発行年月:1999年12月
人形の名は りかさん
過去ある人形たちの声がきこえる。
ようこは自分の部屋に戻り箱を見た。お人形のおいてあった下には着替えが幾組かたたんであり、さらにその下のほうにもう1つ箱のようなものが入っている。開けると和紙にくるまれた、小さな食器がいくつか出てきた。「説明書」と書かれた封筒も出てきた。中には便せんに、おばあちゃんの字で、つぎのことが書いてあった。
『ようこちゃん、りかは縁あって、ようこちゃんにもらわれることになりました。りかは、元の持ち主である私がいうのもなんですが、とてもいいお人形です。それは、りかの今までの持ち主たちが、りかを大事に慈しんできたからです。ようこちゃんにも、りかを幸せにする責任があります』・・・・・・人形を幸せにする?・・・・・・どういうことだろうってようこは思った。どういうふうに?
(本の帯文より)
雛人形に関係ある人形のお話。
物語はある日、ようこのおばあちゃん(お父さんのお母さん)から、お人形のりかさんが送られてくるところから始まる。
ようこは「リカちゃん人形のリカちゃん」が欲しいと言う意味でおばあちゃんにリカちゃんが欲しいと言ったのに・・・とがっかり。
でも、すぐに、りかさんがようこの大切な存在になってくる。
お人形には魂が込められているとかよく聞くけど、それを裏付けるような物語でもあります。
ようこの元に送られて来た、りかさんはおばあさんとの長い時間を供に過ごし、その時の記憶を持って、ようこにいろいろと話して聞かせます。
人形が喋るというとちょっと不気味な感じもするけど、ここではごく自然な成り行きなので、不気味さは不思議と感じなかった。
りかさんは、ほかの人形の生い立ちなども教えてくれる。
お友達の登美子ちゃんの家で何やら悲しそうなお人形・汐汲みが気になり、真相を探るとずっと汐汲みが守ってきたアビゲイルという西洋人形の存在を知る。
歴史的な意味のあるアビゲイルの物語は切なかった。
日本にある使命を持って渡ってきたアビゲイルなのに、戦争によって酷い体験をした気の毒なお人形。
物は言わないけど、さぞ辛かったでしょう。
りかさんとようこによって、魂は少し穏やかなものになったかな?
ようこのおばあさんが話す事もとても心に沁みるものでした。
例えば・・・人形は吸い取り紙のように感情の濁りの部分を吸い取っていく。その技術が未熟だと人間の生気まで吸い取ったり、濁りの部分だけを持ち主に残してどうしようもない根性悪にしてしまうことがある。とか
人形遊びをしないで大きくなった女の子は癇が強すぎて自分でも大変。積み重ねてきた思いがその人を蝕んでいく。など
この本は図書館の児童書コ-ナ-で見つけましたが、大人が読む方が理解し易い本かも?と思いました。
とても素敵な本でした。
文庫本では、また違う話が収録されているそうなので、そちらも読んでみたいな。
梨木さんの本は(わたしにとっては)ハズレがないな。
人形の名は りかさん
過去ある人形たちの声がきこえる。
ようこは自分の部屋に戻り箱を見た。お人形のおいてあった下には着替えが幾組かたたんであり、さらにその下のほうにもう1つ箱のようなものが入っている。開けると和紙にくるまれた、小さな食器がいくつか出てきた。「説明書」と書かれた封筒も出てきた。中には便せんに、おばあちゃんの字で、つぎのことが書いてあった。
『ようこちゃん、りかは縁あって、ようこちゃんにもらわれることになりました。りかは、元の持ち主である私がいうのもなんですが、とてもいいお人形です。それは、りかの今までの持ち主たちが、りかを大事に慈しんできたからです。ようこちゃんにも、りかを幸せにする責任があります』・・・・・・人形を幸せにする?・・・・・・どういうことだろうってようこは思った。どういうふうに?
(本の帯文より)
雛人形に関係ある人形のお話。
物語はある日、ようこのおばあちゃん(お父さんのお母さん)から、お人形のりかさんが送られてくるところから始まる。
ようこは「リカちゃん人形のリカちゃん」が欲しいと言う意味でおばあちゃんにリカちゃんが欲しいと言ったのに・・・とがっかり。
でも、すぐに、りかさんがようこの大切な存在になってくる。
お人形には魂が込められているとかよく聞くけど、それを裏付けるような物語でもあります。
ようこの元に送られて来た、りかさんはおばあさんとの長い時間を供に過ごし、その時の記憶を持って、ようこにいろいろと話して聞かせます。
人形が喋るというとちょっと不気味な感じもするけど、ここではごく自然な成り行きなので、不気味さは不思議と感じなかった。
りかさんは、ほかの人形の生い立ちなども教えてくれる。
お友達の登美子ちゃんの家で何やら悲しそうなお人形・汐汲みが気になり、真相を探るとずっと汐汲みが守ってきたアビゲイルという西洋人形の存在を知る。
歴史的な意味のあるアビゲイルの物語は切なかった。
日本にある使命を持って渡ってきたアビゲイルなのに、戦争によって酷い体験をした気の毒なお人形。
物は言わないけど、さぞ辛かったでしょう。
りかさんとようこによって、魂は少し穏やかなものになったかな?
ようこのおばあさんが話す事もとても心に沁みるものでした。
例えば・・・人形は吸い取り紙のように感情の濁りの部分を吸い取っていく。その技術が未熟だと人間の生気まで吸い取ったり、濁りの部分だけを持ち主に残してどうしようもない根性悪にしてしまうことがある。とか
人形遊びをしないで大きくなった女の子は癇が強すぎて自分でも大変。積み重ねてきた思いがその人を蝕んでいく。など
この本は図書館の児童書コ-ナ-で見つけましたが、大人が読む方が理解し易い本かも?と思いました。
とても素敵な本でした。
文庫本では、また違う話が収録されているそうなので、そちらも読んでみたいな。
梨木さんの本は(わたしにとっては)ハズレがないな。
★★★★★
PR
この記事にコメントする
カレンダー
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 4 | ||||
6 | 7 | 9 | 10 | 11 | ||
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(01/08)
(01/05)
(01/02)
(12/28)
(12/26)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア