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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年5月


美人画は「色気がない」、役者絵は「似ていない」と酷評されてばかりの歌川広重。鳴かず飛ばずの貧乏暮らしのなか、舶来の高価な顔料「ベロ藍」の、深く澄み切った色味を目にした広重は、この青でしか描けない画があると一念発起する。葛飾北斎、歌川国貞が人気を博した時代に、日本の美を発見した名所絵で一世を風靡し、遠くゴッホをも魅了した絵師の、比類なき半生を描く傑作長編。
受賞
第42回 新田次郎文学賞
テレビ化
特集ドラマ「広重ぶるう」(2024年3月放映)


                   (新潮社HPより)



先に「ふたりの歌川」を読んで、広重のことを更に読みたくなり、こちらを
手に取った。

絵師として少し仕事を始めた頃。
師匠の豊広は一昨年に亡くなったところ。


絵だけではまだ食べて行けず、定火消同心としても働く身。

同い年の国芳は自分を弟子にしなかった豊国の元で既に世に名を知られる
絵師になっているし、70歳の北斎もまだまだ新しい作品を出し人気は
衰え知らず。
それに比べて、自分は・・・・と鬱々とする気持ちもありの広重。

それでも広重の絵を評価してくれる者も出て来て弟子にしてほしいと次々に
若者が来る。

が、そんなとき、どんな時も笑顔で寄り添ってくれていた妻が亡くなり
気落ちする広重のもとに師匠・豊広と親しかった喜三郎が弔問にきて
師匠の話、妻・加代の話を聞き、自分は色々な人に見守られていたのだなと
つくづく感じ、師匠に対しての感謝の気持ちを強く抱く。


祖父の後妻が生んだ仲次郎が30歳を超えたあたりで急死。
遺された嫡男はまだ幼い。

妹のさだが赤子・辰を産むが、辰が6歳の頃、夫の了信(僧侶)と別れ再婚したいが
嫁ぎ先には4人の子があり、辰を預かってほしいと言われる。
そして辰を預かったあと、了信には50両の借金があり、借金取りが・・・


波乱万丈な広重。
借金を返すために嫌々、描くことになった枕絵。
元々、女性を描くのは苦手な広重が豊国に指南して貰って、なんとか
描いて借金を返済。

絵師にも得意分野があるんだな・・・^m^


加代がなくなり家の細々したことをしてくれる女性・お安が来て加代とは
性格は真逆ながら、こちらもしっかり広重を支えていて
結構、人間関係には恵まれていたんだなと感じた。


絵師として成功するには、良い版元、彫師、摺師に巡り会うことも必要だった
んだと思う。

先に読んだ「ふたりの歌川」同様、楽しかった。


「広重ぶるう」が以前、NHKでドラマ化されていたと知り、見逃したと
がっかりしていたら、明日BSで再放送の情報を得て、うれしい!!
なんともラッキー!


梶よう子さんの作品、今まで読んでなかったけれど、これから
読んでいこうかな?



                     ★★★★★
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