発行年月:2019年7月
騙されては、いけない。けれど絶対、あなたも騙される。
『向日葵の咲かない夏』の原点に回帰しつつ、驚愕度・完成度を大幅更新する衝撃のミステリー!
第1章「弓投げの崖を見てはいけない」
自殺の名所付近のトンネルで起きた交通事故が、殺人の連鎖を招く。
第2章その話を聞かせてはいけない」
友達のいない少年が目撃した殺人現場は本物か? 偽物か?
第3章「絵の謎に気づいてはいけない」
宗教団体の幹部女性が死体で発見された。先輩刑事は後輩を導き捜査を進めるが。
どの章にも、最後の1ページを捲ると物語ががらりと変貌するトリックが……!
ラストページの後に再読すると物語に隠された〝本当の真相〟が浮かび上がる超絶技巧。
さらに終章「街の平和を信じてはいけない」を読み終えると、これまでの物語すべてがが絡み合い、さらなる〝真実〟に辿り着く大仕掛けが待ち受ける。
「ここ分かった!?」と読み終えたら感想戦したくなること必至の、体験型ミステリー小説。
(文芸春秋HPより)
4つの章からなる長編、ミステリー。
第一章で起きる事件が発端で、いろいろな事件が連鎖していく。
最初の交通事故から起きた殺人。
殺されたのは、安見邦夫だと思っていたら・・・・実際は息子の直哉だった!
こんな風に、こうだろうと思って読んでいると、「あれ?」となって
暫く読んで、「ああ~」と騙されていたことに気づくの繰り返し。
中国人の小学生・珂(カー)と、同級生の山内くん。
二人の友情物語がいいなと思って途中まで読んでいたら・・・・
まさかのトンデモないワルな山内くんの正体に気づいてゾッ~とした!
章の終わりにあるイラストや写真に、謎解きのカギが潜んでいるのだと
先に読んだ、夫に教わり、再び、「おぉ~!!」と驚く。
殺人やら暴行やらあるのに、その真相は明かされることなく
一見、平和な街の佇まいは変わらず・・・・って凄く怖い。
ああ、これ、もう一度、読みたい!
図書館本なので、また予約順番待たないと読めないけど・・・・(^^ゞ
しかし、よくこんな話、書けるなぁ~
道尾さん、凄いよ!
★★★★★
発行年月:2018年9月
1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。
ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、
ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。
米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つ。
しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり――
ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。
(筑摩書房HPより)
ヒットラーが自殺したあとのドイツって、こういうかんじだったんだ~。
と物語を読んで初めて知ることに驚く。
今まで虐げられていた人たちが、今度は虐げていたもの同じように虐げる。
そういうことがとても哀しい。
物語は17歳のアウグステの現在と幼い頃の家族とのことを交互に書く。
アウグステの両親は、打倒政府を叫ぶ共産主義者。
特に父親はその活動に積極的。
それゆえ、政府によって死に追いやられる。
現在のアウグステは、かつて自分を匿ってくれた恩人でもあるチェロ演奏家の
クルストフの死をその甥であるエーリヒに知らせるため、見知らぬ地まで
向かう。
途中、そのあたりの地理に詳しいユダヤ人のカフカと知り合い一緒に
目的地まで向かう。
読みながら、甥に死を知らせる目的のためにこんな苦労をなぜする?と
疑問に思ったが・・・なるほど!
そういうことか!
それは知らせてあげるべきことでしょうね。
アウグステの勇敢さ、優しさが、つらい時代背景のなかで輝いていた。
参考文献の多さにびっくり!
日本人の作家がこの物語を完成させるのはさぞ、大変だったでしょうね~。
文句なしにこれは最高の1冊です!!
★★★★★
発行年月:2019年6月
いつかは欲しい、でもそれがいつなのか、わからない。
夫と二人の快適な生活に満足していた知佳(35歳)。しかし妹の出産を機に、彼の様子が変わってきて……「1DKとメロンパン」
妊活を始めて4カ月が過ぎた。時間がないとあせる妻に対し、夫の睦生(34歳)は……「無花果のレジデンス」
独身OLの茂斗子(36歳)は、単身者しか入居していないはずのマンションで子どもの泣き声を聞いて……「私は子どもが大嫌い」
子どもがいてもいなくても……毎日を懸命に生きるすべての人へ、
そっと手を差し伸べてくれる、5つの物語。
(角川書店HPより)
子どもがいるかいないか。
欲しくてもできないのは辛い。
夫婦が同じ考え方でないとどちらかが苦悩することになる。
ここに登場の5つの話は、状況としては厳しいものもあるけれど
うまく夫婦が意見交換して納得した自分たちの未来に向かって歩んでいく姿が
清々しく、読後感としては、どれも良かった。
話としては最後の<金木犀のベランダ>が好き。
パン屋を営む43歳の夫婦。
栄太郎と繭子。
今は、子どもが居ない。
夫は、二人で子育てをしてみたいと言い、妻は、今のままの生活で満足していると言う。
夫婦は自分の気持ちを素直に相手に伝え、今後のことを考える。
こういう夫婦は理想的。
子どもが居てもいなくても変わらぬ夫婦の信頼関係が保てていけそう。
子どもがいる、いないで、幸せの度合いが変わるわけではない。
今ある幸せをちゃんと見つめていける人でありたいと思った。
どの話もじ~んと温かいものを感じて良かった!
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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