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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月2020年3月

志賀倫成は、大手出版社『週刊春潮』の副編集長で、その売上は会社の大柱だった。志賀は、スキャンダル記事こそが他の部門も支えているという自負を持ち、充実した編集者生活を送っていた。だが大学生の息子・健輔が、ストーカー殺人を犯した上で自殺したという疑いがかかったことで、幸福だった生活は崩れ去る。スキャンダルを追う立場から追われる立場に転落、社の問題雑誌である『春潮48』へと左遷。取材対象のみならず同僚からも罵倒される日々に精神をすりつぶしていく。一人残された被害者の娘・奈々美から襲われ、妻も家出してしまった。だが、奈々美と触れ合ううちに、新たな光が見え始めるのだが……。

                   (角川春樹事務所HPより)



息子がストーカーしていたが大学講師とその夫を刺殺後、自死した。

大手出版社のスキャンダルを扱う雑誌の副編集長・志賀倫成の人勢が一変する。

スキャンダルを扱う雑誌って、嫌いだし、そんな雑誌の副編集長・志賀にも最初は
嫌悪感を抱いていた。
けれど、家庭内では妻との関係は良い感じでふつうの人という感じ。
が、息子のことで諍いになり、ついに手が出てしまう。

窮地に立たされたとき、人って本性表すから・・・ああ志賀ってやっぱり嫌なかんじ。
なんて思っていた。


被害者夫婦の一人娘・奈々美(14歳)に接触し、最初は、激しい拒否反応。
当たり前じゃん。


でも奈々美は、被害者家族でも、誹謗中傷を受けていた。
被害者家族の志賀が誹謗中傷を受けるのは、まあ仕方ないのかな?とも思うけど
なんで?夫婦がすごく人間的に嫌な人だったとかなら理解できるけど、そうでは
ないらしいし・・・

奈々美を虐めていたグループの犯行?

奈々美がひどい状況にありながら、自宅に一人留まっていることに危険を感じ
護衛を試みる志賀。

このあたりから、なぜだか段々、良い人になっていく志賀。
元々、そんなに嫌な人じゃなかったのか?

まあ、最後は、良い話で終わるから読んでいる側は、ホッと出来て、まあいいか?(^^ゞ


文章は、いつも読みやすいので、突っ込みどころは多少あるけど
いつもまあまあ楽しめる。


                         ★★★
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発行年月:2020年5月

夏休み。
琴美の家に、子供たちの謎を解決してくれる青年がやってきた。
祥子は想い人から、思いもよらぬ相談を持ちかけられる。
沙也香は、それとは知らず、大人たちの「不都合な真実」を掘り起こす。
それぞれの謎を追いかけた、それぞれの夏休み。
悪意が自分に向けられるとは、想像もしていなかった。
意外なつながり、意外な真相。鮮やかに紡がれた長編ミステリ!

                     (光文社HPより)


<願いごとツユクサ>
<おまじないコスモス>
<占いクレマチス>
<花をつなぐ>

それぞれの章は、繋がった話。
最初の話と次の話を読むと、違う人物が出てくるので混乱(^^ゞ
おまけに時系列も、ちょっとしたトリックで混乱。


でもそれがないと、ドキドキハラハラ感が半減してしまうので
この方法は巧いなぁ~と思った。


川の近くで見つかった女の子の遺体。
この事件が物語のキモなんだけど、犯人として捕まった人物は既に亡くなっている。
が、その人は、最後まで無実を訴えていた。


冤罪って辛いな。


登場人物の相関図が欲しくなり、自分なりにメモしながら。
ちょっと混乱してきたけど、なるほど。


悲劇が再び起きてしまったのか?と思ったけど、最後にそうではなかったことが
わかってホッとした。


章ごとの草花を使った、おまじないは、子どもの頃、似たようなこと
やってたなぁ~と懐かしかった。


                    ★★★


発行年月:2020年4月


クリスマスの夜。
燃え盛る民家。
取り残された少女。
灼熱の地獄に飛び込んだ、一人の男。
炎の中から助け出された少女は、そのまま男に連れ去られた――。

新潮ミステリー大賞作家が描く、ある双子の男女にまつわる二十余年の物語。
さみしさが、ぬくもりが、心に触れる傑作青春ミステリ。

クリスマスの夜。百キロ以上のスピードで暴走する車を、二台のパトカーが猛追していた。
時は二時間ほど前に遡る。その男は、偶然、火事の現場に遭遇する。家の外で助けを求める母親。二階の窓からは、泣き叫ぶ娘の姿が見える。男はこの状況に運命を感じていた。男が取った行動は、誰も予想しないものだった。燃え盛る家の中へと飛び込んでいったのだ。それから五分足らずで、男は家から出てきた。胸には十歳の少女をしっかりと抱きかかえている。周囲から、歓喜の声がこぼれる。しかし、男が次にとった行動に周囲は唖然とした。
男は少女を母親に手渡さず、車に乗せてそのまま逃走したのだ

                   (集英社HPより)




エピローグからは、何やら重たい物語が始まりそうな予感。

でも、違った!
いきなり小学生の男女の双子・勇帆と帆名の物語。
姉弟喧嘩があったり、親友たちとの出来事が綴られ、
え?ふつうの青春小説?と思いながら読んでいく。

中学~高校と成長し、それぞれの人間関係とか語られる。
双子の両親の離婚騒動もあったり、読んでいて飽きない。

けれど、最初の話は、これからどうつながっていくの?
と疑問が頭の片隅に常にあるかんじ。


全てのことが繋がるのは、終盤。


なるほど・・・。

結果、最初のエピローグは、嫌な結末にならずに良かった。

なかなか、面白かった。

でも、この表題はなんで?
そこだけがわからない。



                     ★★★


発行年月:2019年10月

夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――
死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、
村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12編。
文学史上、最も危険な短編集!

                     (河出書房新社HPより)


表題作が最初。
凄い話だな・・・・怖(>_<)

亡くなった人を皆で食べる生命式。
主人公・真保は、その儀式に抵抗感を抱いている。
が、親しかった男友達が事故死してその、母親と妹から準備を手伝って
欲しいと言われ承諾し準備から生命式まで一連の儀式に参加する話。


準備はムリ~!!
想像しただけで鳥肌な物語。

正に世にも奇妙な話だな。


津語の<素敵な素材>もなかなでした。
最初の話ほどの強烈さはないけど、人毛の服、骨の指輪、歯のピアス
皮膚のベール。


婚約者にはそんな人の素材のものを身に着けてほしくないナオキ。
結婚したらいっさい、その類のものは自分の目に触れないように
してほしいと約束させる。

婚約者のナナは、それを不服に思いながらも約束。
そして、ナオキの母親に会いにいき、ナオキの父親が亡くなったあと
本人の希望で作ったベールを結婚式で使って欲しいと。
ナオキが反対するかと思ったら、それには嫌悪感を示さないナオキ。


<素晴らしい食卓>は、ちょっと笑えた。
食の好みが全く合わないと一緒に暮らすのは大変だろうな・・・。


ほかの作品もそれぞれ、変わっている人たちの話で面白かった。



最後の<孵化>は、結構、好きだった。
小学生の頃は、しっかり者の「委員長」
高校では天然の「アホカ」
大学では皆に可愛がられ「姫」
バイト先ではちょっと男の子っぽい「ハルオ」
就職してからはミステリアスな一匹狼「ミステリアスタカハシ」


婚約者とは、高校時代の友人の紹介なので「アホカ」のキャラで通していたが
結婚を前に自分のすべてのキャラを見せる。


結果、オーライで良かったのかな?(^^ゞ



いつも不思議な感性を著者には感じる。
読んでいて感動するとか、心地いいとか、全くないのに、なんだかまた読みたくなる。



                          ★★★



発行年月:2020年5月


世界文学の旗手が紡ぎだす
国境を越えた物語(サーガ)の新展開!

失われた国の言葉を探して
地球を旅する仲間が出会ったものは――?

【本書の登場人物たち】

Hiruko ヨーロッパ留学中に「母国の島国」が消滅してしまった女性。同じ母語を話す人間を探して世界を旅する。

クヌート デンマークに住む言語学者の卵。Hirukoと出会い、彼女の旅に同行する。

アカッシュ ドイツに留学中のインド人男性。女性として生きるため、赤いサリーを身にまとう。

ナヌーク グリーンランド出身のエスキモー。語学の才能豊かで、日本人を演じていた。

ノラ 博物館に勤めるドイツ人女性。行き倒れていたナヌークを救う。

Susanoo 福井で生まれた日本人。ある時から歳を取らなくなり、言葉を喪失する病気になった……?

Hirukoがつくり出した独自の言語、〈パンスカ〉が見知らぬ人々を結びつける。
分断を超えた希望を描く、全米図書賞作家の新たな代表作。

                  (講談社HPより)


「地球にちりばめられて」の続編。


HiyukoとクヌートがHirukoと同じ言語を喋るというSusanooを訪ねる。
が、かれは喋らない。
そこで失語症の研究をしている医師ベルマーの元へ連れて行く。

冒頭の不思議な会話をしているのは、ベルマーの元で働くムンンとヴィタ。
最初、読んだときは、なんだろ?この二人?とわからなかったけど
終盤、登場人物たちが全員集合した場面で、ムンンが語る場面が愉快だった。

それぞれを観察して語る感想が、巧い!


さて、全員で旅に出るらしいラスト。

Hirukoのなくなった国を見つけられるかもしれない?

でも表紙の絵のように、それは地球じゃなくて、別のところ?

早く続きが読みたい!
物語の結末が気になる~♪


                    ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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