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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年5月

松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、
結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。
学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、
かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、
ウェディングドレスを手作りすると宣言するが――「みなも」
いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、
息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、
子育てに大切な「失敗する権利」とは――「愛の泉」ほか全六章。
世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。

                  (集英社HPより)



連作形式の家族の話。

松岡清澄・・・16歳。高校入学をしたばかり。姉が結婚式で着るドレスを
見に行ったが気に入ったものがないと聞き、「僕がつくる!」と。
手芸が趣味で祖母の部屋で今でも刺繍をしたりしている。


水青(みお)・・・23歳。結婚を控えている。
事務員として働いている学習塾にコピー機のメンテナンスで出入りしていた
紺野と知り合う。
かわいいものが苦手。ひらひらしたおんなのこっぽい服が着られない。
その理由は、ちょっとした事件から。


さつ子・・・清澄と水青の母。市役所勤務。お金にルーズな夫とは離婚。


文枝・・・74歳。生前、夫が「若くないのに水着なんか着るなんてみっともない」と
言った言葉が忘れられない。プールに通うことを決心する。
家族みんなのことを優しく見守っている


全・・・さつ子の元夫。今は友人の縫製会社で働く。毎月、養育費として
お金を友人の黒田に届けさせている。


黒田・・・全の同級生で、黒田縫製所の後を継いで社長。
全の代わりに毎月、お金を届け、清澄と水青の写真を撮って全に見せる。
もはや二人の父親的心境。



家族それそれの想いが連作で語られる。
さつ子と全は離婚したけれど、憎みあって別れたわけではなく
水青の結婚式を機会に、新しい家族の絆が生まれそう。

出来上がったドレスは、きっと素敵だろうなぁ~。

温かい家族の話だったなぁ~。


前作<希望のゆくえ>がちょっと重めな内容だったので
こちらは温かいストーリーで良かった♪


                      ★★★
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発行年月:2020年6月

ある日、千春はバイト先の喫茶店で客が忘れていった一冊の本を手にする。それは誰からもまともに取り合ってもらえなかった彼女がはじめて読み通した本となった。十年後、書店員となった千春の前に現れたのは。人生は、ほんとうにちいさなことをきっかけに動きだす。たやすくない日々に宿る僥倖のような、まなざしあたたかな短篇集。

                  (新潮社HPより)



9つの短編集。

表題作は最初。
<サキの忘れ物>
サキは、詩人の【サキ】だった。

偶然、出会った人から受けたことがキッカケでその後の人生が変化していく
とても良いお話だったなぁ~。


物語の中に出てきた 文庫本の【サキ短編集】読んでみたくなった!



二番目の<王国>は、幼稚園児が主人公。
感性が豊かで、光を見つめているとラッパムシのデリラ(自分で名付けた)
が現れる。
けがをした膝の傷の様子を毎日、観察して、丸くて赤い湖のなかに
浮かんでいる三角形の島は、女王が治めている国。


最初のこの2つが好き!

ほかの作品もそれぞれ面白い。

<ペチュニアフォールを知る20の名所>
<喫茶店の周波数>
<Sさんの再訪>
<行列>
<河川敷のガゼル>
<真夜中をさまようゲームブック>
<隣のビル>


全部読んだあと、この表紙の絵を見ると、また楽しい気持ちになる。

短篇も面白いな。津村さん!


                       ★★★★


発行年月:2020年3月


弟が放火犯の疑いがある女と姿を消したらしいと、母から連絡があった。僕は彼と交流があった人物に会いに行ったが、弟の印象はそれぞれまるで異なっていた――。弟はどういう人間だったのか。誰のために生きてきたのか。僕たちの声は、弟に届くのだろうか。人生の「希望」とは何かを問う、話題の作家が拓く新境地。

                  (新潮社HPより)


希望って、名前だったんだ!とまず思った。


希望(のぞむ)が失踪。
兄の誠実(まさみ)は、弟のゆくえを探す。
弟の元彼女だったり、職場の後輩だったり、通っていた保育園の先生
だったり。
そこで、それぞれの人にとって弟はどんな人だったのか?を問う。

兄の誠実自身は、弟のことがよくわからない。

最後に弟と暫く一緒にいた重田くみ子の話になり、失踪当時の様子が
わかる。


希望は、人から何か頼まれて断ったことがないと聞いたが
ここでも、くみ子から一緒に逃げてに「いいですよ」と返事をしたらしい。


そして、希望は今、どこにいるのだろ?
希望自身の話が聞かれず残念だった。


しかし、希望と誠実、二人の両親も嫌な感じだったなぁ~。
父親は、威圧的。そんな態度に逆らうことなくふるまう母親は
ずっとそんな夫を憎んでいた。

だいたい、子どもに付ける名前からして・・・・(^^ゞ
押しつけの第一歩はこの名前かも。

嫌な話で、読後感もあまりよくはないけど、色々、考えちゃった。

「あの人いい人だよね」って言ったりするけど、なにをもっていい人
なんだろ?
嘘も言わない、嫉妬もしない、悪口も言わない、困ったひとを見たら
いつでも手を差し伸べるなんていう人がいたら、ロボットみたいだし・・・。


今まで読んだ寺地さんの話とは、雰囲気違うけど、こういうのも
良いと思う。


                   ★★★★


発行年月:2015年11月(2003年発行の新装改装版)


カーヴァーの「ぼくの船」から谷川俊太郎の「手紙」まで。江國香織が選び、解説を付した、ささやかで力強い59編の名詩。疲弊していく恋の詩もあれば、情熱的な愛の詩もある。そんな詩のアンサンブルをお楽しみください。
たぶんかなり無秩序で、むろんひどく偏った、でもどう見ても力強いアンソロジーです。力強すぎるかもしれません。――江國香織

                (いそっぷ社HPより)




江國さんが集めた詩たち。
どれも素敵。

名前しか知らなかった人も多いし、知らなかった人の作品も。

堀口大学の名前は聞いたことあるけれど、作品をいくつか読むと
どんな人物だったんだろう?こういう感性はどんな生活をしていて生まれたんだろ?
と人物に興味を覚えた。
ウィキペディアで調べたら、やはりなかなか面白い人生の様子。


クマのぷーさんの作者 A・Aミルンの<窓辺ではっている>
は以前何処かで読んで、「ああ~いい詩だなぁ~」と思ったので
載っていて嬉しかった。

窓ガラスにある雨粒に名前を付て流れ落ちる様子を見ながらの詩。
情景が浮かぶし、同じようなこと子どもの頃、やっていたので
なんだか凄く懐かしい気持ちにもさせてくれる詩。

巻末の解説で、一人息子のクリストファー・ロビンや自分の幼年期時代を
題材にした詩集「わたしたちは今六つ」是非、読んでみたい。

忘れずメモしておかなきゃ!

表紙の絵は、酒井駒子さん。
表題とともに凄くいい!

酒井さんの本も読みたくなった!


素敵な1冊でした♪
         

                       ★★★★★


発行年月:2019年11月

間もなく50歳を迎えようとした頃にスタートし、5年に渡って書き続けたエッセイが、ついに書籍化。
トーベ・ヤンソンや石井桃子さんの暮らしから「ひとりで暮らすこと」を考え、美空ひばりさんと同い年になったことに感慨し、体調に不安を覚えホットヨガや健康体操教室に参加、憧れの山歩きに挑戦したり趣味の俳句を楽しみ、長く一緒に暮らした愛猫を看取り……。
歳を重ねても、無理せずに、でも興味のあることに飛び込みながら、軽やかに丁寧にひとりの日常を送る様子を綴った、くすっと笑えて清々しいエッセイ集。

                     (幻冬舎HPより)



50歳を迎えることから5年間、書いて来たエッセイを加筆・修正して1冊にまとめたもの。


1965年生まれの小林さん。
ほぼ同年・・・^m^

14歳から仕事を始めたとあったけど、金八先生の頃かなぁ~。
それから20歳で初舞台。
今まで8つの舞台を経験しているのだとか。
へ~部隊も結構、やっていたのね・・・知らなかった。


小林さんが憧れる暮らしをしていた女性たち。

トーベ・ヤンソン  石井桃子  ターシャ・テューダ


みんな児童文学に関わっているのは、偶然か?と小林さんも言っていたけど
なるほどね。

映画「山のトムさん」は、石井桃子さんがモデルなんだとか。
確かに!
出版の仕事をしていたし、女性と同居生活していた!
トーベ・ヤンソンも女性のパートナーがいたとか。

ターシャは息子さんたち家族が今は似たような暮らしをしているのをNHKで観た。


憧れの暮らしだわね、確かに。
わたしには無理だけど。。。(^^ゞ


終活は元気なうちにとか、筋肉を衰えさせない努力はしていかなきゃとか
うんうんとうなずきながら読み終えた。


小林さんの映画、また見たくなってきた!


                       ★★★
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