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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年9月


浅草の油屋、利根屋の娘・お玉と、本所髄一の大店の主人との縁談が持ち上がったが、見合いの前日にお玉は置手紙を残していなくなってしまう。利根屋の命運を賭けて、身代わりとなったのは奉公人・おまい。当日、〝えにし屋〟を名乗る謎めいた女が現れ、おまいは美しく着飾らせてもらうが、その後もお玉の行方は一向に?めないままだった……。縁結びも縁切りも、自分らしくあるために。縁(えにし)を商いとするひとびとを描いた、心ふるえる時代ミステリー。

               (角川春樹事務所HPより)


新しいシリーズかな?

人の縁と縁を結ぶ「えにし屋」。
主は、才蔵。 そこに住むのはお初と7歳の少年・太郎丸。女中のお舟。


その一とその二の二つの話。

その一<花曇り>は、めでたしめでたしの話。
こんな和やかな話が続くのかと思いきや、二つ目の<夏の怪>は
本当に怪しい話。血なまぐさい話。

そして、お初と才蔵の、えにし屋以前の暮らしや二人の関係も明かされる。
しかし、吉野作之助は、本当に気の毒。
善人ゆえ哀しい結末になってしまった。
妻の孝子は、恐ろしい女だ。


えにし屋の物語、また読んでみたい。
続きが出るのなら楽しみ。


                   ★★★
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発行年月:2020年9月


九州北部にある人口300人の小さな星母(ほしも)島。そこで育った千尋は1年前に戻ってきて、託児所を併設した民宿を営んでいた。島には「母子岩」と呼ばれる名所があり、家族・子供・友達のこと……悩みを抱えたひとびとがそのご利益を求めて訪れる。複雑な生い立ちを抱える千尋は、島の人達とお客さんと触れ合いながら、自らの過去と今を深く見つめていく。明日への新しい一歩を踏み出す「強さ」と「やさしさ」が心に沁みる、書き下ろし長篇小説。

            (角川春樹事務所HPより)



千尋の生い立ちは、やや複雑。
貰い子として育った地に戻って、民宿「えとう」を育ての母から
受け継ぐ。
保育士の資格を活かし、島の保育園が開いていない時間帯でも
子どもを預けたいという人のために、夜間と土日、子どもを預かって
いる。


千尋は、どちらかというと無愛想。
それでも子どもに対する目線は、温かく、ちゃんと見守っている。
ことばで可愛がったりはしない。
そういう考え方に大いに共感。

そして、千尋を支える麦生。
島から離れた場所で、ベビーシッターサービスの会社で働いて
いたとき、食べに行ったレストランの厨房で働いていて知り合った
そうだけど、二人の恋人同士にしてはドライな関係もいい。

島を訪れる人たちは色々な女性たち。

子育てで疲れ果てて訪ねてきた理津子。島から帰ってからも
何かと連絡をしてきて、なんだか逞しくなったかんじ。


表題の意味は、親にとっても子どもは天使そのものだけど
子どもがその期待に押しつぶされている場合もあるという話。

子育てはみな、それぞれが大変だよね。
子育て中のママたち、がんばれ!と思いながら読んだ。

という自分も孫の子守りで結構、ハードな日々だけど
がんばろうと思えた・・・^m^



               ★★★


発行年月:2020年8月

白いワンピースに、麦わら帽子。
廃ビルに現れる都市伝説の“少女”とは?
古道具店を営む兄と、ときおり古い物に秘められた“記憶”が見える弟。
ある日、ふたりはビルの解体現場で目撃された少女の噂を耳にする。
再開発予定の地方都市を舞台にした、ファンタジックミステリー。

                 (集英社HPより)



ホラーの要素もミステリーの要素も十分にあるのに、なぜか清々しい。
古道具屋を営む兄の太郎とその手伝いをする弟・散太の日常が
いいかんじの緩さだからかな?


二人の苗字が変わっている。最初読み方間違っていて途中で調べた(^^ゞ

「纐纈」(こうけち)って読むんだ~。「こう」はなんとなく読めたけど
そうか!「纐纈染め」ってあるもんね。

そしてまた途中から登場する「醍醐覇南子」さん。「だいごはなこ」さん。

なんと兄弟の母親の旧姓だったそうで、醍醐から結婚して纐纈って、普通ないよね~。
と一人にんまり。


二人の両親はともに建築家で、仕事の帰りに二人で交通事故に遇い、亡くなっている。
二人は、1930年竣工の阿久津ホテルが解体されそのなかに使われていたタイルを
使った建築物を探していたらしい。

弟の散太には、時々、触れたものから過去の情景がみえる不思議な能力があり
ホテル由来のタイルに触れると、強烈な熱を感じ、色々なものが見える。


物語のなかにでてくる「スキマワラシ」は、兄弟だけがそう呼んでいる
解体される建物に現れる謎の少女。
麦わら帽子に白い夏のワンピースの姿はいつもおなじ。
兄弟も別々のところで少女に遭遇していて、「ハナちゃん」を探している様子。
ハナちゃん=ダイゴハナコ?

弟の過去を見られる能力で、散太は、まだ自分が生まれる前の両親に遇う。
その時の場面が、なんともいえない。
こんな風に会えたら嬉しいな。

自分の名前がなぜ「散太」なんだ?という疑問も、え?そういうこと?
と笑ってしまったけど。



全体を通じてのなんだか、ふわふわと夢のなかの話のようなかんじが心地いい。

結局、スキマワラシと呼ばれた少女は誰だったんだ?
なぜ、解体現場に現れていたのか?
ダイゴハナコとの関係は???
両親はなぜ、ホテル由来のタイルを探していた?



謎は謎のまま終わる。
でも、ま、いいか。

この不思議な物語を楽しめたから。


                       ★★★


発行年月:2020年8月

ただ立っているだけで圧倒的なオーラを放つスター、堀尾葉介。アイドルグループ「RIDE」の一員として十四歳でデビュー。二十二歳のときに演技の勉強のためにアイドルの座を捨てる。地道に努力の続け、アクションから時代劇までこなす実力派の俳優と評価されている。容姿と才能に恵まれ、誰もが好感を持ち、賞賛する男──。過去に縛られ、不器用に生きている人々が彼とすれ違うとき、人生に変化が訪れる。その葉介も過去に縛られていた……。

               (光文社HPより)




アイドルから俳優に転身した堀尾葉介。


彼に関わった人たちの話が、連作形式で続いていく。


<垣見五郎兵衛の握手会>
俳優養成所にいた若い頃、若手俳優として時代劇に初めて出演する葉介に
刀を納める手ほどきをした男の話。
一緒に俳優を目指していた、しのぶの娘を偶然、雑誌で見つけアイドルとして
頑張っている様子を見ようと握手会へ。


<だし巻きとマックイーンのアランセーター>
商店街で鶏卵店を営む小西章(41歳)独身。
父と母がやっていた店を引き継いている。
葉介が16歳のとき、店に「思い出ごはん」という番組のロケで店の「だし巻き」を
食べに来て懐かしい子ども時代を語ってくれたことで店の看板商品になった。


<ひょうたん池のレッド・オクトーバー>
23年前、村下九月の人生を変えたのは、白い傘をさして来た女。
当時、小学5年生の堀尾葉介が転校したばかりで学校では虐めにあい
学校に行けないことを心配していた母親・佐智。
二人で釣り堀に遊びに来るようになり村下は佐智と深い関係に。
葉介に目撃され、佐智の夫にも知られ別れた。


<レプリカとよもぎのお守り>
森の塩というレストランを手伝っている龍彦は車イスが壊れ困っている
老夫婦に出会い、車で家まで送ったのを機にレストランの常連に
なってくれた。
夫婦の子どもが堀尾葉介。
後日、葉介が店に両親がお世話になったと挨拶に



<真空管と女王陛下のカーボーイ>
ペット探偵をしている丸子浩志の元に映画の取材として堀尾葉介が
一人で訪ねてくる。
女王陛下と言う名の猫を一緒に探す。


<炭焼き男とシャワーカラーリング>
堀尾葉介に似ているとバイク便をしていた10年前にお世話になっていた
先輩から言われていた。
娘が堀尾葉介の大ファンでと。
そんな先輩は自死。
楽しそうに家族の話を聞かせてくれていたのに、実は妻も娘の交通事故で
亡くしていたという。


<ジャックダニエルと春の船>
大型貨物船の船長で、海の上にいることが多い玉木順二(35歳)。
妻は出産時に死亡、子どもも助からなかった。そんな報せも海の上。
順二には幼い頃、転校生の堀尾葉介が虐めっこに虐められるのを止められ
なかったことがずっと気がかり。実家に帰ったとき、ひょうたん池のほとりに
家を建てているという堀尾葉介に再会。
自分の罪を詫びる。


<美しい人生>
ひょたん家のほとりの家が完成。
2階のトニーモンタナの部屋(映画に出てくる)を再現した部屋で
色々な過去を思い返す。



最後の章で、堀尾葉介の壮絶な過去が語られる。
葉介自身が重たいものから解放されて、幸せな人生をこの後、
送れるといいなと思った。

辛い過去がありながら、他人に対して誠実な態度は好感が持てるけれど
周りを常に気にしているからかな?と切なくなった。
最後に知り合った母子といい関係が続くといいな。



読みやすく、一気読み。


                     ★★★★


発行年月:2016年3月


人気絵本作家・イラストレーターのヨシタケシンスケが駆け出しの頃に自主制作した幻のイラスト作品集、待望の復刊!!
日常のさりげないひとコマを独特の角度で切り取った、思わず笑いがこぼれる"共感"が詰まったスケッチ集です。

*2002年、ヨシタケ氏の個展開催にあわせて作品集「デリカシー体操」のオリジナル版が自主制作され、その後、2004年に内容を加筆・修正・再構成してソニーマガジンズより『やっぱり今日でした』として刊行(現在絶版)。本書は、2002年制作のオリジナル版に新作を加えて復刻したものになります。

                  (グラフィック社HPより)



時々、見かけるイラスト。
ヨシタケシンスケさんという人が描いているんだ~とわかり
本を借りてみた。

かわいい。小さいイラストに言葉が添えられている。
日常の一コマを描いたものは、「ああ、あるあるそういう風景」と思ったり
ヨシタケさんの考え?のような文言には、なるほどね・・・と思ったり


P137の1人が助かると4人が助からないのイラストは
絵は可愛いけど、想像すると恐ろしい状況で、ドキッとしたな~。


それからP230の
たとえばボクがいなくなってもいなくなった理由を悲しんだりせずに
ただいなくなったという事実だけを悲しんでほしい

の言葉は、妙にジ~ンときた。
最近、自死のニュースが多いからかな?



色々、本を出されているようななので、また別のも見てみたい。

                   ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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