発行年月:2011年12月
劣悪の環境から抜け出すため、罪無き少年は恐るべき凶行に及んだ。
25年後の夜。大人になった彼に訪問者が。
それは、救いか? 悪夢の再来か?
母に捨てられ、父に殴られ、勉強もできず、リコーダーも吹けない。
そんな俺でも、いつかなにかができるのだろうか。
河口近くの街の、掃き溜めの居酒屋「まつ」の主人、藤太。
客との会話すら拒み、何の希望もなく生きてきた。
ある夏の夜、幼馴染みの小学生の娘が突然現れた。
二人のぎこちない同居生活は彼の心をほぐしてゆく。
しかしそれは、凄惨な半生を送った藤太すら知らなかった、
哀しくもおぞましい過去が甦る序章だった。
今、藤太に何ができるのか?
この切なさ。この高まり。遠田潤子に注目!
(光文社HPより)
なんと切なく哀しい物語なんだろう。
泣けるというより、胸がしめつけられるように辛い。
主人公の中井藤太40歳は、父が営んでいた居酒屋「まつ」を一人でやっている。
店の様子は、うらぶれているかんじ。
けれど、そこに集う常連客たちは、明るく店の雰囲気としては悪くはない。
そこにある日、小学生の女の子・ほづみを連れて、中学の同級生・秋雄が訪れる。
秋雄は、藤太とは違うエリ-トの道を進み、東大卒の弁護士になっていた。
いづみを暫く預かって欲しいと500万円とともに置いて行く。
ほづみは、同じく中学のとき仲のよかった子で3人はいつも一緒だった。
そして、3人には共通する悩みがあった。
それぞれの親は最低な父親。
酒が入ると暴れ、暴力をふるい、3人の父親は、賭けマ-ジャン仲間でもあった。
親が違っていれば、もっと楽しい毎日が送れるのに・・・
ついに秋雄と藤太は、それぞれの父親たちが、とんでもないことをしていることに気づく。
絶対に赦せない!!そして、計画するあること。
大事に思っているいずみのために犯す罪。
けれど。。。。終盤、その犯した罪により、さらに、いずみが辛い目に遭っていたことを知る藤太。
いずみの気持ちを考えると、本当に辛い。
表題の「アンチェル」は、有名な指揮者・カレル・アンチェルを指し、彼はチェコフィルハ-モニ-管弦楽団に属しているが、第二次大戦中、チェコはドイツに占領され、アンチェルはユダヤ系だったため、ポ-ランドの収容所に送られ、家族はそこで全員、亡くなっているそう。
アンチェルが指揮する楽団が奏でる、「新世界から」の曲が3人の思い出の曲になっていて、それを聞いて感銘を受けた藤太たちの気持ちがまた泣ける。
「蝶」についても藤太・秋雄・いずみにとっては、忘れられない思い出がある。
兎に角、暗くて、読んでいるのが辛くなることばかりですが、先が気になるお話です。
デビュ-作久の「月桃夜」を読んだときも衝撃的でしたが、これもまた凄い!!
しかし、辛い話の最後には、今回もちょっと光のようなものが見えたのが救いでした。
この表紙の絵も、儚げでいい。
蝶にも見えるし。
次回作も期待してます!!
劣悪の環境から抜け出すため、罪無き少年は恐るべき凶行に及んだ。
25年後の夜。大人になった彼に訪問者が。
それは、救いか? 悪夢の再来か?
母に捨てられ、父に殴られ、勉強もできず、リコーダーも吹けない。
そんな俺でも、いつかなにかができるのだろうか。
河口近くの街の、掃き溜めの居酒屋「まつ」の主人、藤太。
客との会話すら拒み、何の希望もなく生きてきた。
ある夏の夜、幼馴染みの小学生の娘が突然現れた。
二人のぎこちない同居生活は彼の心をほぐしてゆく。
しかしそれは、凄惨な半生を送った藤太すら知らなかった、
哀しくもおぞましい過去が甦る序章だった。
今、藤太に何ができるのか?
この切なさ。この高まり。遠田潤子に注目!
(光文社HPより)
なんと切なく哀しい物語なんだろう。
泣けるというより、胸がしめつけられるように辛い。
主人公の中井藤太40歳は、父が営んでいた居酒屋「まつ」を一人でやっている。
店の様子は、うらぶれているかんじ。
けれど、そこに集う常連客たちは、明るく店の雰囲気としては悪くはない。
そこにある日、小学生の女の子・ほづみを連れて、中学の同級生・秋雄が訪れる。
秋雄は、藤太とは違うエリ-トの道を進み、東大卒の弁護士になっていた。
いづみを暫く預かって欲しいと500万円とともに置いて行く。
ほづみは、同じく中学のとき仲のよかった子で3人はいつも一緒だった。
そして、3人には共通する悩みがあった。
それぞれの親は最低な父親。
酒が入ると暴れ、暴力をふるい、3人の父親は、賭けマ-ジャン仲間でもあった。
親が違っていれば、もっと楽しい毎日が送れるのに・・・
ついに秋雄と藤太は、それぞれの父親たちが、とんでもないことをしていることに気づく。
絶対に赦せない!!そして、計画するあること。
大事に思っているいずみのために犯す罪。
けれど。。。。終盤、その犯した罪により、さらに、いずみが辛い目に遭っていたことを知る藤太。
いずみの気持ちを考えると、本当に辛い。
表題の「アンチェル」は、有名な指揮者・カレル・アンチェルを指し、彼はチェコフィルハ-モニ-管弦楽団に属しているが、第二次大戦中、チェコはドイツに占領され、アンチェルはユダヤ系だったため、ポ-ランドの収容所に送られ、家族はそこで全員、亡くなっているそう。
アンチェルが指揮する楽団が奏でる、「新世界から」の曲が3人の思い出の曲になっていて、それを聞いて感銘を受けた藤太たちの気持ちがまた泣ける。
「蝶」についても藤太・秋雄・いずみにとっては、忘れられない思い出がある。
兎に角、暗くて、読んでいるのが辛くなることばかりですが、先が気になるお話です。
デビュ-作久の「月桃夜」を読んだときも衝撃的でしたが、これもまた凄い!!
しかし、辛い話の最後には、今回もちょっと光のようなものが見えたのが救いでした。
この表紙の絵も、儚げでいい。
蝶にも見えるし。
次回作も期待してます!!
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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