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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年5月

40歳以上限定の結婚情報サービス会社「ブルーパール」で働く桐生恭子は、婚活界のレジェンドと崇められている。担当する会員のカップリング率一位のカリスマ相談員なのだ。恭子の発案で、大邸宅「M屋敷」に交際中の会員を泊まらせ、いっしょに暮らしてみるという「プレ夫婦生活」プランがスタートした。中高年の彼らは、深刻な過去、家族の存在、健康不安と、様々な問題を抱えているが……。
人生のパートナーを求める50代男女の滋味あふれる婚活物語

                  (光文社HPより)




カリスマ婚活相談員・桐生恭子(52歳)。
独身だけど、既婚者というスタイルで左薬指には指輪。

恭子の企画で交際中の会員に宿泊体験をしてプレ夫婦生活を体験してもらうという。



色々なカップルがそれぞれの身内を伴っての参加。
両家の顔合わせ的役割も果たす宿泊体験。

お互いのことを理解し、真剣交際に進むカップルあり、別れるカップルあり
その過程が野次馬根性的視点で見られて面白かったぁ~


やはり真剣交際に進むカップルの話の方が、ほのぼのしていて好きだった。


しかし、現実では、なかなか50歳前後のカップルが結婚するって難しいんだろうなぁ~。
本人同士だけの問題じゃないからね。

お互いの両親の介護とか、それぞれの健康面も気になる年代でもあるし・・・



独身の恭子自身がすごく好感の持てる女性なので、彼女が幸せになれると
いいのになぁ~と思いながら読んでいたので、ラストは、ちょっといいかんじになって
嬉しかった♪



                          ★★★★
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発行年月:2015年9月


娘は結婚、息子は就職、夫も元気で家計も安泰……だったのに、
ある日突然ふりかかる金難の数々! 
不況も税率アップもなんのその、ふつうの主婦が頑張る
長篇エンターテインメント。

                 (中央公論新社HPより)


主人公・篤子(51歳)の心情に共感しながら読んでいた。
貯金が1200万あり、そこから長女の結婚、舅の葬式と続き、貯金の残りは
300万まで減る。

しかも、篤子はパート先をクビになり、夫はリストラ・・・

考えただけで、不安要素満載の事態。
どうする???

姑が高級、介護施設に入居しているのを自宅で引き取り、大きな出費を
減らす。
そのうち、新しいパート先が見つかり、夫も知り合いのツテでなんとか再就職。

最悪の状況からは脱してホッとした。


色々、起きる困難に、なんとか解決策を見出す、篤子の奮闘ぶりは
応援したくなった。
夫は、やや頼りないものの、おおらかで篤子の意見に賛同して協力して
くれるのいい。

途中、心配した年金詐欺に片棒を担ぐような行動も大事に至らずよかった。
長女のDV問題も、勘違いだった様子でこれまたホッ。

色々なことが起きるけど、最後は丸く収まるのが垣谷さんの物語。
安心して読める。

しかし老後の資金、自分は?とふと心配になった。
物を買うときは、本当に欲しいものか、考えて購入しよう・・・^m^
お金は大事に使わないと

                        ★★★★


発行年月:2019年6月

いつかのあなたが、きっと、この教室の中にいる。著者渾身の感動作!

★2020年 難関校入試問題で出題多数! いま学校の先生がいちばん読んでほしい物語★

みんなと、居たい。みんなは、痛い。
教室がすべてだったあの頃の、まぶしさとしんどさがよみがえる。
教室というちっぽけな王国の先に、本当の世界が待っている。

六年三組の調理実習中に起きた、洗剤混入事件。
犯人が誰も名乗りでない中、担任の幾田先生はクラス全員にある言葉を言い放ち、去っていった。
先生の残酷な言葉は、誰かが守ってくれる子どもの世界に終わりを連れてくる。
いじられ役、優等生、『問題児』、クラスの女王の親友。
教室での立ち位置がまったく違う4人は、苦悩と希望を抱えながら自分の居場所を必死に探し求めていて……。

もくじ

第一章 

みんなといたいみんな ……クラスのいじられ役・尾辻文也の物語
第二章 こんなものは、全部通り過ぎる ……中学受験を控えた優等生・川島杏美の物語
第三章 いつか、ドラゴン ……うまく言葉で気持ちを表現できず『問題児』とされている武市陽太の物語
第四章 泣かない子ども ……クラスの『女王』カナの親友・見村めぐ美の物語
エピローグ 

                (角川書店HPより)

小学6年生のあるクラスの子どもたちの物語。
章ごとに主人公が変わる。


このころのって、ホント、学校の人間関係が全てだったかも。
特に小学生の高学年~中学生くらい。

クラスのなかには、なんとなくリーダーっぽい子が男女それぞれにいて、
勉強も良く出来て運動が出来きて、明るく活発ならリーダーとして合格。

でも、そんな子は実際少なくて、勉強が出来なくても、何か秀でたものがあって
(可愛いとか、喋りが面白くて明るいとか)リーダーっぽい存在になる子も。


クラス替えは、結構、緊張したし、気の合う子と友達になれるかで
学校生活が決まるかんじだったな~。


それでも、昔は、携帯とかなかったから、下校すれば、皆、それぞれひとり。
今は、その点、lineとかあるから、大変かもね。


物語のなかで、子どもたちは、建前と本音で結構、悩んでいる。

最終章では、このなかの一人が小学校の教師になって教壇に立ち、皆に
最初の挨拶をしている場面。

教師になった子は、目立たなかったけど、色々、冷静に皆を見ていた子。

生徒たちを前に「わたしは皆さんを知りたいと思い続けます」という言葉。
いいなぁ~。
上っ面の言葉や見せかけの態度だけで、人を決めつけないって大事。

教師になろうとしている人には、読んで欲しい!



                       ★★★★★





発行年月:2019年11月

わたしが人殺しになったのは、この街のせい――。

人格者と評判も高かった夫婦が、身体中を切り刻まれコンクリート詰めされて埋められた。
血を分けた娘と、その恋人によって……。その残虐性から世間を激震させた『文京区両親強盗殺人事件』から18年後。
事件をモチーフにした小説が週刊誌で連載されることになる。そこで明らかになる衝撃の真実とは!?

真梨ワールド炸裂! 極上のイヤミス長篇。
あなたは騙される快感を知る。

                 (徳間書店HPより)



凄惨な事件を小説として掲載する企画。

編集者の橋本(36歳)は、小説家・イイダチヨ(仮名)と共に、事件の関係者の
取材を進めていく。


事件の犯人は大渕秀幸(事件当時21歳)とその恋人・青田彩也子(当時18歳)。
大渕は死刑。彩也子は無期懲役。


取材相手は
市川聖子・・・元轟出版の代理編集長で今はフリーライター。
大渕を可愛がっていた。

オカダカオリ・・・青田彩也子の隣人で幼馴染。O大学准教授。

大渕礼子・・・・死刑囚大渕と法廷画家として会い、何度か面会し結婚。
大渕の再審裁判を開くため奔走。


途中、イイダチヨ=青田彩也子と読んでいる側も思わされてしまう
やり方は、巧い!
最後は気の毒過ぎるけど・・・(;O;)


最後に明かされる本当の黒幕は・・・・この物語のなかでは
ふつうの人物だった。
その人が、元の事件に関係があったとは・・・気づかないよ~


相変わらず、嫌な話だけれど、面白かった。



                      ★★★


発行年月:2019年8月


樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。
一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。
日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。
文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。

樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、
国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。
金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、
読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。

                (文藝春秋HPより)



納得の直木賞受賞作!
想像以上に素晴らしかった!


日本のアイヌ民族のヤマヨネタフと大国ロシアに理不尽な境遇に
置かされたポーランド人のプロニスワフ。


それぞれの物語が最初は、別々に語られ、それが合う瞬間は
感動!
自分の生きた場所を愛し、その場所が大きな力で押しつぶされそうな
状況をなんとか打開していこうと懸命に知恵と勇気ある実行力で
進む姿は、表題にある「熱」を感じるものだった。


良く知らない、アイヌのこと。
ポーランドの歴史のこと。

もっといろいろ、知りたいという気持ちにさせられた。


物語の構成もよく考えらていると思った。

冒頭のソビエトの女性伍長としてサハリンの地に立った
クルニコワが資料として手に取るのは、この後、語られる物語に
登場する者たちが遺したもの。
彼女も戦争によって今までの生活をガラッと変えられてしまった
ひとり。


最初に読んだときは、サラッと読んだ部分だけれど、すべて読み終えて
再び、この冒頭部分を読むと、なんとも言えないジ~ンと
来るものがあった。


今回、川越氏の作品を初めて読んだけれど、ほかにはどんなのを
書いているのか、凄く興味が湧いて来た!



               ★★★★★
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