発行年月:2020年1月
岩居久澄、二十七歳。無職。実家暮らし。今のところ生活に不満はない。
不満はないけど、不安はある。私の将来どうなるんだろう……。
そんな久澄に奇妙なバイトが舞い込んだ。
祖母の代わりに芝居を見に行き、感想を伝える。
ただそれだけで一回五千円もらえるという。
二つ返事で了承した久澄は、初めての経験に戸惑いながら徐々に芝居の世界にのめり込んでいく。とても楽しい。
けど、久澄には疑問があった。
なぜ劇場で毎回あの老紳士に会うんだろう?
(徳間書店HPより)
祖母の代わりに歌舞伎、オペラ、観劇と見に行くことになった久澄。
最初は、歌舞伎座。
そこで隣に座った紳士と会話。
不可解に思ったことを一緒に解決して親近感を覚え、その後も訪れる劇場で再会。
紳士の名前は堀口。演劇を批評する仕事をしているという。
色々な劇場で遭遇するちょっとした事件の顛末も興味深く、歌舞伎やオペラの
大まかな内容も興味深く、機会があれば見てみたいと思わせる。
ずっと気になっていた、紳士の正体。
祖母のしのぶのやはり知り合いだったんだ~。
無職だった、主人公が無職になった経緯は、なんとも腹立つ!
何も悪くない人が、嫌なやつのせいで精神的に傷を負って職まで失うことを
選択しなきゃならなくなるなんて!
でも、新しい環境に踏み出したらしいことがエピローグでわかってホッとした。
ラストの祖母と紳士の再会の場面で終わるのもいい!
歌舞伎、すぐ見に行ける土地に住んでいる人が羨ましいなぁ~。
★★★
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発行年月:2020年3月
両親の死と引き換えに、僕らは〝家族″を手に入れた――。
ベストセラー「東京バンドワゴン」シリーズの著者が贈る、感動の家族小説!
平凡で幸せな家庭に育ちながらも、突然の交通事故で、両親を一度に失ってしまった、稲野朗・昭・幸の三兄弟。そんな彼らを助けるべく、それまでほとんど面識のなかった母方の祖母が家にやってきた。その暮らしの中で兄弟たちは、祖母と母の不仲の理由や父の出生の秘密など、これまで気づかなかった家族の裏側を少しずつ知っていくのだが……。
生前の父と母がそれぞれ隠していた、〝秘密″とは。「普通の家族」とは何なのか。
中・高・大学生の三兄弟の成長と、家族の絆を描いた、感涙必至のハートフルストーリー。
(PHP研究所HPより)
横浜に住む稲野家の三兄弟。
朗(21歳)、昭(17歳)、幸(14歳)の時、両親を事故で亡くす。
母方の祖母・栄枝が北海道から兄弟の家事を手伝うために暫く一緒に住む。
ある日、父の学生時代からの親友だという川西が訪ねて来て
父には、別の家庭があるのだと知り、驚く。
小学1年生だという優衣とその母親・由美恵に会うため、長男の朗は川西と
出向き、父の死を伝えることに。
三兄弟は、父の遺した優衣は自分たちの妹だと認める。
良い話だなぁ~。
ちょっと出来すぎなくらいいい話だけど、こんな風に優しい気持ちで
遺された父親の子どもを受け入れる三兄弟は素敵だと思った。
別の家庭を持っていた父親を責める気持ちもあって当然だけど
いいじゃない、こういう兄弟。
出来すぎだけど、こんな話、実際にも案外、あるのかも。
エピローグの優衣が高校生になっての話で三兄弟がそれぞれ自立して
立派な社会人になったこともわかって、嬉しかった(^^)
★★★★
発行年月:2019年9月
多摩川市は労働者相手の娯楽の街として栄え、貧困、暴力、行きつく先は家庭崩壊など、児童相談所は休む暇もない。児相に勤務する松本悠一は、市の「こども家庭支援センター」の前園志穂と連携して、問題のある家庭を訪問する。石井家の次男壮太が虐待されていると通報が入るが、どうやら五歳児の彼は、家を出てふらふらと徘徊しているらしい。この荒んだ地域に寄り添って暮らす、フィリピン人の息子カイと崩壊した家庭から逃げてきたナギサは、街をふらつく幼児にハレと名付け、面倒を見ることにする。
居場所も逃げ場もない子供たち。彼らの幸せはいったいどこにあるのだろうか――。
(光文社HPより)
重たい話。
児童相談所の松本悠一とこども支援センター職員の前園志穂。
二人が関わる多くの問題が、本当にひどいもの。
大人たちによって苦境のなかで生活している子どもたちの姿が痛々しく、
そんな親たちに腹が立って仕方ない。
そんな話と並行して進む、不妊治療中の夫婦の話。
こどもが欲しくても授からない立場で、子どもを虐待している親を見て
自分が代わりに親になりたいと思う、妻の気持ちも痛々しい。
兎に角、つらい話ばかりだけど、その後の展開が気になり、頁をめくる手は止まらない。
で、最後は、安堵。
最後まで読んで良かった!
いつか自分を助けてくれるひとが現れるという気持ちが生きる糧になっていたって
いうのが響く。
街の展望台にいるラプンツェルの存在が、一人の少年の希望だった。
物語の終盤は、過酷ななかで生きていたこどもたちの、その後のことがわかるのがいい。
不妊治療をしていた夫婦も二人で穏やかに暮らしたんだな~。
初読みの作家さんかも。
ほかの作品も読んでみようと思う。
★★★★
発行年月:2015年10月
「猫のつなをといて、自由にしてやること」――慶長七年、洛中にだされたおふれに、猫たちは大喜び。一方ねずみたちは猫たちに追われる身となり、物陰に隠れる日々に。猫を再びつなぐように訴える老鼠法師、それに反対する猫又和尚。それぞれの主張に僧師は如何に答えるか?通事をつとめた象の法師が伝える、ねずみと猫の諍いの顛末は――
人気作家と人気画家のコラボで、あの「おとぎ話」が新しい文学になった!
自由自在に描かれた新作小説と個性豊かなカラー挿画で贈る絵本シリーズ、2015年10月より刊行開始。
【シリーズ全6冊】
『付喪神』 町田康 × 絵・石黒亜矢子
『象の草子』 堀江敏幸 × 絵・MARUU
『木幡狐』 藤野可織 × 絵・水沢そら
『うらしま』 日和聡子 × 絵・ヒグチユウコ
『鉢かづき』 青山七恵 × 絵・庄野ナホコ
『はまぐりの草紙』 橋本治 × 絵・樋上公実子
(講談社HPより)
シリーズ物のひとつだったんだ~。
これは猫が出てくるし、堀江氏の作品なので興味があって読んでみた。
お話も面白いけど、絵が素晴らしい!
絵だけ読んだあと、じっくり見て楽しんだ。
猫と鼠がそれぞれ自分たちの言い分を僧師に訴える。
その一部始終を見ている僧師に仕える象の法師。
繋がれていた猫を放せというおふれが出たことで猫は大喜び。
鼠は逆に窮地に追いやられることになる。
冒頭は、そもそもなんで猫が繋がれていたのか?という話。
象が原因だったとはね・・・笑
話のなかに出てくる果物・・・あんもらか=庵摩羅果=マンゴー
こんな時代にマンゴー?あったのか?
薄い本だけど、時間をかけてじっくり堪能。
★★★★★
人気作家と人気画家のコラボで、あの「おとぎ話」が新しい文学になった!
自由自在に描かれた新作小説と個性豊かなカラー挿画で贈る絵本シリーズ、2015年10月より刊行開始。
【シリーズ全6冊】
『付喪神』 町田康 × 絵・石黒亜矢子
『象の草子』 堀江敏幸 × 絵・MARUU
『木幡狐』 藤野可織 × 絵・水沢そら
『うらしま』 日和聡子 × 絵・ヒグチユウコ
『鉢かづき』 青山七恵 × 絵・庄野ナホコ
『はまぐりの草紙』 橋本治 × 絵・樋上公実子
(講談社HPより)
シリーズ物のひとつだったんだ~。
これは猫が出てくるし、堀江氏の作品なので興味があって読んでみた。
お話も面白いけど、絵が素晴らしい!
絵だけ読んだあと、じっくり見て楽しんだ。
猫と鼠がそれぞれ自分たちの言い分を僧師に訴える。
その一部始終を見ている僧師に仕える象の法師。
繋がれていた猫を放せというおふれが出たことで猫は大喜び。
鼠は逆に窮地に追いやられることになる。
冒頭は、そもそもなんで猫が繋がれていたのか?という話。
象が原因だったとはね・・・笑
話のなかに出てくる果物・・・あんもらか=庵摩羅果=マンゴー
こんな時代にマンゴー?あったのか?
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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