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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2025年6月


心震わせる生きもの賛歌。
美(う)っついのう。
紀州藩士の息子・十兵衛(後の本草学者・畔田翠山(くろだすいざん))は、幼いころから草花とは自在に語らうことができるのに、人と接するとうまく言葉を交わすことができずに育った。ある日、草花の採取に出かけた山中で天狗(てんぎゃん)と出会ってから、面妖な出来事が身の回りで次々と起こり……。若き本草学者の、生き物や家族、恩師との温かな交感と成長を描く、感動の時代幻想譚。


                 (実業之日本社HPより)





御伽噺みたいな物語で読んでいる間、楽しかった。

主人公は実在した人物だと、読みながら知る。
江戸時代後期に活躍した本草学者、藩医の畔田翠山(十兵衛)。
少し時代は違うけれど、朝ドラのモデルになった牧野富太郎とも
似ているかな~と。

翠山は、人と関わることが苦手で植物相手だと、自分のことを話したり
植物のことを知ろうと、じ~っと観察し、記録する。
師匠の小原桃洞には最初から目をかけられ、孫の義直とも最初は
ギクシャクした関係だったけれど、一緒に山に山草を調査しに
出かける仲間になっていく。
苦手だった人との関わり方も段々と自然に出来るようになって
そんな成長も読んでいて楽しかった。

山で出会った天狗や、あの世にいった父親やこの世で不幸な死に方をした
姫様なども出て来て、その都度、会話する翠山のことばが
誠実でやさしい。



挿絵が幾つか載っていて、それも翠山の描いたものだと知り驚く。
丁寧な線で、山の景色、草花、魚・・・・どれもいい。

そ~いえば、牧野富太郎の描く植物画も素敵だったな。

この物語の舞台、紀伊の国。
まだ行ったことはないけれど、今もこの物語が浮かぶような素敵な場所が
たくさん、ありそうだな・・・・。




                    ★★★★★
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