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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2019年12月

おとうさんはねえ、ヒモじゃなくてリボンだよーー
「時給かなりマイナス男」の専業主夫・常雄が、
野川沿いの道を3歳のタロウと歩きながら発見した、

新しい“シュフ”の未来。著者新境地!

                         (河出書房新社HPより)




小野常雄とみどり夫婦、3歳の息子・タロウの家族の話。

常雄が主夫で家事全般をこなし、みどりが働く。
常雄は、家族内での呼び名は「妹子」。
小野妹子から連想して、みどりが呼び始めた呼び名・・・^m^


常雄は、タロウの幼稚園の送迎を徒歩でしていて、行き帰りは散歩気分。
1.5kmの野川沿いの道のりを3時間くらいかえて帰ったりしている。
雑草の名前を調べたり・・・・
二人で川の中に入ったり・・・


タロウは良い子だし、こんなのびのびした子育ては理想だなぁ~。

でも常雄が自分を時給に換算して、時給マイナス男というのは、ちょっと嫌だった。
そんな卑下した考え方はしなくていいのに・・・。

みどりもそれでよしとしているのだし、
今はタロウがのびのび良い子に育っているのが
一番大事!

タロウが小学生になったら、リボンの男状態は、変わるのかな?
ちょっと気になる。


なんてことない、ある家族の話だけれど、こういう家族もあっていいな~と思った。



                                    ★★★
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発行年月:2019年8月


作家の夫に小説の題材にされ、書くことを通じて奪われ続けてきた主婦の琉生はある日、
大量の植物の種を飲んで発芽、やがて家をのみ込む森と化し――

夫婦の犠牲と呪いに立ち向かった傑作。

                          (河出書房新社HPより)




最初は、作家の夫、その担当編集者、夫の不倫相手の女性の話で

植物と一体化していく、作家の妻、瑠生の苦悩などは、物語の終盤の方で語られる。

なぜ、植物と一体化して森を形成していくのか?その森がどんどん大きくなっていく様子は
瑠生の苦悩がそうさせていて、その原因は、夫にある。

そもそも、なぜ、こんな男と結婚したんだ??
ものわかりよさげに心にもない優しいことばで近づく男のことを
ルイは、それを愛されていると思ったのかもなぁ~。


家業を継ぐつもりでいたのに、自分より無能な兄が家業を継ぐことになったって
自分の無能さには全く気付かず、痛い人だな・・・


でも、今後は、少しずつ対等に話し合うことが多くなって二人の関係が変わりそうかな?

不思議な話ではあったけど、面白かった!



                                       ★★★★


発行年月:2019年9月


死ぬことは、今も怖い。
恋してからは、ますます怖くなっている。

名前も記憶もお金も持たない某(ぼう)は、
丹羽ハルカ(16歳)に擬態することに決めた。


変遷し続ける〈誰でもない者〉はついに仲間に出会う――。
愛と未来をめぐる、破格の最新長編。


ある日突然この世に現れた某(ぼう)。
人間そっくりの形をしており、男女どちらにでも擬態できる。
お金もなく身分証明もないため、生きていくすべがなく途方にくれるが、病院に入院し治療の一環として人間になりすまし生活することを決める。
絵を描くのが好きな高校一年生の女の子、性欲旺盛な男子高校生、生真面目な教職員と次々と姿を変えていき、「人間」として生きることに少し自信がついた某は、病院を脱走、自立して生きることにする。
大切な人を喪い、愛を知り、そして出会った仲間たち――。
ヘンテコな生き物「某」を通して見えてくるのは、滑稽な人間たちの哀しみと愛おしさ。
人生に幸せを運ぶ破格の長編小説。

                    (幻冬舎HPより)



不思議な話。
何者でもない者の「某」は、いろいろな人間に変化しながら生きる。

最初は、高校2年生の丹羽ハルカ。
その次は、同じ高校に転校生として通う野田春眠。

そのあとは、高校で事務員として働く中山文夫。
そしてキャバクラで働くマリ、その後は、ラモーナ、片山冬樹、ひかり、というかんじ。


それぞれの人で生きるなかで、それぞれの人間関係が生まれる。
その人でいることで、何か辛いことに出会うと、別の人になっていく「某」。


最後になった「ひかり」は同い年で一緒に赤ちゃんの時からそだった、みのりの
ために最後までひかりであり続けようとする。
今までの「某」なら、別の人に変化するところなのに・・・・
「某」にとって変化して、みのりとの関係を断ち切ることが自分がこのまま消滅して
しまうことより怖かったのかな?


変わった話だなぁ~と思いながら読んでいたけれど、最後に、なんだか感動した。



                         ★★★★


発行年月:2019年12月

すぐそこにある未来は、こんな奇妙なものかもしれない。

廃墟化した高層マンションの老人が消えるわけ。汎用型AIが人を超えた時に起こる異変。
アグリビジネスから逃れた種の行き先――。
『小さいおうち』『長いお別れ』の著者が贈る、初の近未来小説。

とつぜんあの女があらわれた日は、雷鳴が鳴り響き、雹がばらばら降った日だった。しかも、あろうことか彼女は海からやってきたのだ。ドーニを一人で操縦して――「キッドの運命」

十四歳のミラは、東洋人の祖母が暮らす田舎で夏休みを過ごす。おばあさんばかりがいるその集落には、ある秘密があって――「種の名前」

人工多能性幹細胞から作った子宮? ぼくは、寝起きの顔をぶん殴られたような衝撃を受けた――「赤ちゃん泥棒」 他、全6編。

                  (集英社HPより)



近未来の物語?
こんな未来、来たら嫌だな~という話は殆ど(^^ゞ


生殖系の研究はどんどん進んで、この短編のなかのような
ことも実際に起こり兼ねないなぁ~と思った。

<赤ちゃん泥棒>みたいに男が妊娠して出産することも
不可能じゃなくなったりして・・・

DNAとか人の手で操作されて
高い知能を持った者が生まれて来て
ふつうに生まれた人間なんて下等動物みたいな扱いにされる?
<キッドの未来>は、この短編集の中でインパクトあったな~。


最後の<チョイス>も、これに近い選択ができる未来が来るかも?
少しずつ健康を失っていくサプリ<チョイス>。
目指す年齢で死ぬことが出来て、痛みも感じずその時を待つというもの。
こういうの選択するのは、難しいな。
選びきれず、悶々としながら生きることになりそう(^^ゞ


SFっぽい短編は、読んでいるときは、まあ楽しめるけど
すぐ忘れちゃいそう。
中島さんには長編を読ませて欲しいなぁ~


                ★★★


発行年月:2019年11月

ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた――。
離婚して心身ともに打ちひしがれたとき、大切な家族を亡くしたとき、家庭のある男を愛したとき……人生の様々な場面で、猫に寄り添われ救われてきた女性たちを描く、心ふるえる全七編の短編集。

『ミャアがそろそろ旅立ちそうです』実家の猫に死期が近いことを母親から知らされ、私は東京から金沢へ向かうが……/「ミャアの通り道」

離婚で気力を失い、人付き合いがなくなり生活が荒れていった江美。ある冬の日、マンションのベランダに一匹の猫が現れて……/「運河沿いの使わしめ」

離れて暮らす会社員の息子が急死した。一日のほとんどを仏壇の前に座って過ごす富江のもとに、お線香を上げたいと言う若い女性が訪れ……/「陽だまりの中」

軽井沢のフラワーショップに勤める早映子を訪ねてきた男がいた。それは30年以上前に別れ、ずっと会っていなかったかつての恋人だった……/「残秋に満ちゆく」

               (集英社HPより)



猫好きなら涙腺崩壊の物語たち。
特に最初の話は・・・(/_;)


猫はその存在そのものが癒し。



                 ★★★★★

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