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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2025年6月


著者6年ぶり、待望の長篇小説
著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。
内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。たったひとりの家族であるおばあさんが働いているあいだ、幼いリリカは野辺の老介護人に預けられて育った。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。
やがてリリカは歌うことを覚える。野辺の重要な行事である“羊の毛刈り”で初めて披露された彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか?
名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。


                      (文藝春秋HPより)


特殊な環境で育ったリリカ。
成長して、車を運転して有料道路の料金所を通ることが度々あり
「アカシアの野辺」のお菓子を買いに来る人だ!とその手をみてわかり
親しくなっていく。
そのまま他所で暮らす選択も出来たのに・・・・


リリカがアカシアの野辺のなかで色々な人の死をみる。
それがすごくリアルで、人の亡くる直前の様子をこんな風に書けるのは
凄いなとおもった。
羊が二頭、角が絡まったまま逃走し、その後の二頭が息絶えるまでの
描写も印象に残るものだった。
それを見ているリリカ。

行方不明になった幼い男のこのことを思って、迷子になったその子が遊べるように
と、リリカの祖母がつくった人形たち。
それらも月日の経過とともに朽ちていく。

人も動物も人形もいずれは生きていたころとは違う姿になって最後は
自然のなかに溶けていくんだな・・・とあたりまえのことだけど
改めて考えた。



また暫くしたら、再読したい。



                    ★★★★★
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