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6117Br6VI9L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年6月


とある町の図書館に出没する話虫(はなしむし)。
漱石「こころ」のなかに入り込み名作はメチャクチャに。
架空の物語世界を舞台に図書館員たちの活躍が始まる



                      (筑摩書房HPより)




本のなかに入り込み、物語の内容を変えてしまう話虫。
そして、話虫は夏目漱石の「こころ」のなかに入り込んだらしい。
その退治のため、図書館勤務のわたしは、話のなかに入り込み、登場人物たちの観察をしつつ、物語が元の内容に戻るようにしなければならない。
話虫を見つけたら、干さなくてはならない。

物語のなかに入り込んだのは、図書館員、糸井馨。
「こころ」のなかに入って、妹尾家に下宿する。
下宿屋の奥さんは、節子さん・・・・「こころ」でも「わたし」が下宿する家の奥さんは節子さん。
節子さんのお嬢さんは、静さん・・・・「こころ」では「お嬢さん」に当たる人。
そして、友達の圖中和生と桑島芳蔵・・・・桑島が「こころ」のなかで「K」とされる人。
それから・・・・夏目漱石やら、石川啄木、小泉八雲まで登場する。

原作の「こころ」では、下宿屋のお嬢さんを巡っての恋のかけひきがあり、それに破れた「K」は自殺するという内容。
その原因を作ってしまった若いころの「先生」はその後、罪を感じて行き、最後は自分も命を絶つというかんじだったと記憶している。


話虫が変えたらしい「こころ」では、そんな暗い雰囲気はなく・・・・話のなかに入り込んだ糸井も「K」は自殺することになっている、桑島を自殺に追い込まないといけないのか?と悩む。

さていったいこの物語はどうなる??

最終的には、誰も死なずによかった。
時空を超えた友情物語として落ち着いたかんじ。


素晴らしいアイデアから出来た物語でした♪

「こころ」をもう一度、読み返したくなります。
逆に読んでない人には、面白さ半減かも?


★★★★★
 
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