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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年9月


葬儀店のひとり娘に産まれた森野、そして文房具店の息子である神田。同じ商店街で幼馴染みとしてふたりは育った。中学三年のとき、森野が教師に怪我を負わせて学校に来なくなった。事件の真相はどうだったのか。ふたりと関わった人たちの眼差しを通じて、次第に明らかになる。ふたりの間に流れた時間、共有した想い出、すれ違った思い……。大切な記憶と素敵な未来を優しく包みこんだ珠玉の連作集。
ACT.1 言えない言葉 ~the words in a capsule
ACT.2 君といた ~stand by you
ACT.3 サークル ~a circle
ACT.4 風の名残 ~a ghost writer
ACT.5 時をつなぐ ~memory

                   (集英社文庫HPより)



「MOMENT」と「WILL]の続編が出ているのを最近知った。
ふたつの作品は、もう随分前だったので、細かいことは忘れている。

これは、二人に、ぞれぞれ関わった人たちが語る短篇連作集。
読みながら、色々と思い出した。
森野と神田、それぞれは、離れてしまっても、きっと一番お互いを理解し合える
唯一無二の存在なんだろうと。


森野が、なぜ、教師にけがを負わせたか、そのあと、学校に行かなくなったのかも
その時、すぐ近くで状況を見ていた者の話で、納得した。
森野、よく耐えたな・・・・。
森野の行動を100%、支持する!

神田は、遠くからきっと森野のことを見守っていたんだろうな・・・・


最後の最後、二人がちゃんと結ばれて幸せそうな様子が想像できて
本当に良かった。


また3冊をいつか、続けて読みたい。


                      ★★★★★
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発行年月:2019年3月


情が絡むと、かくも人の世は面倒だ
『涅槃の雪』『まるまるの毬』『ごんたくれ』
時代小説の傑作を手掛けた著者が本領発揮!
人生の上がりだと思っていた隠居生活が、まさか「第二の双六」の始まりだったとは……
これぞ笑って胸に沁みる時代小説!
「いいなあこれ。私、すっかり気に入ってしまった。
(中略)この小説が素晴らしいのは、その理想の老後の風景の奥に、
いちばん大事なことを描いていることだ。」(「本の旅人」2019年4月号より)
                                    ――北上次郎氏
巣鴨で六代続く糸問屋の嶋屋。店主の徳兵衛は、三十三年の働きに終止符を打ち、還暦を機に隠居生活に入った。人生を双六にたとえれば、隠居は「上がり」のようなもの。だがそのはずが、孫の千代太が隠居家に訪れたことで、予想外に忙しい日々が始まった! 千代太が連れてくる数々の「厄介事」に、徳兵衛はてんてこまいの日々を送るが、思いのほか充実している自分を発見する……。果たして「第二の双六」の上がりとは?


                     (角川書店HPより)



隠居のために借りた家に孫の千代太(8歳)が連れて来たのは、身なりも汚い貧しい
勘七(9歳)と妹のなつ(5歳)。
千代太は友達だといい、祖父の徳兵衛は嫌々ながら、招き入れ食事を与える。

その後も色々な人が徳兵衛の元へ。

千代太の純粋なこころがいい。
困っているなら助けたいと思う心で相手に接する。
そんな気持ちが通じて、千代太の元へそして隠居の身である徳兵衛の元へ
人が集まる。


隠居生活に入っても、色々な悩み事が生じ、奔走する徳兵衛もまた
商売をしていたころの性格とは違ったものが出て来て
人としては魅力が増していっているのが読んでいて楽しかった。

人生2度目のすごろく、幸せなあがりでしたね・・・^m^


物語の最後は、徳兵衛が亡くなった後の話。
「え?これ続編でてるのに???」と思って先に読んだ家人に聞くと
また別の話として徳兵衛の隠居生活のことが語られるのだと。
なるほど・・・・。



                      ★★★★







発行年月:2024年5月


迷うのも変えるのも、生き物ががんばって暮らしているから起こる、
素敵なことです――。
外敵に襲われ逃げ出したところを、茂さんに助けられたチャボの桜。
茂さんは、仕事も人間関係もうまくいかず調子を崩して、
東京の下町の商店街でジイチャンが営む金物店の二階に居候している。
ある日、茂さんを外へ連れ出してくれる相手を探しに出かけた桜は、
さまざまな出会いを引き寄せることに――。
本邦初! キュートでユーモラスなチャボ小説。


                (ポプラ社HPより)



主人公は、チャボの桜。
ヒヨコのとき、劣悪な環境の小屋で育ち、仲間たちからはつつかれ
ていた桜。
ある日、襲って来た猫から必死で逃げようとしているところを
助けてくれたのが、川平茂。
茂が、子ども向け教材を作る会社の営業をしていたけれど人と話すのが
苦手で精神的に追い詰められ、会社を辞めていた。

傷ついた者同士、お互いが癒しの存在になっているのかな?


茂が通院している朝日町診療所(内科、小児科、心療内科、精神科)にも
付いていく桜。
診療所にいるセキセイインコの師匠と会話する桜。
師匠の元には、他の小鳥たちも外から会話している。

鳥目線で語られる話は愉快だった。

茂が身を寄せているのは、祖父母の営む金物屋。
茂も手伝いをしながら、自身でなんでも屋のような仕事を引き受け
引きこもり生活から、少しずつ抜け出していく。
誰かに自分の存在が必要にされているっていいこと。


この先はどうなるんだろ?と少し気になるけれど、ここまでは
ほのぼのとした物語だった。




                  ★★★




発行年月:2022年2月


ノーラはその日人生のどん底にいた。飼っていた猫を亡くし、仕事をクビになり、
いくら悲しくても話を聞いてくれる家族も友人もいない。
頭をめぐるのは後悔ばかり。
「私がもっといい飼い主だったら」
「両親にも亡くなる前にもっと親孝行ができていたら」
「恋人と別れなければよかった」
「故郷に戻らなければよかった」
生きている意味などもうないと、ノーラは衝動的に自らの命を絶とうとする。
だが目覚めたとき、目の前には不思議な図書館が佇んでいた――。
英米Amazonで驚異の20万レビュー超え。
『In the SOOP』でRMやV、JINをはじめとするメンバーが
こぞって読んだことでも話題の、
今こそ読みたい、優しさに満ちた世界的ベストセラー小説


                (ハーパーコリンズ・ジャパンHPより)


図書館棚の上にお薦めとして置いてあったので読んでみた。

訳が浅倉さんというのも惹かれて・・・

主人公のノーラ(35歳)は、
・恋人のダンとの結婚を式の2日前に自ら取りやめた。
・仕事をクビになる
・バンドメンバーから抜けたことで一緒にやって来た兄との関係も壊れる
・ピアノのレッスンを受け持っている少年・レオのレッスンをすっかり
忘れたため、その母親に批難されレオ自身はピアノをもうやめたいと言っていると
・隣人の老人・パナジーさんから今まで薬を代わりに届けてもらっていたけれど
その必要がなくなったと言われる

そして・・・・可愛がっていた猫が道路脇で亡くなっていると友人の
アッシュ(外科医)が家を訪ねてきて教えてくれる


ノーラにとって、悪いことばかりが、重なり、自分はもう誰にも必要と
されていない。明日など迎えたいと思わないと「死」を考える。


そして、気づくと図書館に。
そこには、高校時代、図書館にいた司書・エルム夫人がいる。
よく一緒にチェスをした。
そしてエルム夫人が、説明する。

生と死の狭間には図書館があり、かつてあなたが違った選択をした人生が
この書架に並べられているのだと。

そして、ノーラは、かつて自分が選ばなかった人生を体験していく

・猫のヴォルテールがずっと家の中で飼われていた人生を
・・・・・けれど、ヴォルテールは家のなかで死んでいる。

・友人のイジーに誘われたのに一緒に行かなかったオーストラリアに
自分も行っていた人生を・・・しかし、そこでイジーは事故死。

ほかにも沢山の違った選択を生きるのだけど。。。。。

結局、どんな選択をしても後悔することにはなる。

エルム夫人が言う
人生を理解する必要なんてない。ただ生きればいいだけ


自分が今、生きている環境のなかで生き続けることが大事ということか?


なかなか、深い話。

でも、最後は、死にたいと言っていたノーラが、わたしは、まだ生きたい!と
強く思えるようになって、良かった。


浅倉さんの訳は、やはり読みやすかった♪


                  ★★★★



発行年月:2021年9月


大切な人が殺された時、あなたは何を望みますか――。
警察専門のカウンセラー・唯子(ゆいこ)の仕事は、事件被害者やその家族のケアをすることだ。
夫を殺されたのに自分こそ罰を受けるべきだという妻。
誘拐犯をかばい嘘の証言をする少女。
傷から快復したはずなのに、姉を殺した加害者に復讐した少年……
多くを語らないクライエントが抱える痛みと謎を解決するため、唯子は奔走する。
絶望の淵で、人は誰を想い、何を願うのか。そして長い沈黙の後に訪れる、小さいけれど確かな希望――。
80万部突破「MOMENT」シリーズ、『dele』の著者が贈る、深く胸に響く物語。

                   (集英社HPより)





久しぶりに本多さんの書を図書館で見つけて手に取った。


やはり、読みやすく心に響く内容。

臨床心理士の女性・高階唯子が、警察からの依頼で犯罪の被害者家族をカウンセリング
している。
普段は大学に席を置き、このカウンセリングは安曇教授が紹介してくれたという。

唯子の父親は殺人事件の犯人であり、そのことを唯子は重く受け止め自身が出来る
償いを続けている、その姿は立派だけど、少し自分を追い込み過ぎているかんじも
する。

父親の犯した殺人事件の被害者側家族にあまりにも関わりすぎなのが心配だった。
被害者の息子である雅弘が、分別ある人だったからホッとしたけれど・・・

刑事の沖上が唯子を、この先も守ってくれるといいな。


色々な犯罪被害者の家族に接する唯子は、一生懸命で、その姿は素晴らしい。
安曇教授も犯罪の被害者家族に向き合うことで唯子自身の心のケアに
繋がると思って紹介したのかも。


しかし、始終、重たい話だった。
自分には関係ないことでありますように・・・・。



本多さんの「MOMENT」シリーズ3冊目を読んでいないことに気づいた!
早速、読まなきゃ!!


                     ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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