科学に翻弄される人間の滑稽な姿を描く、現代の黙示録
レアメタル入りのウナ ギ、蘇生した縄文時代の寄生虫、
高性能サル型ロボット……
科学技術発展の先に人類の幸福は本当にあるのか
(文藝春秋HPより)
4つの短編からなる。
どれもとても面白かった!
「深海のELL」
駿河湾沖の漁に出た漁師たちが引き上げた大量の巨大うなぎ。
そのうなぎは異様なかんじで、目が異様にキラキラ。
体内にパナジウムを取り込んでいることがわかる。
プラチナと同様、希少価値の金属(レアメタル)をなんとか資源として使えないか?
パナジウムをうなぎから取り出す開発チ-ムが組織される。
「豚と人骨」
マンション建設予定地の地下で、見つかった大量の骨。
かなり昔の人骨と何やら獣のような骨。
調べた結果、獣は豚と予測される。
そして、骨の発掘調査に関わった者達に広まる異変。
大量の骨と一緒に蘇った寄生虫。
「はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか」
自分で判断して行動する猿のロボットに追い掛け回される女性の話
「エデン」
気づいたら異国の地でトンネル掘りの重労働をさせられることになった青年。
新世界を求めて63年間そのトンネルは掘られるのだという。
どの話も実際にはない話・・・・でしょう。
でももしかしたらこれに近いことはあるのかも?
全部面白かったけど、後半の2つが好き。
「はぐれ猿・・・・」は、最初は、なんとも異様なかんじでぞわぞわするような恐怖を読みながら感じるのだけど、ラストはちょっとほのぼのした気持ちになれる不思議な展開。
最後の「エデン」も最初は、変な世界から早く逃げ出せたらいいなぁ~と主人公の気持ちで読んでいましたが、ラストは、そういう生き方もありかな?
と今までの緊張感が取れて良い意味で脱力。
短編集だけど、内容はすごく充実で読むのが楽しかった!
★★★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;