忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[122]  [123]  [124]  [125]  [126]  [127]  [128]  [129]  [130]  [131]  [132


発行年月:2020年6月



二人の小説家と一人の秘書、三人の女が織りなす、ひりつく心理サスペンス。
才能、容姿、愛情……
持たざる何かを追い求め、わたしは「わたし」を見失うーー
この嘘は誰かを不幸にしていますか?
小説家の織部妙は順調にキャリアを積む一方、どこか退屈さも感じていた。
そんなある日、“美人作家”として話題の新人、橋本さなぎの処女作に衝撃を受ける。
しかし、文学賞のパーティで対面した橋本の完璧すぎる受け答えに、なぜか幻滅してしまう。
織部の興味を惹いたのは、橋本の秘書である初芝祐という女性だった。
初芝への気持ちを持て余す織部は、やがて「橋本さなぎ」の存在に違和感を抱くようになる。
その小さな疑惑は開けてはならない、女同士の満たされぬ欲望の渦への入り口だった……。
「第13回エキナカ書店大賞」受賞作家の最新作。

                    (祥伝社HPより)




3人の女性たち。



・織部妙(35歳)・・・小説家。美人だが、容姿について語られるのは嫌。レズビアン。

・速水咲子(30代半ば?)・・・作家・橋本さなぎのアバターの役割。

・初芝祐(25歳)・・・作家・橋本さなぎとして作家活動をしている。表向きの顔は
咲子に任せて。


妙は、初対面の時に、橋本さなぎの秘書として紹介された初芝に惹かれる。
白い肌、あかちゃんみたいなぷっくりした頬などに欲情していると自ら気づく。

が、初芝とは、深い関係にはならない。
よき相談相手として、相談に乗ったり、一緒にクラッシックコンサートに出かけたりは
するが・・・。
そして、咲子との関係も知る。
自分の力で作家として、やっていくと決めた初芝は、北海道に拠点を移す。

一方の咲子は、ホステスとして夜の街で働き始める。
作家・橋本さなぎは消滅。

好きでもない咲子がスーツケースに入った荷物を預かって欲しいと妙のもとに
持ってきたことから、妙の部屋に度々、出入りすることになり
二人の関係は深いものに。
お互い好きでもないのに・・・


このあたりがよくわからない。

初芝の作品が認められたラストは、良かったけれど。
そんなに面白い話でもなかったかな?
もっとドロドロした愛憎劇が展開されるかと思っていたので・・・(^^ゞ



                     ★★★

PR


発行年月:2020年7月

「夫を亡くした女だと、彼には言わないで」「私が忘れないかぎり、あなたはいるのよ」(実日子) 「私はこの男にほんの少し欲情している」「夫が死んでほしいと思っているの」(まり) 愛する夫を喪った女と、夫が大嫌いになった女。おいしい料理教室を舞台にしたふたりの“妻”の孤独と冒険の物語。

                (角川春樹事務所HPより)



ふたりの女性。
能海まり(38歳)・・・夫と二人暮らし。夫婦共に不動産鑑定士。まりは結婚後は
夫の秘書的役割。結婚してすぐのころは、幸せだったけれど、今は夫が嫌い。


園田実日子(38歳)・・・1年前に夫が病死。やっと前を向かなきゃと料理教室を
再開させる。

共通しているのは、夫がいないということ。
まりの場合は精神的な不在。

実日子の料理教室にお試しで通い始めたまり。
二人の会話のなかで、まりが「どっちが、かわいそうなのかな?」という。
こんなこと言うまりには嫌悪感。
実日子は、可愛そうな人ではないと思う。

愛する夫を亡くし、まだ完全に立ち直れてはいないけれど、それを支えてくれる
アシスタントのゆかりや、ゆかりの弟・勇介が近くにいる。
亡くなった夫の両親とも良い関係。
実日子は愛される人なんだなぁ~と思う。


反対に、まりは、夫のことが嫌いで死んでほしいと思っているなんて、口に出して
他の人に言うって、本当にかわいそうな人。
マッチングアプリで知り合った星野と良好な関係を築くのも、まあありかな?
と思っていたら、星野をも傷つける。
なんて身勝手な人なんだろう。
これじゃ、誰からも愛されないと思う。


実日子には幸せになって欲しいと強く思った!


ささ~っと読めて、面白かった。


                      ★★★


発行年月:2018年9月

お告げの意味に
気づいたとき
ふわっ
あたたかくなる

なんでもない
言葉をきっかけに、
思い悩む人たちの
世界がガラッと変わる――。


読書メーター
読みたい本ランキング
月間(集計期間:7月9日〜8月8日)
第1位

猫のお告げが導く
7つのやさしい物語。


失恋のショックから立ち直れないミハルは、ふと立ち寄った神社で、お尻に星のマークがついた猫――ミクジから「ニシムキ」と書かれたタラヨウの葉っぱを授かる。宮司さんから「その“お告げ”を大事にした方が良いですよ」と言われたミハルは、「西向き」のマンションを買った少し苦手なおばの家を訪れるが……。中学生の娘と仲良くなりたい父親。なりたいものが分からない就活生。家族をないがしろにしたと後悔する頑固おやじ。転校先でクラスに馴染めない男の子。20年来の夢を諦めるべきか迷う主婦。自分のしたいことに臆病になった占い師。なんでもない言葉をきっかけに、思い悩む人たちの世界がガラッと変わっていく――。猫のお告げが導く7つの温かい物語です。

 
                     (宝島社HPより)


初読みの作家さん。
表題に惹かれて読んでみたら・・・すごくいい!
神社にふらっと現れる猫が、悩める人にふさわしい一言が書かれたタラヨウの葉っぱを
プレゼント。


7つのお話にそれぞれ、今の自分について悩む主人公。
神社に導かれるように出向いて、そこで猫からのお告げ。

たった一言
<ニシムキ>
<チケット>
<ポイント>
<タネマキ>
<マンナカ>
<スペース>
<タマタマ>


たった一言なので、その後、その言葉に出会うたびに敏感に反応してしまう
主人公たち。
自分でそのお告げの意味を見つけていく過程もいい。

最後の宮司さんの話、<ここだけの話>でそれぞれの悩める主人公たちのその後のことが
話される。みんな有意義な生き方している。
宮司さんの人柄もいい。
こんな神社が身近なところにあったら、通いたい!


                       ★★★★



発行年月:2020年7月


上最悪の刑事VS史上最低の犯罪者
SNSの悪意×匿名性×依存性が引き起こす災厄。
鋭い舌鋒で容疑者を落とす百戦錬磨の刑事・毒島が、
卑劣な敵を相手に最後の戦いに挑む。


刑事・毒島は警視庁随一の検挙率を誇るが、出世には興味がない。犯人を追うことに何よりも生きがいを覚え、仲間内では一を話せば十を返す能弁で煙たがられている。そんな異色の名刑事が、今日も巧みな心理戦で犯人を追い詰める。大手町の連続殺人、出版社の連続爆破、女性を狙った硫酸攻撃……。捜査の中で見え隠れする<教授>とは一体何者なのか?かつてない強敵との勝負の行方は――。手に汗握るノンストップミステリ!"

                    (幻冬舎HPより)



毒島が刑事として担当した最後の事件。


5つの話に分かれているが、それぞれの事件の犯人は【教授】と呼ばれる人物に
よって操られていた。

<不具戴天>この世に共存できない、どうしても許せないと思うほど深く恨むこと

犯人は、リーマンショックのあおりで思うように就職できなかった。
自分はエリート街道にのれるはずだったのに・・・と大手町のサラリーマンを連続射殺。



<伏竜鳳雛/ふくりゅうほうすう>まだ世に知られていない大人物と有能な若者のたとえ

文芸の新人賞に落選し続ける男が起こす出版社連続爆破事件



<優勝劣敗>すぐれたものが勝ち、劣ったものが負けること
結婚相談所相談員の女性が起こす、顔に塩酸をかけ3人の女性に火傷を負わせた事件



<奸倭邪知/かんぬいじゃち>こころがねじ曲がっていて、よこしまなさま
デイサービスの介護職員が介護する高齢者を操り、過去に凶悪な殺人事件を起こしながら
何ら反省の様子を見せない者たちを薬剤(硫酸タリウム)を注射させて殺害させる



<自業自得>自分の行いの結果を自分が受けること
4つの事件を操っていた【教授】と名乗る人物、神父の男・宇能光輝(47歳)。
毒島が対峙。




4番目のおじいちゃんは、操られて気の毒だった。
介護職員の鵺野静香の言い分は少し共感するところはあったけど
それなら自分でやればいいのにと思った。
名前がぬえのってえぐいな(^^ゞ

まさに怪物。

でもそんな静香をも操っていた【教授】。
教授VS毒島 って帯文にあったけど、圧倒的、毒島の勝ちでした!!
凄いぞ、毒島。

刑務所送る価値もないっていう判断から、どんどん精神的に追い詰めてしまう方法を
選んだわけですね。
刑事を辞めた経緯がわかって、ああ、こういうことだったのかと納得。

作家刑事としての話をまた読みたい!


文句なしに面白かった!


                          ★★★★★



発行年月:2009年6月


ちいさな女の子の、澄んだまなざしの先にあるものは…。
その女の子のこころの中に生まれるものは…。
8編のショートストーリーで綴る、夢と現実のあわいの“不安”と“温もり”。
珠玉の傑作絵本。 

                  (白泉社HPより)


・昼間の蒸気機関車
・図書館
・お友達
・幼稚園
・指しゃぶり
・カミナリ
・スイレン
・❑ちゃんと新しいもの



小さい女の子❑ちゃん。

ぬいぐるみのお友達を乳母車に乗せて、話しかけている様子は
お友達というより正にせんせい。

でもお母さんにそういわれて、一挙に現実の戻され、お友達は
ぬいぐるみに。
それが哀しくて泣いてしまう❑ちゃん。

こどもが自分の世界にいるときは、無理にこちらに戻したらダメだよね。
つい、やってしまうことだけど・・・
と考えさせられた話。


著者の酒井さんの絵は前から、色々な本の表紙になっているので知っていたけど
文章も凄く素敵だなぁ~。

他のお話も読んでみたい。

絵と両方楽しめるのも嬉しい。

❑ちゃんが、本当に愛おしく感じるおはなし。



                     ★★★★★

カレンダー
09 2025/10 11
S M T W T F S
1 3 4
6 8 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]