発行年月:2008年10月
自分の知性をひた隠し、アパルトマン管理人の典型を生きようとする未亡人ルネ。大人たちの世界のくだらなさに幻滅し、自殺を志願する12歳の天才少女パロマ。二人は並外れた感性と頭脳を持ちながらも、世間との係わりを拒み、自らの隠れ家にこもっていた。しかし、ミステリアスな日本人紳士オヅとの突然の出会いによって、二人の未来は大きく開かれるのだった-----哲学、映画、音楽、絵画、文学、そして日本文化へ自由自在に言及しながら、パリの高級アパルトマンに住む人々の群像をユニ-クに描き上げ、今世紀フランス最大のベストセラ-を記録した感動物語
(本の解説文より)
文芸誌に載っていて、今世紀最大のベストセラ-というので、ちょっと読んでみました。
舞台はパリの高級アパ-ト。
主人公は、そこの管理人。
前に読んだ、物語も偶然にもアパ-トの管理人が主人公だった!
こちらの主人公・ルネもとても常識的な人。
最初、自分をひどく卑下する言葉で自己紹介的な文がありますが、それは謙遜だと、読み進めていく段階で理解できます。
しかし、その生い立ちや結婚生活(夫は若くして癌で亡くなった)から負った諸々のことが彼女を本来の彼女の良さを、表面に出さないことで守ろうとしていたかんじ。
主人公はルネだと思いますが、アパ-トの住人のうち12歳のパロマがもう一人の物語の語り手として、登場します。
彼女は、優秀な頭脳の持ち主ですが、両親や姉、周りの人たちに対して、幻滅しています。
そして、日にちを決めて、その日に自殺しようと自身の日記に記します。
彼女が多くの人に対して、幻滅しているのですが、管理人のルネに対しては「優雅なハリネズミ」と形容しているあたり、二人には、何やら通じるものがありそうと予感させます。
優雅なハリネズミ=外見は棘でおおっていても心は高貴 とパロマの予想。
そして、二人があるとき、出会い、会話をする場面は、ジ~ンとしました。
ルネ54歳。パロマ12歳。
二人は親子以上の年の差ですが、友情には年齢なんて関係ないのだ!と思わせてくれました。
自分を理解し、認めてくれる人の存在が心を明るくする。
パロマの自殺願望が少しずつ薄れていく様子は、爽快。
そして、更に、日本人男性、オヅ氏の登場。
ルネは、いろいろな知識が豊富な人で、日本の映画、小津安次郎の作品「宗方姉妹」のファンであったことから、すぐにオヅ氏にも興味を持ちます。
オヅ氏は小津安次郎とは無関係な人なのですが、日本のいろいろな話を二人でして盛り上がる様子は楽しい。
著者自身もルネ同様、その映画が好きだそう。
わたしは、まだ、見ていない作品ですが、ちょっと見てみたくなりました。
人間関係に稀薄だったルネとパロマに更なる友人の登場で、ちょっと楽しくなってきたのに・・・
終盤あたりで・・・・えぇ~っ!?という事件!
なんだか、読んでいたわたしまで、ショックでした。
なんで、こんな展開にしちゃうのぉ!
でも・・・・・よく考えたら、これもありかな?
自殺願望を持ち、本当に死のうとしていたパロマが、生きるということに今度は力強く向き合うためには、こういう事も物語的には必要だったのかも。
最初は、やや難しい哲学的な話などで始まった物語でしたが、読んでいるうちに段々と引き込まれて行きました。
おもしろかったです!
自分の知性をひた隠し、アパルトマン管理人の典型を生きようとする未亡人ルネ。大人たちの世界のくだらなさに幻滅し、自殺を志願する12歳の天才少女パロマ。二人は並外れた感性と頭脳を持ちながらも、世間との係わりを拒み、自らの隠れ家にこもっていた。しかし、ミステリアスな日本人紳士オヅとの突然の出会いによって、二人の未来は大きく開かれるのだった-----哲学、映画、音楽、絵画、文学、そして日本文化へ自由自在に言及しながら、パリの高級アパルトマンに住む人々の群像をユニ-クに描き上げ、今世紀フランス最大のベストセラ-を記録した感動物語
(本の解説文より)
文芸誌に載っていて、今世紀最大のベストセラ-というので、ちょっと読んでみました。
舞台はパリの高級アパ-ト。
主人公は、そこの管理人。
前に読んだ、物語も偶然にもアパ-トの管理人が主人公だった!
こちらの主人公・ルネもとても常識的な人。
最初、自分をひどく卑下する言葉で自己紹介的な文がありますが、それは謙遜だと、読み進めていく段階で理解できます。
しかし、その生い立ちや結婚生活(夫は若くして癌で亡くなった)から負った諸々のことが彼女を本来の彼女の良さを、表面に出さないことで守ろうとしていたかんじ。
主人公はルネだと思いますが、アパ-トの住人のうち12歳のパロマがもう一人の物語の語り手として、登場します。
彼女は、優秀な頭脳の持ち主ですが、両親や姉、周りの人たちに対して、幻滅しています。
そして、日にちを決めて、その日に自殺しようと自身の日記に記します。
彼女が多くの人に対して、幻滅しているのですが、管理人のルネに対しては「優雅なハリネズミ」と形容しているあたり、二人には、何やら通じるものがありそうと予感させます。
優雅なハリネズミ=外見は棘でおおっていても心は高貴 とパロマの予想。
そして、二人があるとき、出会い、会話をする場面は、ジ~ンとしました。
ルネ54歳。パロマ12歳。
二人は親子以上の年の差ですが、友情には年齢なんて関係ないのだ!と思わせてくれました。
自分を理解し、認めてくれる人の存在が心を明るくする。
パロマの自殺願望が少しずつ薄れていく様子は、爽快。
そして、更に、日本人男性、オヅ氏の登場。
ルネは、いろいろな知識が豊富な人で、日本の映画、小津安次郎の作品「宗方姉妹」のファンであったことから、すぐにオヅ氏にも興味を持ちます。
オヅ氏は小津安次郎とは無関係な人なのですが、日本のいろいろな話を二人でして盛り上がる様子は楽しい。
著者自身もルネ同様、その映画が好きだそう。
わたしは、まだ、見ていない作品ですが、ちょっと見てみたくなりました。
人間関係に稀薄だったルネとパロマに更なる友人の登場で、ちょっと楽しくなってきたのに・・・
終盤あたりで・・・・えぇ~っ!?という事件!
なんだか、読んでいたわたしまで、ショックでした。
なんで、こんな展開にしちゃうのぉ!
でも・・・・・よく考えたら、これもありかな?
自殺願望を持ち、本当に死のうとしていたパロマが、生きるということに今度は力強く向き合うためには、こういう事も物語的には必要だったのかも。
最初は、やや難しい哲学的な話などで始まった物語でしたが、読んでいるうちに段々と引き込まれて行きました。
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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