発行年月:2012年5月
廃墟でおこるステキな奇跡
人生に疲れたら、うら寂しい場所に行ってみよう。何かが背中を押してくれる。閉じこもりOL、家出少年、行きづまった事業主――彼ら彼女らの今を劇的に変化させる6つの物語。
「誰かいるのか」
返事はない。見間違いや気のせいではなかった。確かに誰かがいた。スプレーの落書きをした連中の仲間か。それとも、最近増えているという廃墟巡りを趣味にしている物好きか。
「いるんだろう?」
背後にも注意しながら、一歩二歩と近づく。鉄骨階段の陰に誰かがしゃがみ込んでいる。手すり越しに覗くと、お下げ髪がふたつ、見えた。その手許にきらりと光る棒がある。魔法の杖みたいだ、と思う。ディズニーアニメのティンカー・ベルがちょうどあんな棒を持っていたっけ……。――<表題作より>
(講談社HPより)
6つの短編集。
「廃工場のティンカ-ベル」
廃工場に居た19歳の風俗嬢。
彼女はある揉め事に巻き込まれそれにより人を殺めてしまったと思い込んでいた。
たまたまそ仕事でそこを訪れた一級建築士の片平がその誤解を解いてあげる。
「廃線跡と眠る猫」
13年前に可愛がっていた半ノラの猫・フタバ。
フタバが好んでよく居た線路は今は廃線になっている。
そこに行方が分からなくなった日を命日に決めてお供えものをする美野里。
偶然にも職場でお人よしで有名な男性・野島からフタバのその後を聞く。
「廃校ラビリンス」
中学生の拓人は今は廃校になった校舎に忍び込み、警備員のヤマダに見つかる。
ヤマダは拓人の通っていた学校の卒業生だった。
「廃園に薔薇の花咲く」
今は廃園になった元遊園地。
そこに入る中学生の美緒と祥。
祥は家庭問題で悩んでいた。
「廃村の放課後」
以前住んでいた廃村となった村を訪れる。
妻となる人とその息子とともに・・・。
「廃道同窓会」
今は45歳の元山岳部だった3人は、仲間の遺灰を山頂から撒くため登山する。
元部長だった雅恵は術後のため、段取りだけを整えてくれた。
そして登山中、一人が怪我のためリタイア。
残る二人は共に家庭内に悩みを抱えていた。
それぞれの話のなかの人物たちは、何らかのことを思い悩んでいる状況。
そんな人たちが訪れた今は使われて居ない場所で、新しい気持ちを思い起こす話。
どの話も最後は、明るい気持ちで前を向いて頑張ろうというかんじなので
読後感が良かった!
猫好きとしては二番目の「廃線跡に眠る猫」がジ~ンときた。
姿を消したままの猫の最期が辛いものじゃなかったとわかって良かった。
職場でお人好しとしてしか見ていなかった野島の優しさが美野里にも伝わって
今後の、この二人の関係は・・・・?なんて想像もすると楽しかった。
廃墟でおこるステキな奇跡
人生に疲れたら、うら寂しい場所に行ってみよう。何かが背中を押してくれる。閉じこもりOL、家出少年、行きづまった事業主――彼ら彼女らの今を劇的に変化させる6つの物語。
「誰かいるのか」
返事はない。見間違いや気のせいではなかった。確かに誰かがいた。スプレーの落書きをした連中の仲間か。それとも、最近増えているという廃墟巡りを趣味にしている物好きか。
「いるんだろう?」
背後にも注意しながら、一歩二歩と近づく。鉄骨階段の陰に誰かがしゃがみ込んでいる。手すり越しに覗くと、お下げ髪がふたつ、見えた。その手許にきらりと光る棒がある。魔法の杖みたいだ、と思う。ディズニーアニメのティンカー・ベルがちょうどあんな棒を持っていたっけ……。――<表題作より>
(講談社HPより)
6つの短編集。
「廃工場のティンカ-ベル」
廃工場に居た19歳の風俗嬢。
彼女はある揉め事に巻き込まれそれにより人を殺めてしまったと思い込んでいた。
たまたまそ仕事でそこを訪れた一級建築士の片平がその誤解を解いてあげる。
「廃線跡と眠る猫」
13年前に可愛がっていた半ノラの猫・フタバ。
フタバが好んでよく居た線路は今は廃線になっている。
そこに行方が分からなくなった日を命日に決めてお供えものをする美野里。
偶然にも職場でお人よしで有名な男性・野島からフタバのその後を聞く。
「廃校ラビリンス」
中学生の拓人は今は廃校になった校舎に忍び込み、警備員のヤマダに見つかる。
ヤマダは拓人の通っていた学校の卒業生だった。
「廃園に薔薇の花咲く」
今は廃園になった元遊園地。
そこに入る中学生の美緒と祥。
祥は家庭問題で悩んでいた。
「廃村の放課後」
以前住んでいた廃村となった村を訪れる。
妻となる人とその息子とともに・・・。
「廃道同窓会」
今は45歳の元山岳部だった3人は、仲間の遺灰を山頂から撒くため登山する。
元部長だった雅恵は術後のため、段取りだけを整えてくれた。
そして登山中、一人が怪我のためリタイア。
残る二人は共に家庭内に悩みを抱えていた。
それぞれの話のなかの人物たちは、何らかのことを思い悩んでいる状況。
そんな人たちが訪れた今は使われて居ない場所で、新しい気持ちを思い起こす話。
どの話も最後は、明るい気持ちで前を向いて頑張ろうというかんじなので
読後感が良かった!
猫好きとしては二番目の「廃線跡に眠る猫」がジ~ンときた。
姿を消したままの猫の最期が辛いものじゃなかったとわかって良かった。
職場でお人好しとしてしか見ていなかった野島の優しさが美野里にも伝わって
今後の、この二人の関係は・・・・?なんて想像もすると楽しかった。
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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