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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年8月

 二子玉川グレース病院で看護師として働く堤素野子は、31歳になり今後のキャリアについても悩みながら忙しい日々を過ごしていた。患者に感謝されるより罵られることの方が多い職場で、休日も気が休まらない過酷なシフトをこなすが、整形外科医である恋人・翔平と束の間の時間を分かち合うことでどうにかやり過ごしていた。
 あるとき素野子は休憩室のPCで、看護師と思われる「天使ダカラ」という名のツイッターアカウントを見つける。そこにはプロとして決して口にしてはならないはずの、看護師たちの本音が赤裸々に投稿されていて……。心身ともに追い詰められていく看護師たちが、行き着いた果ての景色とは。
 映画「いのちの停車場」やNHK連続ドラマ「ディア・ペイシェント」など、数々の話題作を送り出してきた、現役医師でもある著者の最新作!終末期の患者が多く入院する病棟で働く女性看護師の目を通して、医療現場の現実や限界をリアルに描いたエンタメ長編!
 患者さんに、最期まで笑顔でいてほしいから--

                    (小学館HPより)



卒業して最初の職場は総合病院で3交代勤務をしていた。
まさに、ここに書かれている通りのことを4年間続けて、一緒に働く人たちには
申し訳ないけれど、こんな労働していたら、壊れると感じて転職した。

感謝されることもあって、その時は嬉しいけれど、そうじゃないことの
方が断然、多い職場。


主人公・素野子(31歳)は、良い看護師だと思う。
でも、あまりにも理不尽なクレームが続けば精神的にかなり追い詰められる
のは当然。
人間だから、感情のコントロールが難しいときも出てくる。
読んでいると、辛くなる。


恋人の翔平との別れもダメージ大。
優しくて素野子のよき理解者だと思っていたのに、がっかり。


新人看護助手の小山田貴士(29歳)は、いい助手になりそうで
素野子のよき理解者にもなっていて、唯一の希望かな?



                        ★★★

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発行年月:2020年10月


「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。滅亡を前に荒廃していく世界の中で「人生をうまく生きられなかった」四人が、最期の時までをどう過ごすのか――。圧巻のラストに息を呑む。2020年本屋大賞作家が贈る心震わす傑作。

                 (中央公論新社HPより)



あと1か月でみんな死ぬって凄い状況のなかでの話。

どうせ死ぬんだからとハチャメチャなことを平気でする人たち。
主人公・江那友樹は17歳(高校2年生)は、ぽっちゃり体形で大人しく
同級生の井上のパシリ。

その友樹が憧れる校内イチの美形藤森雪江を守るために、残りの1か月を過ごす。

友樹の母親・静香(40歳)と目方信士(40歳)も加わる後半は楽しい。
もうすぐ滅亡する世の中だから生まれた絆。

最期がこんなんだったら、いいかも。

全然、悲壮感がなく、楽しい物語。

スピンオフの巻末にあった付録の物語も良かった♪



                       ★★★★


発行年月:2021年12月


たいせつなひとの死、癒えることのない喪失を抱えて、生きていく――。凍てつくヘルシンキの街で、歴史の重みをたたえた石畳のローマで、南国の緑濃く甘い風吹く台北で。今日もこうしてまわりつづける地球の上でめぐりゆく出会いと、ちいさな光に照らされた人生のよろこびにあたたかく包まれる全6編からなる短篇集。

                      (新潮社HPより)




6つのお話、それぞれ良かった。
親しい人を亡くした喪失感から再生していく過程が描かれている。


<夢の中>
この話は、親しかったというわけではないけれど、BFと30年前に訪れた
金沢での夜の話。
喧嘩別れした彼を置いてひとりで食事を摂っていたときに出会ったおじさん達
との思い出。


<SINSIN  AND  THE  MOUSE>
2人暮らししていた母が亡くなり落ち込んでいたら
新婚の友人夫婦が台北への旅行に誘ってくれて同行する。

旅先のちょっとしたことが良い再生のキッカケになって良かった



<ミトンとふびん>
お互いの母親に結婚を反対されていたけれど・・・
フィンランドの凍てつく寒さのなかでも旅行を楽しみながらそれぞれの
母親のことを思い出す。

レストランのクロークのおじさんからの話は、本当に二人には宝物の
ような思い出になるだろうな~。
天国ではそれぞれのお母さんも温かく見守っていてくれると思う。
ファッツェルのチョコ、食べてみたくなった!



<カロンテ>
イタリア留学中に交通事故死した親友で幼馴染の真理子。
その真理子の婚約者・マッテオに会うため、イタリアへ。
再会し、二人で真理子を思い出しては泣く。
マッテオの友人・ジャンルーカが偶然、通りかかり話に加わったことに
よって、悲しみから現実に戻される。

真理子が日本人の男性と親しくなっていた話を聞いていたが、その人・細田健一
にも偶然、会えて、彼はゲイで真理子とは友達として親しくしていたことを
知り、思いがけないプレゼントも貰い、それはマッテオにも渡される。

真理子って素敵な人だったんだろうな。



<珊瑚の指輪>
おばあちゃんの形見の珊瑚の指輪をリメイクして付けていた母。
その母が亡くなり、その指輪は自分がつけている。

遺品の整理について。
一挙に何もかも片付けてしまいたい人とじっくり時間をかけて
整理したい人がいるんだな。
自分は、どちらだろう。じっくり派かな?



<情け嶋>
夫に好きな人が出来て、子どもまで出来たと知り、離婚。
ゲイの友達・春夫がここに住めばいいよと。お言葉に甘える。
その後、春夫の恋人・義人も一緒に暮らすことに。


こんな暮らしも気楽そうで、ちょっといいな。


死がテーマだけれど、温かい気持ちになれるのはいい

                       ★★★★



発行年月:2021年6月


昭和五十二年。元刑事・蓑島周平と元医者・花の夫婦の駐在生活も三年経ち、すっかり村の一員に。だが相変わらず雉子宮には、事件の種はつきないようで――。冬 木曜日の雪解けは、勘当者病気で倒れた村長さん。そこに勘当された娘が戻ってきた!春 土曜日の来訪者は、スキャンダル世間が芸能スキャンダルに沸く中、村に自称小説家の男が表れて……?夏 日曜日の幽霊は、放浪者山で度々起きるお化け騒ぎ。その悲しき真相は……?秋 木曜日の謎は、埋蔵金村に埋蔵金発掘のテレビが! でもそこにはとんでもないものが埋まっていた……。家族の絆と人の優しさが胸を打つ。「東京バンドワゴン」シリーズ著者による大好評短編シリーズ第三弾。

                     (中央公論新社HPより)


昭和の懐かしい話も出て来て、ほんわか。
村は平和だけど、なにから他所から来る人が、ちょっとした問題を持ち込んでくる。


最初の話は、村長の次女で勘当され暫く村に帰ってきていなかった貴子さんが
登場。
尊重の兄・剛とも和解。
村長と兄は、病で亡くなってしまうのだけど、貴子さんは、これからは、この村に
もっと頻繁に来ることになりそうだな。


二番目の話は、芸能界や政界のスキャンダルが村に持ち込まれる話。

三番目の話は、自殺しようと山に入った男が以前、そこに住んでいて
山のなかで亡くなった男の子(幽霊)に助けられるという話。

四番目は村の山に埋蔵金があるということでテレビの取材まで入るが
人骨(頭蓋骨)が出て、埋蔵金探しは中止になるという話。
これはちょっと切ない昔の村の秘密。
姥捨て山とか、昔は、本当にあったんだなぁ~と考えると今は幸せな時代だな
とつくづく思う。


大した事件は起きないけれど、なかなか面白い。

これは今から40年以上前のこと。
今の村はどうなっているのかなぁ~?



                         ★★★



発行年月:2021年11月


ここは、再生の場所。
NHK BSプレミアム「山女日記3」原作小説。
幅広い層に支持されたベストセラー、待望の第2弾。
「通過したつらい日々は、つらかったと認めればいい。たいへんだったと口に出せばいい。そこを乗り越えた自分を素直にねぎらえばいい。そこから、次の目的地を探せばいい。」
後立山連峰
亡き夫に対して後悔を抱く女性と、人生の選択に迷いが生じる会社員。
北アルプス表銀座
失踪した仲間と、ともに登る仲間への、特別な思いを胸に秘める音大生。
立山・剱岳
娘の夢を応援できない母親と、母を説得したい山岳部の女子大生。
武奈ヶ岳・安達太良山
コロナ禍、三〇年ぶりの登山をかつての山仲間と報告し合う女性たち。
……日々の思いを噛み締めながら、一歩一歩、山を登る女たち。頂から見える景色は、過去の自分を肯定し、未来へ導いてくれる

                        (幻冬舎HPより)


イヤミスじゃない心温まるお話。

山登りする人なら、景色も浮かぶんだろうなぁ~。
4つの話どれも良かった。
山登りしながら、また前を向いて歩いて行こうと気持ちを新たにする話
なので、読後感も爽やか。


特に最後の話が良かった。
事故死した兄の代わりに京都の老舗和菓子屋を継いだ女性の葛藤。
偶然、山登りの同じ場で、自身のお店の和菓子を山登りのお供にしてくれている
夫婦の会話を聞き、迷いが吹っ切れる。
その夫婦は、最初の話に出てきた綾子さんとそのご主人かな?


工藤夕貴さん主演のドラマも好き。
また続編、書いて欲しいなぁ~。




                      ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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