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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年11月

私の仕事は無罪にすることで、
真相を明らかにすることではない。
御子柴が元〈死体配達人〉だと知る
事務員・洋子が殺人容疑で逮捕された。
大人気「御子柴弁護士シリーズ」衝撃の最新刊!
12ヶ月連続刊行企画 第11弾!
一度心に巣くった獣は簡単に消えはしない――
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!?
三十年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた八百人以上からの懲戒請求書が届く。
処理に忙殺されるなか事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともに。
翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。
弁護人を引き受けた御子柴は、洋子が自身と同じ地域出身であることを知り…….。

                   (講談社HPより)




やはり、御子柴シリーズはおもしろい。

今回は、唯一の事務員・日下部洋子が殺人事件の容疑者として逮捕され
その弁護に、御子柴が立つ。



御子柴が14歳の時、園部信一郎として起こした当時4歳の佐原みどりちゃん
殺害事件が関わってくる。


少年法に守られて、凄惨な事件を起こしたのに社会復帰している元殺人者が
弁護士として法曹界で活躍していると知れば、誰でも多少の違和感を抱くだろう。

ましてや殺された側の家族としたら・・・


家族の心情を考えたら、やったことはいけないことでも同情は出来る。
けれど、被害者の家族でもないのに、偏った正義感で御子柴を攻撃する人たちは
愚かだと思う。


洋子という女性は、その点、凄い人だなと思う。
これからの御子柴との関わり方も楽しみになってきた。
長く続いて欲しいシリーズ。



                       ★★★★★
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発行年月:2021年1月


☆迷走する恋、疾走する小説。
☆恋愛における、ありとあらゆる感情を味わえる媚薬小説。
☆『エンキョリレンアイ』の著者が15年ぶりに放つ、せつない胸キュン小説。
++++++++++++++++++++++++++++++++++
結末がなかったら、作品は「いつまでもつづく」になってしまうか、あるいは、
単なる「書きかけ」のままで終わってしまう。書き上げられないまま、作者が
死んだってこともあるかもな(言っておくけど、僕は死なないし、主人公も彼
女も死なない。どっちかが死んで終わるラブストーリーほど、僕の嫌いなもの
はない! ラブストーリーで片方を死なせるのは、作者の怠慢である! 鼻息
荒いぞ)。ーーーー本文より

                  (ポプラ社HPより)



舞台は、大学の文学部の夏期特別講座。


彼氏に振られたばかりの堂島ことりと、その元カレの親友・熊野涼介。
二人が同じ講座を受講。

講師の現役小説家がペアを作り、それぞれが書いた短編小説をお互いに
添削するように指示。



20人ほどの受講生。
そのなかで二人がペアを組むことに。



こんな出来た設定・・・笑


小説のなかで小説を書く二人を描くのは面白い設定だった。



で、もうこの二人のコイバナだとわかり、最後はハッピーエンドなんだろうなと
予測つく。
でも、そのベタさが安心して読めた。

ササッと読み終えたけど、まあまあ楽しめた。



                      ★★★


発行年月:2020年12月


27人による短編アンソロジー。
自転車にまつわるエッセイ、小説、詩、漫画。
乗り始めた頃、思い出の風景、走るとは……
最も身近なのりものが、私たちの生活にもたらす喜び・愉しみを味わう。


                (河出書房新社HPより)




作家さん、漫画家さん、芸能人などいろんな分野で名の知られた人たちが
語る自転車話。



自転車に乗るまでの話を書いたものがいくつかあって面白かった。

夏目漱石とか萩原朔太郎は、自転車日記として、自転車の練習をする話が
書かれていて、なんだかおもしろかった。


角田さんの体験は、ちょっと気の毒。
それが原因で自転車に乗らなくなったんだとしたら本当に可愛そう。



最後も益田ミリさんの話は、ほのぼのしていて、情景が浮かぶし
自分もそんな場面に遭遇したら同じ行動して、同じ感情になるだろうなと
思った。


自転車・・・もう20年以上乗ってないなぁ~。
小学生の頃はほぼ毎日。
中学は、塾や少し離れた友人宅には自転車で。
高校は自転車通学だったのに。



面白いアンソロジーだった。



                       ★★★



発行年月:2020年5月


傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。
2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……
犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!

                    (文藝春秋HPより)




一匹の犬・多聞。
迷い犬として東北の震災地を彷徨い
色々な人に出会いそれぞれの人たちと寄り添いながら生きていく。

<男と犬>
中垣和正は震災後、仕事をなくし先輩の口利きで始めたバイトは、犯罪がらみ。
わかっているけれど、認知症の母親、その世話に明け暮れる姉のため、
自分が稼ぐしかない。
多聞とはコンビニ前で出会い、以後、いつも連れて行動。


<泥棒と犬>
最初の話で出てきた男の死後、代わりに飼うことになったイラン人のミゲル。
震災後の街なかで盗みをはたらいている。
故郷の家族に楽をさせたくて。
が、組織の者に追われることになり「ショーグン」と名付けた多聞を
解放。


<夫婦と犬>
中山大貴は登山道でのトレーニング、多聞に遭遇。
クマに遇う危険を回避する手助けをしてもらい、そのまま家に連れて帰り
飼うことに。妻も賛成。
トレーニングにも一緒に行くがある日、大貴は山から滑落。
その場にいた多聞は、そのまま姿を消す。


<娼婦と犬>
山道を車で走っている最中、道に寝そべる多聞を見つけた須貝美羽は、大怪我を
して動けなくなっている多聞を救急動物病院に連れていく。
そのまま手術となったが命は取り留めた。
動物病院で、埋め込まれたマイクロチップから岩手県で飼われていた4歳の牡犬と
わかる。
「レオ」と名付けて飼うことに。
美羽が多聞に遇ったのは、付き合っていた男を殺害し埋めた帰り。
そして、娼婦として働いているラブホで男の頭を殴り、そのまま逃走。
「レオ」を解放。


<老人と犬>
家の前でなにかの気配を感じ、弥一は家のまえにいた多聞を見つける。
以前は猟銃会に所属していたが、今は会からも脱退して静かに過ごしている。
民家近くにクマが出没するから、仕留めてほしいと猟銃会から頼まれるが
断る。
別のものに頼んだらしいが、失敗したと。
余命短い病状だが、最後の力をクマ退治に使う決心をし、山に入るが
クマと間違われて命を落とす。
自分の命が尽きたら・・・と多聞のことを頼んでいた。



<少年と犬>
多聞は、九州に。
林の中から突然、飛び出てきた犬に遇う内村徹。
がりがりで衰弱している犬を動物病院へ。
飼い主は釜石市の出口春子さんというが、震災で亡くなっていると。
内村一家も震災で釜石から九州に移転してきた。
震災後全く喋らなくなった息子・光だったが、多聞が来てからは表情が明るくなり
喋るように。
不思議なことに多聞と光は、釜石で既に交流があった。
5年の年月をかけて光の元に来たということがわかる。




犬の能力って凄いなと思う。
こんな風に気持ちが通じ合った人間のことをずっと覚えているものなのか?


多聞と出会う人たちは、過酷な境遇におかれた人たちばかりだったけれど
多聞が寄り添ってくれた期間は幸せそうだった。


やっと会えた少年とずっと長く暮らしてほしかった。




                         ★★★★★






発行年月:20年8月
「女の人の声が聞こえるんです」。 殺人の罪を認め、素直に聴取に応じていた被疑者が呟いた。 これは要精神鑑定案件か、それともーー。 身元不明の男性が殺害された。 加害者が自ら一一〇番通報し、自首に近い形で逮捕される。 これで、一件落着。 自分の出る幕はない、と警部補・武脇元は思っていたが……。 事件の真相に、あなたは辿り着くことができるか。 伏線に次ぐ伏線が織りなす衝撃のミステリー。

                  (幻冬舎HPより)




中西雪美(30歳)・・・雑誌の編集者。
浜辺友介殺害の容疑で逮捕。
自室で浜辺を殺してしまったと自ら110番通報。


取り調べで以前から聞こえるという女性の声。



それから場面は変わる。

少し前の少女の殺人事件。
その事件の真相を追っていた、寺田真由。
真由は亡くなった少女・美波の幼馴染だった。
そして、中西雪美の配属部署に所属していた。



最初は、中西雪美と寺田真由が、どっちか混乱したけれど
状況がわかってからは、面白かった。


親友だった美波を殺した犯人を突き止めた真由。
それを引き継ぐ中西雪美。


ふたりの掛け合いが楽しい。


表題の「もう聞こえない」とは、実際は違ったラストでよかった。




                       ★★★★

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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