           ★★★★★



発行年月:2018年6月


 こういう話をしてるとさ、どんな気持ちでも生きていけるんじゃないかって思うよね」。
サッカー22チームの22人のファンたちは、それぞれの思いを抱いて2部リーグ最後の試合の「その日」に向かう。職場の人間関係に悩む会社員、別々のチームを応援することになった家族、憧れの先輩に近づきたい男子高生、十数年ぶりに再会した祖母と孫など、普通の人々のかけがえのない喜びを、サッカーを通して鮮やかに描き出す連作短編集。
装画:内巻敦子 

 <目次予定>
第1話 三鷹を取り戻す/第2話 若松家ダービー/第3話 えりちゃんの復活/第4話 権現様の弟、旅に出る/第5話 眼鏡の町の漂着/第6話 篠村兄弟の恩寵/第7話 龍宮の友達/第8話 また夜が明けるまで/第9話 おばあちゃんの好きな選手/第10話 唱和する芝生/第11話 海が輝いている/エピローグ――昇格プレーオフ※単行本書き下ろし版

 <本書に登場する架空の22チーム>
オスプレイ嵐山、CA富士山、泉大津ディアブロ、琵琶湖トルメンタス、三鷹ロスゲレロス、ネプタドーレ弘前、鯖江アザレアSC、倉敷FC、奈良FC、伊勢志摩ユナイテッド、熱海龍宮クラブ、白馬FC、遠野FC、ヴェーレ浜松、姫路FC、モルゲン土佐、松江04、松戸アデランテロ、川越シティ、桜島ヴァルカン、アドミラル呉、カングレーホ大林

                    (朝日新聞出版HPより)



楽しかった!
Jリーグファンなら間違いなく楽しめる!

これを書くために2年間、日本全国のスタジアムに足を運んで取材したとか。
凄いなぁ~。

架空のチームだけれど、地元のヴェーレ浜松の物語には
ジュビロ磐田のJ2降格、J1昇格失敗に泣いた、悔しい試合の話など
実際の試合のエピソードが盛り込まれていた。

たぶん、他のチームの取材して同じような実際にあったことを盛り込んで
いるんだと思う。


サポータのあるべき姿も示してくれた気がする。

どんなに負けても、次は勝ってくれると期待し続けるのがサポーター。
選手が懸命にやったなら労いの言葉、不甲斐ない試合内容にはブーイング。
相手チームとサポーターにも常に敬意を。


ホームでの観戦しかしたことないけれど、アウェイの地に観光を兼ねながら
応援に行くのも楽しそうだなぁ~。


                     ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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