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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2018年11月

大坂堂島の紙問屋・嶋屋を営んでいた秋成は、町一帯を襲った火事によって店を失い幼なじみの雨月が結ぶ香具波志庵に居候することに。ところがその雨月、飄々とした性格ながら妖しを引き寄せる体質で、しだいに彼らの周りには、憎まれ口をたたく兎やら、成仏できぬ人の怨念やらが溢れ出す。さらにその先で待ち受けていたのは、世界の成り立ちを根本から変える驚くべき真実だった―江戸怪異譚の傑作『雨月物語』に大胆な現代的解釈を試みた、珠玉の連作短篇集。

                   (中央公論新社HPより)



雨月、秋成、遊戯・・・・二人と1匹の会話が愉快。

江戸時代の人々の暮らしのなかで起きる怪奇なこと。
登場する人物が、実は亡くなっているということが物語のなかでは
よくあり、誰かが登場するたびに「このひとも実は・・・・・」と
考えるようになってしまう^^;



物語は短編連作の形で進むけれど、最後に「ああ、やっぱり」と
納得の真実。



この物語のなかの上田秋成が書いた<雨月物語>を参考に西條さんが書いた物語が本書。

雨月を想う秋成の気持ちが、なんとも切ないけれど温かいものも感じる
終盤の遊戯とのやり取りが特にいい。


素敵な怪奇集だった!


表紙の絵もステキだなぁ~。



                      ★★★★★
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発行年月:2019年2月


 月面探査機が捉えた白い影が大ニュースに。のび太はそれを「月のウサギだ!」と主張するが、みんなから笑われてしまう…。そこでドラえもんのひみつ道具<異説クラブメンバーズバッジ>を使って月の裏側にウサギ王国を作ることに。そんなある日、のび太のクラスに、なぞの転校生がやってきた。

                   (小学館HPより)




ドラえもんは正直、あまり見ていません^^;

でも辻村さんが書いたものだから・・・と手に取りました。

読み始めたら、面白かった!
ベタな展開なんだけど、読みながら自然とドラえもんの声=大山のぶよさんに
頭のなかで変換されたりして・・・

あまり見てなかったわたしがこんな感じなら、ドラえもんファンなら
大喜びでしょうね~(^^)


月のウサギの世界観もよかった。
地球以外にこんな風にまた違う世界があって、どこで生きて居る者がいるって
想像するだけでワクワクする。
でも、そこにはそこでの問題もあって・・・
意外とリアル。
大人も楽しめる内容だった。


装幀もシックでいい!
表紙をめくってすぐのドコでもドアには、感激でした!



                        ★★★



発行年月:2019年1月

大切な友が、ある日
少女に取り憑かれた。
十年以上昏睡状態にあった母を救った、ふたごのミミとこだち。
異世界への扉があり、屍人がうごめく不思議な街・吹上町で、
母は自分を目覚めさせた丼もの作りに精を出し、
ミミはアイスクリーム屋の手伝いをして平穏に暮らしていた。
しかし、彼の突然の死、友人の除霊の失敗と恐ろしい出来事が次々と起こり、
ミミの人生が大きく動きだす……。

                   (幻冬舎HPより)



読んでいるうちに第一話を思い出す・・・^^;

ああ、この話好きだった!
そして第二話 どんぶりもいい。
読んでいると、安らぐかんじで実に心地いい。


異世界と通じている人たち。
墓守くんの彼女・美鈴さん。除霊を仕事にしていて、あるひ、不幸な最期で
亡くなった少女に体を乗っ取られる。
ミミはその状態の美鈴を黒美鈴として、接する。
墓守くんも美鈴がいつか戻って来ると信じながら・・・・

黒美鈴を排除するわけでもなく、受け入れているミミと墓守くん。


結局、黒美鈴は去るんだけど、その様子は、なんだか少し切なかった。
ちゃんと成仏して、あの世で幸せになって欲しい。


あまり死を日常で感じることはないけれど、この物語を読むと常に
常に感じるのはなかなか難しいけれど、たまにはあの世で暮らしているであろう
人たちのことも想ってあげたいな~と感じた。


第三話は「ざしきわらし」とあとがきにあった。
さて、どんな話でしょう?
今から楽しみ♪

       
                          ★★★★
 



発行年月:2019年2月

横道世之介、バブル最後の売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで食いつなぐ二十四歳。人生のダメな時期にあっても、なぜか彼の周りには笑顔が絶えない。青春小説の金字塔、再び。

                  (中央公論新社HPより)



まさか、続編が出るとは!!

世之介は、駅のホームで線路に落ちた女性を助けようとして、亡くなったん
だったよね?

哀しいけど、世之介らしいなと思った。



で、今回の続編は、24歳の世之介の日常から。
相変わらず、冴えない生活。
でも、そこで出会う人たちがん後々、充実した生活を送っていくという話。


なかでも東京オリンピックのマラソン代表選手の日吉亮太とその母親桜子との
関係がいい。

まだ幼い亮太を偶然、助ける世之介。
表紙の絵は、微笑ましい、世之介と亮太の姿を想像させる良いかんじ。


パチンコ屋で出会った浜本(桜子の親友)と出会ったのも運命的なかんじ。
あとは大学時代からの友人・小諸。

世之介自身は平凡で冴えない人間だけど、出会う人は、皆、その後の人生、
良い方向に向っていく。



映画化されたのも見たくなってきた。
ほっこり気分になれました♪



                      ★★★★

 



発行年月:2019年1月


 「夜明け前」――長野県御代田町の農園に嫁いだ舞桜子は、伝統の〈龍神まつり〉が近づくたび、夫と激しくもつれ合う艶夢を見る。龍伝説の裏に隠された忌まわしい秘密とは……。
「約束の神」――ピアノ教師の友晴はかつて、幼なじみの剣児を〈神〉と崇め、永遠の約束を交わした。人気歌手となった彼と故郷・岩手県黒石町の裸祭〈蘇民祭〉に参加するが……。
「分かつまで」――写真家の秋実は、ふたまわり年上のライター穂村と、福島県の〈相馬野馬追〉を撮影に訪れた。父親のような男しか愛せない彼女はやがて、穂村の秘密を知り……。

ほか三篇を収録。〈祭〉と〈日常〉、ハレとケの裂け目をめぐる、六つの禁断の物語!

                      (文藝春秋HPより)



祭りが背景にある男女の話。

6編中、3つは↑に解説あるので省く。

他、3篇について記すと・・・

<ANNIVERSARY>
祭りの舞台は、浅草のほおずき市。

35歳のサチは以前、乳癌で左乳房を摘出。
今回は右の乳房切除をした。
そんな自分を理解し、優しく接する夫のことは大事に思って居る。
が・・・ある日、突然小学2年の自分に戻ってしまう。
記憶は大人のものを持ったまま。
再び、夫と出会うように、過去と同じように生きる。
そして再び夫と巡り会い、女の子を出産。
以前の自分には息子が居たのだけど・・・


このちょっとSFっぽい話が6編のなかでは一番、好きかも。


<柔らかな迷路>
福岡県西南部の白秋祭。

テレビの制作会社勤務で海外ロケのコーディネーター兼通訳を
していて、カメラマンの夫・祐市と知り合い、結婚。
しかし、些細なことがキッカケで関係がギクシャク。2年前から別れて暮らしていた。

祭りの取材に訪れていた祐市と実家に帰省中だったとき、偶然の再会。


この先は、また二人で生きていくんだろうな。


<水底の華>
野沢温泉近くでの道祖神祭。

家族で土産物店を営む島田家に嫁いだ小夜子。
お店の隅にある水槽の金魚の世話を任されている。
夫の孝介は、出会ったときは、いかにも遊んでいそうなイケメン。
なぜ自分を選んだのかいまだにわからない小夜子。
そんな孝介が1年半まえ脳梗塞で倒れた。
今は日常生活に支障なくなるまでになったが半身が不自由。
言葉数もグッと減り以前の活発さが消えた。

祭りで孝介の弟・壮太が帰省。
孝介とは全く似ていない風貌だけど何故か気になる小夜子。

ああ、ありがちな展開・・・これは、あまり好きじゃないな^^;
でも表紙の絵は、この物語のものですね。




どの話にもなんとなく薄暗い雰囲気が漂う
祭りが背景にあると、そこになんとも怪しげなひかりが灯るようで
不思議なかんじ。

その辺の表現とか、やはり巧いなぁ~と感じる。
面白い短編集でした!


                       ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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