発行年月:2025年9月
大らかな性格で孫に優しい偉大な人間国宝の祖父。氷のように冷たく息子に無関心な轆轤の名手の父。物心つく前に母親を亡くした少年・城は、陽と陰のような二者の間で育ち、悩み、苦しんでいた。父に認められたいがゆえに歪んでいく心。それは宿痾のように精神を蝕んでいき……。備前市伊部を舞台に、備前焼窯元父子三世代の心の闇に斬り込み、愛と憎しみの狭間でもがく人間たちを描いた家族史。
(集英社HPより)
*ネタバレ含みます
面白かった!!
親子三代(実際はちょっと違うのだけど・・・)の物語。
人間国宝の祖父・路傍は、孫の城には優しく気安く話が出来るのに
父の大河は、何か近寄りがたい空気を纏い、褒められたりしたこともないし
優しく接して貰った記憶もない。
備前焼きの窯元の家に育つ深田城の視点で物語が進み、終盤、父親の語りで
この父子の深い溝がなぜ生まれてしまったのかがわかる。
う~ん。
一番の元凶は、路傍の父じゃん!
他所に女を作り、産まれた子を息子夫婦(路傍とその妻・良子)に育てさせた
ことから始まったこと。
路傍が大河に対してとる態度と、大河が城にとる態度は
そっくりで、その連鎖が城で止まったことが救い。
城が香月と出会い、一旦は別れても再び付き合い、かけがえのない存在として
家族になり、息子の灯が生まれた。
城はきっと息子を父や祖父とは違う接し方が出来るはず。
父親の体が弱り、初めてじっくり息子に向き合い、過去のこと
いろいろな辛かった思いを吐き出したことで、初めて父を理解する城。
これ、もっと前に出来んかったのぉ~!?(/_;)
備前焼きの作品をつくる過程は、リアルで情景が目に浮かぶようだった。
★★★★★
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★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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